- 発達障害の子どもたちの強みをどうやって引き出せばいいのか?
- 発達障害の子どもが社会で疎外されないためにはどうすればいいのか?
- 発達障害の子どもたちが高校や大学に進学するための支援は何があるのか?
オーストラリアのボンド大学の研究では、発達障害の子どもたちの可能性を引き出すことが、世界で起きている複雑な問題を解決する一歩になると考えています。
同大学の自閉症スペクトラム障害センター(CASD)は、発達障害であったり、発達障害の子どもを持つことをポジティブなこととして捉えようと取り組み、発達障害の人たちが社会に必要とすることについて、これまでとは違った話をしようと、世界で初めての研究を先導しています。
研究者たちはすでに30人のゴールドコーストに住む家族たちにインタビューを行い、その回答を分析して、より広く全国で行うためのアンケートを作っています。
デンマーク、イギリス、米国の共同研究者たちも参加します。
ボンド大学の教授で、CASDのディレクターのヴィッキー・ビシカは、発達障害の人が潜在的にもつ強みを、最大限に引き出すための方法づくりのために、調査をしています。
「私たちがこれまでに話をした親たちは、自分の子どもが持っている強みについて熱く語ってくれました。
しかし、話が進むとふだん抱えている困難について語りだします。
発達障害の子どもが持っている素晴らしさについて話をしても、
多くの場面で困ったことがあり、孤独や孤立することを話します。
私たちは、知的障害をもつ発達障害の子どもたちについての研究をしていますが、
言葉を話せる、平均以上の知性や才能をもった子どもたちでも、社会的な行動に問題があるために、疎外されることがあります。
子どもたちは、医学、科学、物理、環境などに大きな関心を持っていますが、そのために高校や大学へ進学することが難しくなっています。
私たちは、家族、専門家、政府と連携をして、これを変えていきたいのです。」
ビシカ教授は、発達障害の子どもがもつ知識にたびたび驚かされるといいます。
「私は8年間、個人的にも子どもたちと接していますが、子どもたちのもっている興味への知識が十分になくて会話が続きません。
子どもたちが宇宙や時空間の話をしはじめると、わたしの知識が追いついていないのです。」
「私は実際に、人口爆発、気候変動、医療、ITの進歩などに関連する、私たち人類が直面している大きな問題は、発達障害の人たちが取り組んで、解決してくれるだろうと信じています。
発達障害の人たちは、私たちのわき役では全くないのです。」
(出典:豪Gold Coast Bulletin)(画像:Pixabay)
時代を変えてきたのは、その時代に「ふつう」ではなかった人たちです。
ちがった感覚で、ちがうように世界をとらえて、多くの困難があっても進んできた人たちなのですから、それは当然、必然のように思えます。
人類史の研究からもそれが伝えられています。
人類進化において発達障害の人は重要だった
(チャーリー)