- 発達障害の子どもへの療育は効果があるのか?
- 長期間の療育関係が終わった後も子どもは先生のことを覚えているのか?
- 発達障害のある人が成長して社会で働くことができるのか?
ソーシャル・ダイナミックス・センター社は今はとても忙しい状況です。
新しいオフィスを構え、新しいスタッフのトレーニングを行っているのは、発達障害の子どもと家族へのサポートや療育を行う、設立から5年経ったこの企業へのニーズがますます高まっている証です。
CEOのピート・パラレスは、会社の将来について話し、計画を立てることに多くの時間を費やしています。
先日、昔のことを思い出すことがありました。
「最近、引っ越しをした時に、古い箱が見つかったんです。
この箱の中には、15年前の写真がありました。」
パラレスは、発達障害の子どもへの療育の先生でした。
その写真のなかには、最初の頃に担当した子どもの一人、話すことができなかった3歳の男の子、ジャック・クラークと一緒に写った写真が何枚もありました。
「ジャックは話すことができませんでした。
他の子どもや大人とやりとりをするのに、多くの困難をかかえていました。」
パラレスは、数年に渡ってジャックへの療育を行いました。
そして、初めてジャックは言葉を話しました。
パラレスは、ジャックの担当を外れることになりました。
パラレスはジャックのことが好きでしたが、療育の観点から、ジャックや家族と離れることが必要とされたためです。
「それは、療育の仕事の中で、つらいことでした。
2年、3年、いっしょに過ごすと離れなければならないのです。
すばらしい関係を築いても。」
パラレスは、療育士としてのキャリアを重ねたあと、起業しました。
そして、パラレルはしばしばジャックのことを思い出しました。
一方で、もうあの幼かったジャックは一緒に過ごした時間を覚えていないかもしれないとも考えていました。
そして、パラレルには本当に驚きと喜びの出来事がありました。
あのジャックに会う機会ができたのです。
ジャックの反応は?
「2001年、2002年、2003年に、いっしょだった。パラレルのことを考えていた。」
そう言います。
これまで毎年、紙に書いていたと言います。
会うことができたのは、ジャックの家族がパラレルに感謝をしたくて、ずっと探していたからでした。
家族は、パラレルが一生懸命に行ってくれた数年間の療育のおかげで、ジャックが話せるようになり、まわりとのやりとりができるようになり、そうして今、立派な18歳になったと考えています。
パラレルは言います。
「あれから15年、私が療育をしていたあのジャックが、いろいろできる立派な成人になっていました。
そして、本当に魅力的な人物です。」
パラレルは立派になったジャックにとても感心して、ジャックにアシスタントとして働いてもらうことにしました。
ジャックは週に2日、パラレルのスケジュール管理など、ソーシャル・ダイナミックス・センター社で仕事を手伝っています。
古くからの友だちがいるのは、本当にうれしいことだとパラレルは言います。
この関係は、パラレルが療育を仕事として行ってきただけでなく、長い間、それ以上に懸命に行ってきた証拠です。
「私はできるかぎり努力をしてきました。
療育を行うにあたって、いつも自分に質問をしていました。
全力をつくしたか?もっと他にもするべきことはないか?」
ジャックに関しては、パラレルには、もうそんな迷いはもうありません。
これからは、療育を行う子どもではなく、一緒に働いていくパートナーになったのですから。
(出典・画像:米NBC BAY AREA)
なんて素敵な関係でしょう!
まるでもう一人の親であるかのように、本当に親身になってくださって、とてもお世話になって、忘れることが絶対ない、ずっと尊敬と感謝をしている、うちの子どもの先生だった方が何人かいます。
いつかまた、そんな先生たちとうちの子どもと、一緒になって取り組める何かができればとよく夢見ています。
発達障害の息子だけでない働ける機会を創る
(チャーリー)