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発達障害の人たちは農園で働いて野菜だけでなく自分たちも育てる

time 2017/06/09

この記事を読むのに必要な時間は約 8 分です。

発達障害の人たちは農園で働いて野菜だけでなく自分たちも育てる
  • 発達障害のある大人や子供はどのようにして社会的スキルを向上させることができるのか?
  • 発達障害のある人たちが就労するためにどのような支援プログラムが存在するのか?
  • 発達障害のある人が農業を通じて得られるメリットは何か?

ホームステッド農園には、少し違った生態系があります。
米アイオワ州にある他の農園と同じように、土壌、天候、種、人によって、私たちの夕食にのぼる野菜が作られます。
しかし、ホームステッド農園の生態系が違うのは、人についてです。
収穫するのは、野菜よりも、笑顔やけんかを通じて、成功した一日です。
ここで働く人のほとんどは、自閉症スペクトラムです。
コミュニケーションや社会的なスキルに問題をかかえています。
ここで働く訓練をしている人たちは、野菜を収穫しますが、この農業支援プログラムの目的はそれ以上のものです。
「この農場で重要なのは、野菜を育てることではなく、自分がどう育っていくかです。」
非営利団体のホームステッドのアンジェラ・グリンはそう言います。
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この農場では、発達障害の人が4人が働いています。
月曜日から金曜日まで、この農園の全てのことを任されています。
野菜を栽培し、収穫し、指定された場所へ届けます。
また、ポインセチアを栽培して、花輪を作ったりもします。
発達障害の成人は、雇用の機会がないことに苦しんでいるとグリンは言います。
この農場の目標は、ここで働くことによって、最終的には別のところでも仕事ができるような自信と技術を育むことです。
「私たちにとっては、野菜を収穫することよりも、はるかにそれが大事なことです。
収入を得ることが出来るようになれば、それは社会に貢献していることだと思います。
私たちは、この農園で仕事ができるようになって自信をもって、社会に貢献する一員となってほしいと考えています。
誰にでも、能力に関係なく、すばらしい価値があるのです。」
ここで働くクロスカは、他の二人と一緒に住んでいます。
話すことはあまりありません。クロスカを長い間介助しているドン・コックランはそう言います。
話しても、静かにとても小さな声です。目をあわせることもありませんでした。
「1日の間に、二言でも聞けたら幸運でした。」
しかし、農場で7年間働くと変わってきました。
クロスカは朝食の時には、一緒に住む仲間たちに今日することなどを質問するようになりました。
目を合わせて、話せるようになりました。
質問したり話せたりするようになったのは、クロスカにとっては大きな成長です。
コクランもグリンもそう言います。
一人の人間として、まわりとやりとりをしていけるようになるための大きな一歩です。
「クロスカは、他の人とのやりとりが農園で働く前に比べると、ずっとできるようになりました。
そして、たくさんの自信もつきました。
クロスカは恥ずかしがり屋ですが、今は輝いて自信に満ちています。」
農園で仲間とやりとりをしながら、やりたいことや問題に取り組んできたことが、クロスカを成長させたのです。
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ホームステッド農園での取り組みが、発達障害の人にどんな影響を与えるのかを正しく理解するためには、
「大きな」「小さな」という言葉がキーワードになります。
クロスカのような発達障害の成人の生活に、大きな影響を与えるのは、ほんのわずかな小さな変化だと言います。
「私たちの社会では、仕事がその人が何者かを定義します。
仕事があることで、自尊心を持つことができます。
いつも、あなたはどんな仕事をしていますか?と質問をされるのです。
ここで働いていれば、農園で働いています。じゃがいもを育てています。と言えるのです。」
そうグリンは言います。
「そして、人生に必要なスキルを得ようと求めている人のために私たちは活動をしています。
時間にあわせて働くこと、集中することを、知らなければなりません。」
発達障害の人はコミュニケーションに困難をかかるだけでなく、感覚についても問題をかかえていることがめずらしくありません。
ある音や光で、気分が悪くなります。
しかし、発達障害の人がオフィス環境で経験するような困難は、農園での仕事では問題にならないことが多いとグリンは言います。
蛍光灯はありません。太陽です。
そして、いつでも必要な時には休憩することができます。
担当する仕事を変えることも問題ありません。
ホームステッドは発達障害の人がそうでない人と一緒に働ける、農業を療育に活かすユニークな存在だとグリンは言います。
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「外にいるのが好きですか?ここなら大丈夫です。」
「騒音や人混みが苦手ですか?ここの仕事なら大丈夫です。」
「最初から最後まで自分でするのが好きですか?ここにはそれがあります。」
「そんなことを言うことができるのところは、ほとんどありません。
ここではそれが言えるのです。」
この農園が提供するのは、仲間と一緒に取り組むことを通じて獲得する、自分の成長への興奮と自信です。
グリンはこう言います。
「正直に言うと、幸せと充実について、教えることよりも教わる方が多いのです。
ここで働くトーマスは、私に挨拶をするときは、本当に素晴らしいものです。
私たちは、瞬間瞬間を一緒に共有しています。
この世界で本当に重要なことについて、教えてくれます。
発達障害で問題をかかえ苦しんでいる人がいます。
ここに来れば、毎日笑顔で外で仕事をすることができますよ。」
ここで働く発達障害のアシュリーは、仲間たちが手助けをしてくれたおかげで、働けるようになったと語ります。
「ここの仲間たちは、私にとって本当に特別です。
ここに来る前は私は、自分から何かをすることができませんでしたが、
今は、仲間たちと一緒にしていると言えます。私を強くしてくれました。
たいしたことではないかもしれませんが、私にとってはとても大きなことです。
本当に貴重なことなんです。」
この農園が行っていることはとても重要なことです。
しかし、コストがかかります。
助成に頼っていますが、厳しい状況だとグリンは言います。
農作業に必要な道具は、壊れても自分たちで修理して使っています。新しいものを買う余裕はありません。
発達障害の成人に向けての資金集めは簡単ではありません。
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グリンはこう言います。
「発達障害の子どもたちの研究などには焦点があてられています。
それは素晴らしいことです。
しかし、その子どもたちも成長すると、仕事が必要になり、自分たちの人生を生きたいと思う大人になることを忘れないでほしいと思います。
私たちがここに農園をもち、ここにいるのはそのためです。」
(出典・画像:米DAILY NONPAREIL
学校を卒業した後。
本当に心配になることです。
こうして支えてくれる方がいて、こういう機会があることには感謝するばかりです。
また、このような方々がこういう機会を作りやすくなることを、勝手ながら願わざるを得ません。
 
バラ農園は存続し発達障害の青年を支援する

(チャーリー)


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