発達障害のニュースと障害者のハンドメイド

ハンドスピナーはADHDや自閉症など発達障害の子に良いものか?

time 2017/05/26

この記事を読むのに必要な時間は約 9 分です。

ハンドスピナーはADHDや自閉症など発達障害の子に良いものか?
  • ADHDの子どもにフィジェットスピナーは効果的なのか?
  • フィジェットスピナーは授業の妨げになりうるのか?
  • 特定の学童に対してフィジェットスピナーの使用を許可すべきか?

小さな回るプロペラのようなおもちゃ、「フィジェットスピナー」「ハンドスピナー」が米国で大人気です。
学校を含めた教育関係者の間でそれが議論の的となっています。
さまざまな形と色があり虜になってしまう人もいる、このおもちゃが教室での学習や集中することを助けるのか、妨げるのか教育者の間に混乱がおきています。
ADHDや自閉症などの発達障害、不安障害、情緒不安定の人が、このおもちゃをいじることで、心が落ち着き、授業に集中するのが苦手な人も集中できるようになるといいます。
h0
一方で、生徒たちが集中できなくなり、授業を受ける妨げになるものだとして教室に持ってくることを禁止しようとする人たちもいます。
「それは私たちの間でも、先生や生徒も含めて議論になっています。」
米カリフォルニア州オークランドのインターナショナルコミュニティースクールの学長のエレノア・アルダーマンは言います。
「私たちの世代でブームになったブレスレットと同じようなものです。
本当にそれを必要としている生徒と、それをただ人に見せたい生徒を区別することが難しいのです。」
カレッジ・パーク高校に通うシニア・ベイトマンはADHDで苦労をしています。
このフィジェットスピナーがそれを変えてくれると信じています。
「正直、こんなにすごいとは思っていませんでした。
うまく伝える言葉が見つからないのですが、体をゆらしたりするのを止めてくれる、目立たない方法なんです。
集中することができます。」
シニアはおもちゃのお店でアルバイトもしていますが、毎日ハンドスピナーが2,30個売れると言います。
週末には1日で100個を超えることもあると言います。
買っていくのは主に学生ですが、多くの大人も探しにくるそうです。
自分のような人たちは、このおもちゃのおかげで、ボールペンをカチカチしたり、足を踏んだりするのが避けられるとシニアは言います。
これは、一つの療法といえるかもしれません。
「私のクラスの、落ち着きがなく乱暴な男子が、これを回して、静かになっているのを見ました。
まるで、別世界にいるようです。全く違う人のようになっていました。
本当に、このハンドスピナーは大きな助けになっています。
これを学校に持ってくるのを禁止にするのであれば、学校はその代わりになるような対応をするべきだと思います。」
そうシニアは言っています。
h2 h3
「このおもちゃは新しいものであるため、学習障害をかかえる人たちに効果があることを証明する研究はまだありません。
しかし、多くの人がこのおもちゃのメリットを信じています。」
そう行動療法の専門家であるプーヤ・ショプラは言います。
「今の時点では、このスピナーは本当に新しいものなのです。私たちのような専門家にとっても。
これが助けになるものか、そうでないものか、まだなんとも言えません。」
しかし、同じような道具やおもちゃは、フィジェッツと呼ばれて、療育の場では少なくとも15年以上利用されているとプーヤは言います。
ねんどをこねたり、マジックテープをつけたり、剥がしたり、揺れるいすに座って体を曲げたり。
実際に、ADHDやADDの子の70から85%がこのようなフィジェッツで、感覚刺激に対する欲求を抑えることができ、席を離れたり、話し始めたり、その他教室での問題行動を起こすことが減ったとプーヤは言います。
しかし、その道具が、ある人に対して効果があったとしても、別の人でも効果があるとは限らないとも付け加えます。
同じことがフィジェットスピナーにも当てはまります。
使う人によって違ってくるのです。
速く回すことをゲームとしてただ楽しんでいる人であれば、それは授業に集中できるどころか、妨げになってしまいます。
臨床心理士のデイビッド・アンダーソンはハンドスピナーが、ADHDの子どもたちに効果があることを示す科学的な証拠はまだないと言います。
「ハンドスピナーはまだ生まれたばかりです。
科学的な証拠を示すには時間とお金がかかります。
本当に新しい何かが生まれて、それが大騒ぎをされているような頃は、科学的な支持があることはまずありません。不安、ADHD、ストレス、それらに役に立つというのであれば、科学的な裏付けを追求していきたいと考えています。」
h4 h5
インターナショナルコミュニティスクールの学長のアルダーマンは、フィジェットスピナーを生徒から没収していました。授業中に遊んでいたからです。
しかし、その生徒がADHDであり、それで落ち着いて授業を受けていたことを知り、返しました。
「授業に集中しやすくなります。そしてずっと集中していられます。」
小学校5年生のロゲリオ・カーデナスはそう言います。
「どうして、教室に持ってくるのを禁止するんだ。」
そう怒っているのは、ハンドスピナー中毒と呼ばれていた小学校4年生のドリス・サンチェス・ロベスです。
「指をマッサージしているようなものです。
それが禁止になったら、テストの前にはどうやって落ち着けばいいの?」
アルダーマンは、学校の全ての教室にはストレスボールやカエルのおもちゃ、足を振るのが好きな子ども向けの椅子につけるゴムバンドなどの道具があると説明します。
しかし、それらがあるからといって、フィジェットスピナーをおもちゃとして扱う判断をすれば、多くの生徒や教師、職員の間でもっと問題になってしまうことを認めています。
そのために、アルダーマンは生徒のおもちゃの取り扱い方については、個別に対応していると言います。
授業の妨げになるとして、生徒からハンドスピナーを没収しはじめた教師の中に、小学5年生を教えるジェイソン・ジョセフがいます。
すでに4つのハンドスピナーが没収されて、ジェイソンの引き出しの中にあります。
「授業を行うと、生徒たちはハンドスピナーを手に持っています。そして回し始めます。
あなたも、流行っているのは耳にしているでしょう。
生徒たちは、落ち着くために、動かないためにそうしていると言いますが、
私から見れば、今までよりも落ち着きがなくなっています。」
しかし、レイブンスウッドシティ学区でデザインやものづくりについて教えているニコ・ジャニックは、ハンドスピナーは予想外のことで生徒たちの学習に効果を上げているといいます。
「放課後や自由時間に、ここに来てレーザーカッターや3Dプリンタを使って、ハンドスピナーを作る生徒を見かけます。
その結果、多くの物理学も学ぶことにもつながっています。」
よく回る形にするために、「角運動量」について生徒たちに説明をしていました。
「質問は実践的なものです。興味が生徒たちから湧き出ています。
ここに来て、技術に関心を持ってくれれば、本当に素晴らしいことです。」
(出典・画像:米EAST BAY TIMES)(画像:Pixabay
ハンドスピナー、フィジェットスピナーが米国をはじめ海外で大人気となっています。
大人気であること、学校がもってくることを禁じたなどのニュースが米国を中心に海外で今年4月くらいから目立ち始めました。そして、最近は日本国内でもネットやTVのニュースで紹介されるようになってきましたね。
私も実際に買って、うちの子どもと遊んでみました。
実際、くるくる回していると、没入して、落ち着く気がします。そう言うのもわかります。
しかし、うちの子どもはテーブルに置くと指で回すのですが、うまく持つことができなくて持ってはできません。
うまく手に持たせても、落としたり、飛ばしたりするので、重く硬い金属製のものは長い時間よく回って楽しいのですが、少し危ないと思いました。
現在、売られているハンドスピナーは、遊ぶ人によっては少し注意が必要だと思います。

(チャーリー)


たーとるうぃずを「いいね!」をする。フォローする。

その他の最新の記事はこちらから
福祉作業所で障害のある方々がひとつひとつ、心をこめて作り上げた良質なハンドメイド・手作りの品物をご紹介します。発達障害の関連ニュースや発達障害の子どもの4コマ漫画も。
気に入ったものはそのままamazonで簡単にご購入頂けます。

商品を作られた障害のある方がたーとるうぃずやAmazonに商品が掲載されたことで喜ばれている、売れたことを聞いて涙を流されていたと施設の方からご連絡を頂きました。

ご購入された方からは本当に気に入っているとご連絡を頂きました。ニュースや4コマ漫画を見て元気が出たとご連絡を頂きました。たーとるうぃずがますます多くの方に喜ばれるしくみになることを願っています。


NPO法人Next-Creation様からコメント

「たーとるうぃず様で販売して頂いてからは全国各地より注文が入るようになりました。障がい者手帳カバーは販売累計1000個を超える人気商品となりました。製品が売れることでご利用者の工賃 UP にもつながっています。ご利用者のみんなもとても喜んでおります」

テキストのコピーはできません。