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発達障害の人はそうでない人に比べて奇妙な体験をした人が3倍超

time 2017/05/21

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発達障害の人はそうでない人に比べて奇妙な体験をした人が3倍超
  • 何もないのに音が聞こえることがある?
  • 誰もいないのに誰かがいると感じたことがある?
  • 異常な知覚体験をしたことがある?

音がするようなものが何もないのに、音が聞こえたことがありますか?
誰もいないのに、誰かがいると感じたことがありますか?
こういった経験をよくする人たちがいます。
統合失調症など、特定の精神状態によって起きることがありますが、精神的な問題をかかえていなくても起きることはあります。
独チュービンゲン大学の新しい研究では、発達障害の人がこのような経験をする可能性が高いことを示唆しています。
発達障害の人、そうでない人に異常な知覚体験について質問をし、それを経験したことがある人数を調べました。
発達障害の人は、そうでない人に比べて、異常な経験をした人が3倍以上もいました。
例えば「誰もいないのに、誰かに触られたように感じたことはありますか?」という質問に対して、発達障害の人の63%がYESと答えました。発達障害でない人では7%です。
同じように「何もそこにはないのに、形や光や色が見えたことはありますか?」という質問に対しては、発達障害の人の47%がYESと答えました。発達障害でない人では14%です。
これまで、発達障害と過敏な聴覚や視力との関係については知られていましたが、幻覚経験との関係については知られていませんでした。
しかし、知覚過敏とは異なる幻覚経験もありました。
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今回の質問では、発達障害では過敏となる感覚の強さに関するものだけではなく、奇妙な感覚についての質問もありました。
「異常に燃えるような熱い感じや他の奇妙な感覚を経験したことがありますか?」
「自分の頭の中で考えていることが、近くの人にも聞こえてしまうくらいの大きさで、まわりから聞こえてきたことがありますか?」
これらの質問について、発達障害でない人に比べて、発達障害の人は3倍の人がYESと答えています。
脳内の特定の神経伝達物質で、発達障害の人とそうでない人の違いを説明できるかもしれません。
例えば、幻覚を体験する前には、偏頭痛がよくあります。
てんかんと奇妙な知覚体験も、関係している可能性があります。
片頭痛とてんかんのどちらも、神経伝達物質GABAの量の変化に関連しています。
脳内では、興奮性の神経伝達物質は神経活動を刺激します。
反対に落ち着かせる神経伝達物質は神経活動を低下させます。
GABAは落ち着かせる神経伝達物質です。
そのため、GABAの量の低下は、頭痛や視覚障害、発作を引き起こす、脳の過剰な活動につながる可能性があります。
発達障害とGABAの量に関係があることは、これまでにわかっています。
しかし、異常な知覚と発達障害との関係は、先天的な要因だけではないかもしれません。
最近の研究では、いじめや社会的に隔離されているような否定的な体験が、幻覚を起こす可能性があることを示唆しています。
不幸なことに、発達障害の多くの人がいじめや社会的な孤立に苦しんでいます。
これらの否定的な出来事が、幻覚を引き起こしている可能性があります。
例えば、移民のような差別を受けることがある人たちは、そうでない人に比べて、幻覚を見たり、妄想することが伝えられています。
同じことが、発達障害の人たちにも起きているのかもしれません。
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今回の研究では、奇妙な知覚体験をするのは、発達障害の人たちにはめずらしいことではないというのを発見しただけでなく、発達障害にともなう体験が恐ろしく困難なものであることも発見しました。
これらを軽減させるために、何ができるのか検討することが重要です。
そのためにはまず、理解し受け入れることです。
発達障害の人の多くが共通して、このような幻覚を経験をしていることを知ることで、発達障害の人たちの不安を減らすことができます。
医師が、いつも発達障害の人にめずらしい知覚体験をたずねる必要はないかもしれませんが、今回の研究から、診察時にはそれを質問して、そうだった場合には対処する方法を伝えられるようになってほしいと考えます。
一番重要なことは、発達障害について、一般の多くの人が理解を深めることです。
今多くの人が発達障害と診断をされています。
発達障害の人に、ほんの少し配慮をするだけで、そうでない人と同じように社会参加できるようになることも少なくありません。
少しの配慮で、社会的な隔離をなくす大きなことにつながるのです。
社会的な孤立やいじめが、発達障害の人の異常な知覚体験に関係しているのであれば、社会全体で発達障害について正しく認識し理解するべきです。
それによって、発達障害の人がかかえる異常な知覚体験による苦痛を減らすことができるのです。
(出典:米THE CONVERSATION)(画像:Pixabay
うちの子どもも、何もないところを見ていたり、突然笑いだしたりすることが幼いころからあります。
何か楽しいものでも見えているんでしょうか。
怖いものでないといいのですが。
楽しいものも、怖いものも一緒に見えたらいいのになと思います。
 
多くの方に発達障害を理解して頂けるように、こんな素晴らしいアニメがあります。
多くの子どもに見てほしい発達障害のアニメ

(チャーリー)


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