- 親として、子供の発達障害にどう対処すればよいのか?
- 自分自身が発達障害ではないかと疑ったとき、どうすればよいのか?
- 発達障害を持つ家族をどのように支援すればよいのか?
娘のエミリーが発達障害と診断をされたとき、フィオナ・クラークはショックを受けました。
それを受け入れることはなかなかできませんでした。そして将来が心配になりました。
しかし、発達障害について学ぶと、いくつかの症状は自分にもあてはまるのではないかと思いました。
娘のエミリーの診断の一年後、母親のフィオナも発達障害と診断をされました。
自分も発達障害であるために、娘が経験していることがわかり、娘の役に立てると考えています。
母親のフィオナは51歳、自営業の夫のジョンは56歳、エミリーは13歳。姉のジェマは15歳です。
エミリーは楽しく過ごしています。スキーもします。ピアノの演奏もします。
「エミリーには治療が必要だと考えていました。
私の娘は学習障害があり発達障害だと、人には紹介をしていました。
しかし、今は娘の出来ないことよりも出来ることを伝えます。
発達障害とは何か欠けているのを意味するわけではありません。
問題行動を意味するわけではありません。
ただ、違うというだけです
思えば、私は発達障害について何も知りませんでした。
部屋のすみに座っている子どものイメージくらいしかありませんでした。
しかし、今は私は知っています。」
そうフィオナは言います。
2歳の頃、エミリーは人と関わろうとしたり、探したりすることはありませんでした。
母親のフィオナと父親のジョンは心配をしていました。
最初は、祖父母や保健相談員からは発達障害の心配はないように言われてきました。
しかし、エミリーの発達は遅れていました、診断を受けることにしたのです。
エミリーが4歳近くになって、自閉症スペクトラムと診断をされました。
「私は驚きました。そう診断はされないと思っていたのです。
希望はあります、心配しすぎてはいけませんと言われました。
しかし、大きな波が私の頭の上におおいかぶさるように感じました。」
「私は、自分の子どもを見ていても、理解することができていませんでした。
私が見ていたのは、娘ができないこと、娘が他の子とどう違っているかでした。
私は、発達障害について学ぶようになると、それは意味のないことだとわかりました。
そして、私がかかえる問題やこれまでに困難だったことについてもあてはまるように思いました。
私自身も発達障害ではないかと考えるようになりました。」
そうして、母親のフィオナは42歳の時に、娘の発達障害を診断した精神科医からそう診断を受けました。
「私であることには変わりませんでした。発達障害だと診断をされても、私が変わることはありませんでした。
発達障害とは、世界の感じ方や情報を処理する方法が違うというだけです。」
フィオナは銀行や金融業界の仕事で成功をしていました。
極端にものごとを分析してしまうこと、完璧主義という特徴が成功につながったと理解しています。
しかし、診断されるまでは、自分に発達障害の可能性があると思ったことさえ、ありませんでした。
「私は、学校に行く時に何を着るべきかというような、簡単なことでも、恐ろしく心配になり悩んできました。
私は、能力があり、社交的と言われます。
社交的にしていますが、それは私にとっては大変なことです。
友だちと会話をしたあとは、相手が話せるように十分な質問をしていなかったと考えたりして、たびたび深く後悔をしています。
誰かと話をしているときには、発達障害のために私は、髪の毛や服の細かいところ、背後、まわりの雑音などでいっぱいになっています。
ときどき、話していることを理解するために一生懸命集中しなければなりません。」
「発達障害について、友だちに話すと、私もときどき発達障害になると言う人がいます。
それは、目が見えない人に、ときどき見えなくなると言うのと同じようなことです。
確かに似たような感覚なのかもしれません。
しかし、発達障害は全く別です。人生に全てに影響を与えるものなのです。」
娘のエミリーは4歳になるまで話すことはありませんでした。
ピアノの前に座れるようになるにも何年もかかりました。
しかし今、彼女は演奏を楽しみ、チェロも学んでいます。彼女はスキーもできるようになりました。
「私たちは、このような困難を抱えている子どもたちに、正しい支援を行う必要があります。
娘をとても誇りに思っています。
子どもたちの強みを育てること、興味を持たせることがいかに重要であるかを私は見てきました。」
フィオナは、友人が設立した、発達障害の女の子の両親を支援するための組織、カラーリング・アウトサイド・ザ・ラインのメンバーです。
また、フィオナは他の発達障害の人たちと協力して、発達障害の人と地域社会のつながりを深くするためのプログラム活動も始めました。
フィオナは親が他の発達障害の成人と関わることをすすめます。
「自分の子どもに似ている人もいます。
発達障害の子や親にとっては、メンターや友だちになれる別の発達障害の人と出会うことが重要なんです。」
(出典・画像:英Daily Record)
ただ違うだけ。そう思える、思われると私もよいと思います。
しかし、ただ違うのを認識するだけでは済まず、違うために少なくない支援が必要となります。
これまでにも頂いた、子と親への支援には感謝するばかりです。
こんな親子もいます。
発達障害の子と視覚障害の父が補い合い走る
(チャーリー)