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発達障害の子に効く乗馬療法。1分間に百歩

time 2017/04/25

この記事を読むのに必要な時間は約 7 分です。

発達障害の子に効く乗馬療法。1分間に百歩
  • フェネックが馬に乗ることで、なぜ落ち着きが取り戻され、穏やかになったのか?
  • 乗馬療法は発達障害や自閉症などの人々にどのような影響を与えるのか?
  • 乗馬療法はどのようにして子どもたちの能力向上や自信の構築につながっているのか?

2ヶ月前、フェネック・ハーレイはほとんど話すことはなく、落ち着かず、攻撃的なところもあり、自分や母親をぶつこともありました。
今は、落ち着いて穏やかに、幸せになったと母親は言います。
何があったのでしょうか?
フェネックは馬に乗りました。
2歳半のフェネックは、昨年の11月に重度に近い発達障害と診断をされました。
「18ヶ月の時には、何も話せませんでした。つま先で歩いて、極端に落ち着きがありませんでした。
目を合わせることもなく、愛情も示しませんでした。」
そう、29際の母親のキアラはもっと幼い時から兆候があったことを思い出し、話しました。
キアラはアイルランドで唯一の乗馬セラピーを行っている、ストライド・セラピー・クリニックに連れてきました。
ここでは、発達障害、感覚障害、脳性まひ、脳障害、嚥下障害、ダウン症などの人の治療に馬を利用しています。
フェネックは作業療法士の監督のもとで、40分ほど馬に乗っています。
最初のころは、フェネックはとても嫌がりました。騒いで抵抗したとキアラは言います。
4回めの乗馬で、フェネックは「ハロー」「バイバイ」と挨拶をしてびっくりさせました。
「フェネックは、それまで言葉を話したことがなかったんです。
本当に驚きでした。
フェネックは馬の背中に乗ります。作業療法士にひかれて馬はゆっくり歩きます。
作業療法士は歌ったり、シャボン球をふいたり、フェネックを楽しめるようにします。
馬の背中でおもちゃで遊んだり、パズルをすることもあります。
フェネックの行動や発話がよくなるように、そうやって取り組んでくれています。」
「息子のフェネックはふだんは、とても落ち着きがありませんでした。
4回めの乗馬で、言葉を話し、穏やかになったのを見ました。
6回目の乗馬で、フェネックははっきりと、「バイバイ、デイジー」と馬に挨拶をしました。
それから、自分でジグソーパズルをしはじめました。それまでしたところを見たことがありません。」
「ここに通う前は、息子は本当に落ち着きがなく攻撃的なところがありました。
私が傷つくこともありました。息子自身も傷つくことがありました。
息子は言葉に出すことができなくて、不満がたまっていました。
今は、息子は自分を傷つけたり、私を傷つけることはありません。
新しい言葉をたくさん憶えました。」
母親のキアラは誇らしげに言います。
ここストライド・セラピー・クリニックは、作業療法士のサラ・ビースリーによって約3年前に設立されました。
8頭の馬、2名の調教師、3名の作業療法士がいて、アイルランドで唯一乗馬療法を専門に提供しています。
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「私たちにとっては、馬はセラピーボールやセラピースイングと同じような療育のツールです。」
とサラは説明します。
馬たちには、すばらしい厩舎とアリーナが設けられています。
すぐそばには、感覚に優しい部屋や、つかんだり、書いたり、切ったりするような運動機能の訓練のための部屋があります。歩いたり、走ったり、ボールをけったりして運動機能を訓練する芝生の場所もあります。
年齢は12ヶ月以上の人、ここに通う多くは子どもです。
乗馬療法は早期に行うことが重要であるために、大人の患者は制限しているとサラは言います。
ストライドでは、脳損傷や多発性硬化症の大人への療法を行っていますが、症状が進む前に行うのが効果が高いことがわかっています。
「この療法は、馬が歩くときの馬の骨盤の3次元の動きを、きちんとした医学的な情報にもとづいて、感覚神経や体によい影響を与えるために利用するものです。
感覚、神経、筋肉、子どもたちの毎日の生活に必要なものを向上させます。」
「馬が一分に、100歩歩きます。
この動きが、子どもたちの体に伝わります。」
そうサラは説明します。
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20分間乗馬すれば、乗っている人には2000回の情報の入力があり、体の感覚系、運動系などさまざまな体のシステムに影響を与えます。
「作業療法士の私たちはさまざまな動きをするように馬に指示します。
これらの動きは、乗る人の体のさまざまなシステムに影響を与え、それらを調整し、安定させるのに役立ちます。」
子どもが自閉症の場合には、聴覚過敏など感覚過敏になっていることが多くあります。
馬のリズミカルな反復運動がそれを調整するのに役立ちます。
「異なる馬、異なる馬の動き、乗る場所を変える、これらによっても体のシステムに与える影響が変わります。」
「まわりの騒音に耐えられずに、耳を手でふさいでくる子どもたちもいました。
その子どもたちの中には、数回の乗馬で改善して、まわりの音が問題にならなくなった子もいます。」
この乗馬療法は情報処理能力、コミュニケーション能力、身体意識、社会的相互作用、や危機意識などの子どもの能力向上にも役立つものです。
注意力と集中力も乗馬療法により向上すると、サラは言います。
そうして、子どもたちのモチベーションと自信もついていきます。
乗馬療法は50分間行われます。40分間は馬に乗っています。
子どもの年齢、状況、乗馬の具合をみて内容は考えられます。
子どもたちは、設けられている部屋の中でも作業療法士から療育をうけます。
「過去10年間の米国からの多くの研究から、乗馬療法は有益であり、感覚系、姿勢制御、コミュニケーションに影響を与え、日々の生活を管理する子供の能力が向上することが示されています。」
(出典・画像:アイルランドIndependent
漠然と、動物はよいだろう。
というふうに思い、これまでも乗馬療法の記事を見ていましたが、
一分間に100歩、3次元の動き、こういうわかりやすい良さもあるのですね。
サファリパークのようなところで、一般の人が乗馬体験ができる機会があったのですが、うちの子どものような人にも慣れてる人がそばにいないとやはり怖いので、断念したことがあります。
乗せてみたいですね。
知的障害の彼女たちを夢中にさせた馬

(チャーリー)


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