- 発達障害を持つ子どもを育てる際に、周囲のサポートはどれだけ大切なのか?
- 発達障害を持つ子どもに対して、他の子どもがどのような支援をすることができるのか?
- 発達障害を持つ子どもにとって、身近にいる家族や友人がどのような影響を与えることができるのか?
エリン・マディソンは、2歳のカイラーの母親です。
カイラーは発達障害です。話すこともできません。
エリンは母親ですが、カイラーを育てているのは、エリンひとりだけではないことを知りました。
息子のカイラーには、守ってくれている11歳の女の子の友だち、ギリアがいたのです。
34歳の母親のエリンは、カナダのオンタリオ州バリーの託児施設にカイラーを迎えに行った時に、職員から手紙を受け取りました。
その手紙は、エリンが知らない女の子が書いたものでした。
その手紙を見て、息子のカイラーが託児施設にいる間、面倒を見てくれている女の子の存在を知りました。
今まで、直接話したことも、会ったこともない女の子です。
手紙の始めにはこう書いてあります。
「私はギリアといいます。11歳です。
私には発達障害の弟がいます。なので、私の弟に役立っているアイデアをお伝えしたいと思いました。」
「音楽は、私の弟の言葉を増やしました。
弟は、1歳半で話し始めましたが、2歳になると話さなくなりました。
そして、5歳になってから再び話し始めるようになりました。」
「私は、発達障害について真剣に考えています。
カイラーの役に立つことをするのは、とてもうれしいです。
カイラーは託児施設では、ピアノの演奏をみるのが大好きです。
この手紙の下に、いくつか私の知っていることを書きます。
これらのアイデアをみて、思うことがあったら私に教えてください。」
手紙には、発達障害の子を楽しませ、落ち着かせるヒントが書かれています。
それらは本当に素晴らしいアドバイスになっています。
カイラーがパニックになったときに、落ち着かせるアイデアも書かれています。
落ち着きがないときには、少し重いベストを着せるとよいというアイデアも。
手紙を書いてくれたギリアの母親からも添え書きがありました。
言うもでもなく、母親のエリンはとても感激しました。
「その日の晩に、ギリアに手紙のお礼を言いました。
そして、手紙の返事を書きました。
この手紙を最初に読んだときには、涙があふれました。
息子にこんなに素晴らしい友だちができていて、本当にうれしくなりました。」
ギリアに教えてもらったアイデアを試してみると、返事を書きました。
エリンはこう言います。
「教えてもらったヒント、全て試してみようと思います。
この女の子は、将来きっと、すごい療法士の先生になるなずです。」
カイラーのお母さんへ
私の名前はギリアです。11歳です。私の弟は発達障害です。
なので、私は弟に役にたったアイデアをお伝えしたいと思いました。
音楽は弟の言葉を増やしました。弟は1歳半の時に話し始めましたが、2歳で止まってしまいました。そして5歳の時に再び話し始めました。
託児施設にも発達障害の小さな男の子がいました。私たちは一緒にしゃぼん玉遊びをしました。
私は発達障害について真剣に考えています。私はカイラーの役に立つのが大好きです。
彼はピアノを見るのが好きみたいです。そして誰かが演奏をするとそれを聴いて楽しんでいます。
この手紙の下にいくつかのアイデアを書きます。
どうか見てみて、このアイデアに思うところを教えてください。
ギリアより
追伸
私の母からも、読んで欲しいことを書いた手紙があります。
それは、ただ見てもらえばいいです。
・音楽 ー 言葉
・かみかみできるブレスレット ー 噛むこと
・セラピーブラシ ー 落ち着く
・絵カードのスケジュール ー 写真も使ったほうがいい
・シャボン玉遊び
・重さのあるベスト ー じっと座っていられる
・手話
・ピアノの演奏/ピアノ ー カイラーはピアノが好き
・磁石 ー カイラーと楽しく遊べる
・かえるの学習セット ー 言葉を増やす、文字を書く
(出典・画像:Good News Network)(画像:Pixabay)
こんなふうに自分の子を見てくれる子がいたら、本当にうれしく、心強く思います。
自分の子との関係に関わらず、こんな素晴らしい人がいるというだけで、うれしくなります。
発話がなくなってしまったことが書かれていますが、うちの子どもも、やっと言葉を口に出したと思ったら、1年もたたずになくなってしまいました。
発達障害とわかる前、発達について心配していた頃です。
家に帰ってきて「ただいま」というと、「おかえり」と言ってくれました。
ああ、大丈夫かなと思いました。安心して、とてもうれしかったことを憶えています。
ですが、それが最初で最後の一度だけの「おかえり」でした。それからはずっとタッチだけです。
録音しておけばよかったと思ったりします。
でも、いつかもう一度「おかえり」を聞けることがあるかもしれないので、「ただいま」と必ず言うことにしています。
自らの思いを書いた少年もいました。
少年の詩「僕は奇妙。僕は違う人間。」
(チャーリー)