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発達障害青年が発達障害にやさしい劇を作る

time 2017/01/31

この記事を読むのに必要な時間は約 6 分です。

発達障害青年が発達障害にやさしい劇を作る
  • この仕事を始めたきっかけは何だったのか?
  • 発達障害の人にやさしい劇を作る際に重視している点は何か?
  • TDFが提供しているサービスの特徴とは何か?

「私がどのようにしてこの素晴らしい仕事をするようになったか、知りたいと思うはずです。」
ハリー・シモリンはオペラ座の怪人に出演する人たちに届けた手紙にこう書きました。
18歳のシモリンは、この業界において若くして影響力をもっています。
発達障害者イニシアティブ劇場開発基金(TDF)という組織にて仕事をしています。
彼自身も発達障害で、ブロードウェイでのショーを発達障害の人にやさしいものに変えることを行っています。
「僕は祖母から劇への愛を受け継いでいます。
僕が小さかった頃、祖母は私や兄弟におとぎ話を演じながら、話してくれました。
それで、劇場にも興味をもつことになりました。
決して、劇に出ようとは思いませんでしたが。
少し大きくなると、僕はコンピュータが好きになりました。
テクニカルスタッフになりたいと思いました。そして今行っている仕事に参加するようになりました。
私は絵を描くようなことは得意ではありませんが、音に関わる仕事ならできると思います。」
シモリンの療育の先生であるサマンサ・ブランコは、偶然にも、サウンドデザイナーのアラン・ブランコと結婚しました。シモリンとサマンサが出会い、そしてTDFにサウンド・デザインを紹介しました。
「TDFではそれまでにも、発達障害の人にやさしい演劇を開催していました。
しかし、実際に発達障害である人の視点で考えることはできていませんでした。」
そうシモリンが言います。
TDFは、2011年にディズニーライオンキングの発達障害の人向け上演を支援したのが始まりです。
TDFのディレクターのリサ・コールが言います。
「見えない、聴こえない、小学生や中学性向けのこのプログラムは大成功でした。
そして、特別支援の先生からもたずねられるようになりました。
発達障害の子どもたちが、見に行くことはできませんか?
ブロードウェイに連れていけませんか?
見たくても、見れない観客がいるのです。
この子どもたちには、リラックスできることが重要です。
そして、自由に過ごせて、ふだんいる観客たちの邪魔になることや誤解されることを心配する必要がないことも必要です。」
TDFでは、通常の価格の半額でチケットを販売しています。
「障害のある方々にとっては、家族と一緒に観ることができる貴重なチャンスなんです。
ある意味、家に閉じ込められているからです。
子どもたちは外に出ていくことができず、外に連れ出されることもないことが、実際にあるのです。」
2013年から、シモリンは自分の活躍できる場を得て、障害のある人たちに機会を提供し、ブロードウェイでの夢もかなえました。
シモリンはTDFを代表して、母親のアリソンと一緒に、ブロードウェイのショーを見せます。
アリソンは53歳、初めて発達障害の人にやさしい劇、オペラ座の怪人を見ます。
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「オペラ座の怪人は、発達障害の人にやさしくするのがとても難しい劇です。」
シモリンが言います。
しかし、それは多くの人が観たい劇です。
そこで、母親と一緒に参加して、発達障害の人にあわせて、調整をします。
他のスタッフたちとも協力をしながら、劇中の音は90デシベルを超えないようにします。
銃声もなくします。
真っ暗になるシーンでも、少し照明をつけておきます。
フラッシュや強い照明もなくします。
オペラ座の怪人は、前に上演したメリー・ポピンズにはなかった難しさがあります。
シャンデリアを壊すことは、観ている人に恐怖を与えるかもしれません。
怪人がつけている仮面にも、恐怖を感じる人がいるかもしれません。
さらに、
「この曲のリズムを我慢できない発達障害の人もいます。」
とシモリンがいいます。
「セリフを演技をしながら話すより、ただ言うほうがいい人もいます。
歌い出すほうがいい人もいます。」
オペラ座の怪人については、発達障害の方にとってよいものにするために必要なことは何でも行うことになりました。しかし、TDFは脚本については、どんなに大人向けな内容であっても、難しくても、決して変えることはありませんでした。
そこで、シモリンは「オペラ座の怪人がわかるガイド」というのを、各シーン毎に舞台で見せることにしました。
「28ページのガイドになっていて、キャラクターがそのシーンの概要を伝えます。」
シモリンのすばらしい仕事です。重要な役割を果たしました。
シモリンの仕事の多くは舞台の上で行うものではありません。
スピーカーの設置場所や入り口から観客席までの通路の幅、いすの間隔、トイレ、劇場のあらゆる設備が、発達障害の人にとって問題にならないようにします。
シモリンの仕事は発達障害の人たちが気持ちよく過ごせるようにするものです。
シモリンは劇に出演する人たちにこう伝えています。
「頭を振り、シートの前で飛び跳ねる人たちを観ることができます。
そして伝えたいのは、盛り上がっているようには見えない人でも、一生懸命に劇を観ていることです。
その人も夢中になっているのです。」
(出典・画像:米PLAY BILL
障害があるからこそ、障害のある方がわかる。
夢と素晴らしい志をもって活躍をされています。
提供しているサービス、提供している方、どちらもとてもうれしくなります。
才能を活かして、人を喜ばせている方はこちらにもいます。
キャプテン・アメリカとアベンジャーズを支える才能

(チャーリー)


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