- 体験学習会「センサリー・ナイト」では、どのような配慮がされているのか?
- 発達障害の子どもたちやその家族がセンサリー・ナイトでどのような経験をするのか?
- センサリー・ナイトの参加が得られるメリットは何か?
4半期に一度の月曜日は体験学習会です。
博物館では、発達障害などの特別支援を必要とする子どもたち向けに、安心して学び、遊べる環境を提供します。
この博物館の体験学習会「センサリー・ナイト」は、特別支援を必要とする子どもたちの感覚に配慮をし、家族にも喜ばれるものとなっています。
発達障害の人はたびたび、まわりから受ける感覚が強かったり、長時間つづくと問題になることがあります。
感覚に耐えられなくなり、ストレスや不安症になり、ときには自らを傷つけてしまいます。
この2時間の体験学習会では、米テネシー州ジョンソン・シティの博物館は一般の人は入れず、事前に予約した家族たちのみが博物館に入ることができます。
照明は暗くされ、音楽も流されません。
テスラコイルのような、大きな音を出す展示物は電源を消されます。
センサリー・ナイトは2014年に始まりました。
エグゼグティブ・ディレクターのアンディー・マーカートが言います。
「発達障害の子どもは多くの時間、音や光、あらゆるものが気になっています。
私たちの博物館では、大きな音や強い光があります。
この体験学習会の間は、博物館を違うものにします。
発達障害の子どもたちは、気持ちよく博物館を歩きまわることができるのです。」
静かな部屋として、特別な部屋も設けられます。
もし、子どもたちの調子が悪くなっても、家族はそこで子どもを落ち着かせることができます。
博物館のスタッフたちは、療法士や親、特別支援教育の大学のプログラムチームと3年前から協議を重ねて、この体験学習会を行っています。
ふだんの博物館と体験学習会での博物館の両方に来たことがある、発達障害の子どもを持つ親からは、体験学習会の時はふだんとは全く違う博物館になっていると、マーカートは言われるそうです。
「ふだんの一般公開のときに、博物館に連れてくると、パニックになってしまう子どもがいます。
15分も博物館にいることができず、出てしまったと家族から聞きました。
センサリー・ナイトでは、参加する子どもたちはほとんど2時間ずっと博物館にいることができます。
家族からは、全く違うように過ごすことができたと聞くことができました。」
発達障害の6歳のアニーの母親、エリー・ライトは、たびたびこのセンセリー・ナイトに参加しています。
そうするのは、まわりの人たちが発達障害について理解をしてくれているからだといいます。
「子どもがリラックスしています。
家から出ると、子どもはストレスを多くかかえることになります。
大声を出して叫んでもいいように、走って場所をさがすことがたびたびあります。
この博物館のセンサリー・ナイトでは、ストレスがないように環境が整備されているので、そういう心配をしなくてすみます。
子どもの好きなようにさせることができます。ふだんはこういう時間を持つことはできませんでした。」
センサリー・ナイトを行うようになって3年の間、なんども参加する家族たちは少なくありません。
ライトは、センサリー・ナイトがますますよいもの、信頼できるものになってきたと言います。
「娘は、いうことをきかなくなってしまうことがあります。
しかし、このセンサリー・ナイトでは、みんながお互いの状況をわかっているので、娘を好きなようにさせてやることができます。」
(出典・画像:米Johnson CityPress)
子どもにはいろんな経験をさせてやりたいと、いろいろなところへ連れていきたい気持ちをもちながら、なかなか行くことに躊躇してしまうところはあります。
そういったところが、こんなふうに連れていきやすい機会を設けてくれたら、親子ともにうれしいです。
こういった機会がどんどん増えていくとよいですね。
美術館のとりくみもあります。
(チャーリー)