- 通常のお話会に参加するときに、発達障害をもつ子どもがどのような困難に直面するのか?
- 発達障害や感覚に障害がある子どもたちが、図書館でのお話会を楽しむために必要な配慮は何か?
- 図書館の「おだやかなお話会」のような、特別な取り組みが子どもたちやその家族にどのような影響を与えるのか?
5歳のウィリー・マッカーサーは米セントルイス郡の図書館で、お話会を好きなようにして楽しみました。
並んでいるいすのまわりを入りまわったり、母親のひざの上に寝転がったりして。
この新しい「おだやかなお話会」はこのウィーバーロード図書館に設けられました。
発達障害やその他感覚に障害がある子どもたち向けに考えられたものです。
ウィリーの母親は、以前ウィリーを通常のお話会に連れてきたときに、まわりから静かにするように言われたため、このおだやかなお話会に参加することにしました。
発達障害のウィリーは人混みの中にいること、そこで静かにすること、つまり図書館で行われる通常のお話の時間での状況はとてもつらいものです。
「じっとしていることは不可能です。配慮していただける機会が必要でした。」
ウィリーの母が言います。
すべての子どもたちが、通常のお話会を楽しめるとは限りません。
お話会では子どもたちは座って、グループになって静かにしなければなりません。
図書館のコーディネーターのサンディー・アンダーソンはそう言います。
しかし、この新しく作られた「おだやかなお話会」では、子どもたちは動き回ったり、騒いでもかまいません。
「発達障害の子どもたちにリラックスして、好きなようにして図書館を楽しんでほしいのです。」
おだやかなお話会は、3歳から9歳の子とその家族が参加することができます。
10人程度が参加できるもので、毎週、2箇所の図書館で行われています。
図書館では、子どもたちがパニックを起こしたりしないように、特別な設備、器具を購入しています。
光がギラギラ、強くならないようにする、青色光フィルターが照明にはつけられています。
子どもたちは、耳障りな音をカットするヘッドフォンや、じっとして話を聞きやすくことがしやすくなる、いじれるおもちゃを利用することができます。
おだやかなお話会はこのようになっています。
最初の20分間は、お話を聞かせる時間です。歌ったり、お話にあわせて動いたりします。
残りの25分は、遊び時間です。子どもたちは、親や介護者と一緒になって、工作をしたり、クレヨンで絵を書いたり、いじれるおもちゃで遊びます。
図書館では、この「おだやかなお話会」を始めた理由は、求められているからだといいます。
発達障害の子は増えていて、68人に一人の子が発達障害と診断をされています。
2000年には、150人に一人の子でした。
「私たちはもっと共生、インクルーシブが進むことを望んでいます。もっと多くのみんなが歓迎されてほしいのです。」
図書館のアンダーソンは言います。
セントルイス郡の図書館では、幼稚園に入るまえの幼児に、1000の本のお話を聞かせようとする取り組みを行っていて、赤ちゃんが生まれると本と図書館カードを贈っています。
(出典・画像:米ST.LOUIS POST-DISPATCH)
少し離れたところに立派な図書館があり、そこには子ども図書室という隔たれたスペースがあります。
はじめてそこに入った時に、「子ども図書室」ということから許されるかと、子どもと一緒に本を選んだり、読んだりして少々さわいでいました。
すると、すぐに静かにしてくださいと注意。
だったら、子ども図書室とわざわざしなくてよいんじゃないかと思った記憶がよみがえりました。
配慮した活動を行う美術館もあります。
発達障害児と家族向けの美術館プログラム
(チャーリー)