- 発達障害やADHD、自閉症を持つ人々は、歴史的にはどのように社会に貢献してきたのでしょうか?
- 発達障害の能力や特性が尊重されていた時期はありましたか?
- 人類の進化において、なぜ多様性が重要視されるのでしょうか?
人類の進化の歴史において、10万年前から、他の人とは異なる考え方や振る舞いをする人たち、発達障害の人を社会の一員として組み込もうとする社会の変化があったと、英ヨーク大学の研究者たちは結論づけています。
社会的モラルに基づいた人との協調関係が必要になったのにあわせて、その変化はありました。
集団の中で、人がうまくやっていくために、必要になったのです。
発達障害の人の振る舞いについては受け入れられなくても、持っている能力は尊敬の対象でした。
私たちの先祖にも発達障害があったとするのであれば、発達障害は人類の進化の歴史において長く存在してきたことになります。
劣っている、我慢できない、そういった存在だったのではなく、発達障害の多くの人はもっている能力や才能によって、集団の中では重要な存在であったと研究チームは結論づけています。
「私たちは多様性について議論を続けています。人がそれぞれ異なること、それは人類進化においてとても重要なことです。一人の天才の出現よりも。」
ヨーク大学の人類起源考古学の上級講師のペニー・スピキンスが語ります。
「人類が成功してきたのは、多様性のおかげです。
あなたに特別な役割を与えているのも、多様性でありとても重要なことなのです。
私たちは社会モラルの出現が、人それぞれが異なる多様性を広げることにつながったのかを議論しています。」
多くの発達障害の人が、優れた記憶力、研ぎ澄まされた視覚、味覚、嗅覚や、動物の行動についてよく理解できる能力を持っています。
集団の中では、このような能力によって専門家となっていったのです。
2005年に行われた研究では、シベリアのトナカイの群れを連れて生活をしているお年寄りが、飼っている2600頭それぞれの親子関係、病歴、性格について詳細に記憶していることを明らかにしています。
このおじいさんの重要な知識は、生きていくのに重要な役割を果たしてきました。
おじいさんは、トナカイの群れの中にいるほうが、人の中にいるよりも楽にいられます。
しかし、とても尊敬されていて奥さん、息子、孫に恵まれています。
考古学が対象とする歴史の資料から、発達障害についての証拠を見つけ出すのは、学者にとって困難なことでした。
スピキンス博士が語ります。
「考古学の資料の中から、発達障害の人の骨格標本が見つかるわけではありません。
しかし、他の人とは違った人たちがいて、どのような役割をしたのかの記録はあります。」
洞窟に描かれた絵や作られた物にその証拠が見つかります。
「石器時代の洞窟の絵から、発達障害の人を特定するために、長い間議論が行われています。
発達障害の人によってこれが描かれたと断言することはできません。
しかし、発達障害の人によるものだと認められる色かたちがあったりします。
おおよそ、その頃に社会モラルにより、協調していく社会が生まれたと考えています。」
(出典・画像:phys.org)
2045年には人工知能、AIの賢さは人類を超えると言われています。
AIは、AI同士で学び合うことができます。
それは人同士が学び合うよりも、すごい速度で行い、すごい速さで賢くなっていきます。
一人の天才が作った天才的な一つのコンピュータプログラムではなく、
多様なAI、AI同士が多様になることで爆発的な進化を遂げていきます。
多様性は進化の鍵です。
「障害」と呼ばれる人と呼ばれない人が一緒に歩むことは、人類全体にとって有益なことなのです。
それを訴える天才もいました。
天才が語る。受け入れていかないとみんがが不幸。
(チャーリー)