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自閉症のドライバーが安心できる交通対応へ、米NJ州の新制度

time 2025/03/23

この記事を読むのに必要な時間は約 5 分です。

自閉症のドライバーが安心できる交通対応へ、米NJ州の新制度
  • 自閉スペクトラム症のある人が警察と接する際、どのように自分の状況を理解してもらえるか?
  • 警察官は自閉スペクトラム症のサインをどのように認識し、適切に対応できるようになるのか?
  • この「目立たないコード」や「ピンク色のカード」を利用することで、どのように安全なコミュニケーションが促進されるのか?

米ニュージャージー州では最近、郡や州の政府が、警察官が自閉スペクトラム症(ASD)のある人に、交通違反の取り締まりや緊急時に適切に接するための新しいガイドラインを発表しました。

この取り組みの一つとして、自閉スペクトラム症であることを示す「目立たないコード(識別マーク)」を、希望する人が州発行の身分証明書や運転免許証に追加できるようになりました。

さらに、州内のすべての自動車管理局(MVC)の窓口では、「ピンク色のコード5説明カード」も配布されています。
このカードには、本人の具体的な診断内容が記載されており、運転免許証などと一緒に携帯する必要があります。

この制度は完全に任意であり、希望者だけが利用します。
しかし、「このコードやカードがあることで、警察官がより丁寧で配慮ある対応をとれるようになる」と、自閉症支援団体「Autism New Jersey」の警察対応プログラム責任者、ドリーン・ヤニクは説明しています。

この取り組みは、警察と自閉スペクトラム症の人々とのやり取りにおいて、大きな前進だと言えます。
実際に、この制度は警察側の要望から始まったもので、当事者やその家族の助けになりたいという思いがあったとヤニクは語ります。

警察官が免許証などにこのコードを見つけた場合、通常とは異なる対応が必要かもしれないと気づくことができます。
たとえば、交通違反で止められたときや緊急時の場面で、より慎重で冷静な対応ができるようになります。

「警察と自閉症のある方の両方から、この制度への強い支持が寄せられています」とヤニクは話します。

「そもそも、警察に止められるのは誰にとっても緊張する場面ですが、自閉スペクトラム症の方にとっては、その緊張がさらに強くなります」

免許証やIDカードに記載されるこの「目立たないコード」の良い点は、対応する警察官の意識が変わり、接し方が配慮あるものになることです。
警察官は、自閉スペクトラム症のサインを見極めるトレーニングを受け、どのように対応すべきかを人間サービス局と司法長官事務所からの指導を受けています。

※ここが「5」であることが自閉症であることを伝える

 

自閉スペクトラム症の人が警察官と接する際、うまくコミュニケーションがとれないことがあります。
警察官が近づくと「固まってしまう」または「逃げようとする」反応が出たり、情報の処理に時間がかかったりします。
目を合わせなかったり、同じ動作を繰り返すなどの行動が、これまで警察には「不審な行動」や「酔っている」と誤解されることもありました。

ですが、この新しいガイドラインでは、免許証などにコードがあれば、それを目印にして、警察官はゆっくり、落ち着いた、わかりやすい言葉で直接話しかけるよう指導されています。

自閉症の方やその家族がこれまで一貫して求めてきたのは、「今何が起きているのかを知りたい」ということだとヤニクは言います。


そのため、オーティズム・ニュージャージーでは警察官に対して以下の対応をお願いしています:

  • なぜ止めたのかをはっきり説明する
  • これから何が起こるのかを伝える
  • 本人に直接話しかける
  • 穏やかな表情や口調で接する
  • 不安や混乱のサインに気づいて対応する

「こうした丁寧で落ち着いた対応は、安全で前向きなやり取りにつながります。
私たちの目的は、誤解から生じる過剰な対応や不必要な力の行使を減らすことです」とヤニクは話します。

このコードとピンクカードの取得を希望する人は、「MR-16-自閉症コミュニケーションフォーム」に記入し、本人確認書類(6ポイント分)、必要な手数料を持って、自動車管理局の窓口へ行く必要があります(郵送やオンライン申請はできません)。ピンクカードには、「ASD(自閉スペクトラム症)」、「コミュニケーション障害」、あるいはその両方の情報が記載されます。

(出典・画像:米NEW JERSEY1015

「完全に任意であり、希望者だけが利用」

「目立たないコード」

とてもいいのではないでしょうか。

自閉スペクトラム症の若者の運転免許取得を支援する米大研究

(チャーリー)


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