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自閉症とPDAの息子。「母親として失格」と思い悩んだ日々

time 2025/03/03

この記事を読むのに必要な時間は約 6 分です。

自閉症とPDAの息子。「母親として失格」と思い悩んだ日々
  • 子どもが自閉症スペクトラム障害と診断された際、どのように家族をサポートするべきですか?
  • 食に対する偏りや強い不安を持つ子どもへの効果的なアプローチは何ですか?
  • 発達障害を持つ子どもが成長する過程で、どのように社会的スキルや自信を育むことができるのでしょうか?

背中を反らせて、大きな声で泣き叫ぶ息子のハリー。

「大丈夫、ママ。私が抱っこするわ」

ため息をつきながら、そう言いました。
ハリーは生後5か月の頃から、ひどい分離不安を抱えるようになりました。
夫のポール(当時40歳)や私がそばにいないと、たとえ祖父母が一緒にいてもパニックになって泣き叫びました。
それまでにも、私の両親や、夫の両親が、生後2週間の頃からよく面倒を見てくれていたのに、それでもダメでした。

生後4か月で母乳を嫌がるようになり、哺乳瓶でしか飲まなくなりました。
8か月になると、バナナやヨーグルトなどの離乳食を始めましたが、食べさせるのは毎回大変な戦いでした。
お風呂に入っているときや車に乗っているときなど、気がそれている間に食べさせるしかありませんでした。

それに、他の子どもと遊ぼうとせず、私にしがみついてばかりいました。
「行っておいで!」と声をかけても、絶対に離れようとしませんでした。

そんなハリーに、14か月のとき妹のテッサが生まれました。
すると、ハリーはテッサに手を出すようになり、ひっかいたり、私の膝から押しのけたりするので、2人を離しておくしかありませんでした。

それだけではなく、歯を磨くのを嫌がり、車に乗るのも嫌がる。食べるのは、ぶどうやマカロニ&チーズなど、ほんの数種類のものだけ。
靴を履くのを拒み、2歳になっても言葉を話しませんでした。
おむつを替えるのも、道路を渡るのも、大騒ぎでした。

「このままで大丈夫なの?」

私たちは不安になり、小児科医に相談しました。
そして2歳半になったハリーは、自閉症スペクトラム障害(ASD)と診断されました。

これは、社会的なコミュニケーションや対人関係に影響を及ぼす発達障害です。

さらに、病的回避症(PDA)という、あまり知られていないタイプであることも分かりました。
PDAの特徴は、強い不安による「支配欲求」です。自分でコントロールできないことを極端に嫌がるのです。

診断を受けてホッとした一方で、驚きもありました。
というのも、ハリーは私たちとしっかり目を合わせる子でした。これは一般的な自閉症の特徴とは違っていたからです。

それから、ハリーは作業療法を受けることになりました。
でも、療育に行くまでが大変でした。服を着せるのに2時間もかかるし、車に乗せるのも一苦労。
ハリーは「自分で決められないこと」が嫌で、わざと時間を引き延ばすのです。

さらに、以前は食べられていた20種類の食品すら受け付けなくなり、唯一食べるのは鶏のささみフライだけになりました。

電話をかけるだけでも「ママ、こっち見て!」と注意を引こうとするので、まともに話すこともできませんでした。

ハリーの行動は、私たち夫婦の関係やメンタルにも影響を与え、「母親として失格なんじゃないか」と思い悩む日々でした。

そんなとき、応用行動分析(ABA)という療育法を知りました。
これは、ASDの子どもたちに、小さなステップに分けて行動を教え、できたら褒める(ポジティブな強化)という科学的な方法です。
私たちは必死でABAのクリニックを探し、週5日、1日3時間、自宅に療育士が来てくれることになりました。
費用の一部はNDIS(オーストラリアの障害者支援制度)で補助されました。

たとえば、靴を履けるようにするために、療育士はまず「靴に触る」ことから始めました。
そして、触れたらご褒美として、お気に入りのフィギュアで遊ばせました。

そうして少しずつ進めていくうちに、ついにハリーは靴を履き、歩けるようになりました。
鉛筆の持ち方や、お弁当の食べ方も、すべてこの方法で習得していきました。

3歳になるころには、療育士と一緒に幼稚園に通えるほど自信をつけていました。
その後、ABA療育を3年間続け、さらに抗不安薬の助けもあり、ハリーは6歳になる直前に、療育士なしで小学校に入学できました。

まるで奇跡のようでした。
現在、ハリーはもうすぐ7歳。学校が大好きで、お友達もいます。

まだ食事の偏食はあります。
夕食はチキンテンダー、昼食はライスケーキのみ。
栄養補助食品を飲ませていますし、今でも不安なときは赤ちゃん用の哺乳瓶を手放せません。

でも、ユーモアがあって、5歳になったテッサとも仲良く遊びます。

「大きくなったら、眼科医になりたい!」と話していて、メガネにとても興味を持っています。

そして今では、祖父母やベビーシッターに預けて、夫婦で外出することもできるようになりました。
私たちは、今、心から幸せです。

自閉症スペクトラム障害について理解が深まり、ハリーのような子どもたちが適切な支援を受けられることを願っています。

(出典:豪that’s life!)(画像:たーとるうぃず)

なかなか大変なときもありましたが、(今でも大変になることがありますが)

私もうちの子と幸せに過ごしています。

自閉症とPDAをかかえる子どもへの理解とサポートの重要性

(チャーリー)


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