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ワクチンは自閉症の原因ではない。科学的な根拠が示す安全性

time 2025/02/06

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ワクチンは自閉症の原因ではない。科学的な根拠が示す安全性
  • ワクチンと自閉症の関連性について、どのような科学的証拠が存在しますか?
  • 自閉症の増加要因にはどのようなものがあるのでしょうか?
  • ワクチン接種に関する不安や疑問をどう解消すれば良いですか?

親である私たちは、子どもたちにとって最善の選択をしたいと常に考えています。
子どもたちを健康に保ち、安全を守り、彼らが最高の人生を歩むための支援をしたいのです。

そのため、ワクチンが自閉症を引き起こすという噂を耳にすると、子どもを愛する親としては心を痛めてしまうかもしれません。
ソーシャルメディアなどで専門家と称する人たちが、時に説得力のある話をしていることもあるため、なおさらです。

しかし、どうかご安心ください。
信頼できる大規模な研究が、ワクチンと自閉症との間に因果関係は存在しないと決定的に証明しています。これが事実であり、議論はここで終わります。

ワクチンが自閉症を引き起こすという説は、1990年代にその起源を持ちます。
それ以来、研究者たちはこの関連性が本当にあるのかどうかを懸命に調査し、何度もワクチンと自閉症の間に関係はないと証明してきました。

この問題が注目されたのは1998年のことです。
当時、医師のアンドリュー・ウェイクフィールドが、MMRワクチン(麻疹、おたふく風邪、風疹)の接種と自閉症との間に関連があると主張する研究を発表し、大きな騒動を巻き起こしました。
しかし、その後数年間で、この論文は広く信用を失い、学術誌は論文を撤回(いわば学界での公の失墜)し、ウェイクフィールドは医師免許を剥奪される結果となりました。

問題の本質は、論文自体が偽造であり、示された結果が完全に虚偽であったことにあります。
また、その科学的根拠は、たとえば中学校の科学フェアの審査にさえ耐えられないものでした。
小児科医のクリスティン・バレットはこう言います。

「彼は自身の研究で裏付けられていない主張をしていました。
たとえば、ウェイクフィールドはMMRワクチンが腸の炎症を引き起こし、それが原因でタンパク質やウイルスが体内に漏れ出し、自閉症を発症するという説を展開していました。
しかし、大きな欠陥は、研究対象の多くの子どもたちが実際には自閉症と診断された後になってから腸の症状を示していたという点です。
つまり、ワクチンと腸の炎症、ひいては自閉症とを結びつける明確な因果関係は全く認められませんでした」

さらに、この研究は対象とした子どもの数がたった12人という極めて少ないもので、具体的な結論を導くには到底不足していました。
そして決定打として、後に明らかになったのは、ウェイクフィールドがワクチンメーカーに対して訴訟を起こした家族を代理する弁護士から資金提供を受けていたという事実です。
にもかかわらず、彼はその財政的な利害関係を一切開示していませんでした。

「実際、ウェイクフィールドの研究の共著者の多くも、その見解を撤回しています。
彼らは公に『私たちはこの主張に同意しません』と表明しているのです」

にもかかわらず、当時の見出しは大々的に報じられ、結果として親たちに大きな不安を与え、大きなダメージをもたらしました。

その後の数十年にわたり、科学者たちは「本当に何かあるのか?」という疑問に答えるため、また、過去数十年で増加している自閉症の診断件数にワクチンが関与しているのかを徹底的に調べ続けてきました。
そして、その結果、ワクチンと自閉症との間に関連性はまったく存在しないことが明確になりました。

たとえば、2019年4月に『Annals of Internal Medicine』誌に発表された大規模な研究では、1999年から2010年の間に生まれた65万人以上の子どもたちを対象に、MMRワクチンを接種したグループと接種していないグループの自閉症発生率を比較しました。

その結果、ワクチン接種群で自閉症のリスクが上がるという兆候は見られず、むしろ接種群では自閉症の発生率がわずかに低いことが確認されました。
なお、この差はMMRワクチンが自閉症を防ぐという効果を示すほどのものではありませんが、確実にワクチンが自閉症を引き起こしていないという事実を裏付ける結果となりました。

また、別の大規模研究では、自閉症のリスクが高い子ども―たとえば自閉症の兄弟を持つ子ども―において、ワクチン接種がさらなるリスク増大に寄与するかどうかを検証しましたが、やはりワクチンがリスクを増やすという証拠は見つかりませんでした。

高品質で信頼できる科学的研究の数々は、ワクチンが自閉症の原因ではないことを示しています。
しかし、残念ながら自閉症そのものの原因については、まだ十分に解明されていません。

「自閉症の件数は増加傾向にありますが、その理由を家族に明確に説明することは現時点ではできません。だからこそ、あらゆる仮説に手を出してしまうのです」

アメリカでは、約36人に1人の子どもが自閉症であると言われています。
自閉症の原因については多くの仮説がありますが、確実にわかっているのは以下の通りです:

遺伝的要因:自閉症には強い遺伝的な側面があることが知られています。
環境要因:一部の研究では、以下のような環境要因が関連していると示唆されています。

  • 35歳以上での妊娠
  • 妊娠糖尿病の発症
  • 出産時の特定の合併症

さらに、ある説では自閉症の診断件数が劇的に増加しているのではなく、現代になって自閉症についての理解が深まった結果、以前は見逃されていた症例が診断されるようになったとも言われています。
これらの要因―遺伝的要因、環境要因、そして診断技術の向上―が複合的に影響していると考えられます。

「自閉症の増加は、遺伝的な要因と環境要因に加え、診断が以前よりも正確になった結果だと考えられます」

ワクチンは、子どもたちを深刻な病気から守るための最も確実な方法です。
子どもの時だけでなく、生涯にわたってその効果が期待できます。

「私たちが予防接種で守ろうとしている病気は、現実に存在し、深刻な長期障害を引き起こす可能性があり、最悪の場合には命に関わることさえある病気です」

ワクチンを接種しないと、これらの予防可能な病気に対して子どもが非常に脆弱になってしまいます。
実際、予防接種が普及している地域では、病気がほぼ根絶されることもあります。
これが、アメリカで風疹やジフテリアがもはや見られない理由です。

ただし、ここで注意が必要です。
たとえば、麻疹で明らかなように、予防接種を継続しなければ、一度根絶された病気が再び流行するリスクがあります。
これは、集団免疫と呼ばれる現象によるもので、人口の大多数が免疫を獲得していることで病気の拡散を防いでいるのです。
しかし、予防接種率が低下すれば、その保護効果は失われ、ワクチンを受けられない新生児や特定の医療条件を持つ人々が大きなリスクに晒されることになります。

たとえば、広く予防接種が普及する前は、麻疹によって毎年約400~500人が亡くなっていました。
麻疹の集団免疫を維持するには、少なくとも95%の人が予防接種を受ける必要がありますが、現在、アメリカ国内の一部地域ではその割合が80%台にまで低下しているため、今後麻疹の流行が増加する可能性があると警告されています。
麻疹は非常に感染力が強く、ワクチン接種をしていない場合、ウイルスに接触した人の約90%が感染してしまいます。

また、ワクチン接種スケジュールについて懸念する声もあります。
とくに、赤ちゃんや幼児に対して短期間に多くのワクチンを打つことに不安を感じる方もいらっしゃいます。

「赤ちゃんの免疫システムは、一度にこれらすべての新しい抗原を受け入れる準備が十分に整っています。
初期のワクチン接種で曝露されるウイルスや細菌の量は、たとえばスーパーに一度出かけただけで曝露される抗原の量と比べればごくわずかなものです。
実際、赤ちゃんは毎日何千もの新しいものにさらされているのです。
ですから、予防接種で守る病気は全体の中でもほんの一部に過ぎず、心配するほどの負担ではありません」

証拠は明らかです。
ワクチンは命を救い、決して自閉症を引き起こすものではありません。

このように、科学的な研究に基づけば、ワクチンは安全であり、私たちの大切な子どもたちを守るために欠かせないものだということが確固たる事実となっています。

(出典:米Cleveland Clinic(非営利医療機関))(画像:たーとるうぃず)

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自閉症の人が増加した理由。そしてもっと増える可能性も。米国

(チャーリー)


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