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知的障害や発達障害の子への読み書き指導。米スタンフォード大

time 2025/01/19

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知的障害や発達障害の子への読み書き指導。米スタンフォード大
  • 発達障害や知的障害を持つ子供でも、読解力を身につけることは可能なのか?
  • 読書を楽しい活動として家庭でどのように促進すればよいのか?
  • 教育者はどのようにして生徒一人ひとりのニーズに応じた指導を行うことができるのか?

米スタンフォード大学の教育学者であるクリス・レモンズとラクシュミ・バラスブラマニアンは、知的障害や発達障害(以下、IDD)を持つ生徒たちがどのようにして読書を学ぶか、そしてその可能性を最大限に引き出すための具体的な指導法について語りました。

二人は、特別支援教育の現場で培った実践的な知識と研究成果をもとに、教育者や保護者がIDDを持つ生徒に効果的な指導を行うための方法論を紹介しました。

自閉症やダウン症を含むIDDを持つ生徒たちは、特に読書や識字教育の分野において取り残されがちな現状があります。
一般的な教育現場では、「彼らはせいぜい視覚的に認識しやすい単語を覚えるだけで、複雑な読解力を身につけることはできない」といった誤解が広がっています。
このような先入観が教育の質を制限し、多くの生徒たちに対して適切な指導が行われていない現状が問題視されています。

しかし、近年の研究では、IDDを持つ生徒たちも、健常な生徒と同様に、音韻認識(言葉を構成する音に対する理解)やフォニックス(文字と音の関係性)、語彙の習得、読解力の向上といった複雑なスキルを学ぶことができるということが明らかになっています。
これは、彼らが適切な環境と指導のもとで学習すれば、これまでの限界を超える成長を遂げる可能性があることを示唆しています。

スタンフォード大学教育大学院(GSE)の准教授であるクリス・レモンズは、教育現場におけるこうした誤解や偏見を非常に憂慮していると語ります。

「知的障害を持つ生徒について、『せいぜい小学2年生レベルの読解力までしか達しない』といった声を聞くたびに、私は非常に悔しい思いをします」

彼の研究では、期待を超える成果を上げる生徒たちが必ず現れることが示されています。
彼らは、教師の指導を超え、教えられたすべてをマスターする力を発揮するのです。

「私たちが適切な方法で指導すれば、彼らの可能性は無限です」

そう、レモンズは力強く語ります。

従来、IDDを持つ生徒に対する読み書きの指導は、いわゆる「サイトワード認識」に依存してきました。
これは、生徒が単語をそのまま視覚的に覚えるという方法であり、文字を音に分解したり、意味を深く理解する能力を重視しないものでした。
この方法は、日常生活の中で基本的な単語を認識する能力を提供しますが、それ以上の読解力や文章全体を理解する能力を発達させるものではありません。

一方、レモンズが提唱する「読みの科学(Science of Reading)」に基づくアプローチは、以下の5つの重要なスキルに焦点を当てています。

  1. 音韻認識: 言葉を構成する音を識別し、操作する能力。
  2. フォニックス: 文字と音の関係を理解し、活用する能力。
  3. 流暢性: 正確かつスムーズに読む能力。
  4. 語彙力: 単語の意味を理解し、正しく使用する能力。
  5. 読解力: 文章全体を理解し、解釈する能力。

これらのスキルは、IDDを持つ生徒たちが読書をより深く、より自立的に楽しむための鍵となるものです。

レモンズは、「I do, we do, you do」(教師がモデルを示す→生徒と共同で練習→生徒が独自に実行)という手法を推奨しています。
この手法は、指導を段階的に進めることで、生徒が確実に目標を達成できるようにするものです。

また、「ADAPTフレームワーク」というアプローチを用いることで、生徒一人ひとりのニーズに合わせたカスタマイズを行うことが可能です。
このフレームワークでは、タスクの要求を確認し、必要なスキルを特定し、生徒の得意分野や苦手分野を分析し、適切な調整を提案します。

さらに、教育者が使用する教材や活動の内容を調整することで、IDDを持つ生徒たちが一般教育のカリキュラムにアクセスしやすくする方法についても触れています。

生徒の成功には、学校だけでなく家庭や地域社会の協力も欠かせません。
レモンズは、家族が読書を楽しい活動として提供することの重要性を強調します。

「親が過剰に熱心になりすぎて、生徒が読書を嫌いになるケースを避けるべきです」

最後に、レモンズは教育者に対し、IDDを持つ生徒たちが読書スキルを伸ばし、独立した読者として成長する可能性を信じてほしいと訴えています。

「私たちは彼らの能力を信じ、最大限のサポートを提供することで、想像以上の成果を引き出せるのです」

(出典:米スタンフォード大学教育大学院)(画像:たーとるうぃず)

そうです。簡単に決めつけないでください。

しかし、一方で、「親が過剰に熱心になりすぎ」にならずに、「楽しい活動として提供する」。

読書に限ったことではないはずです。

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(チャーリー)


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