- 特別な支援が必要な子どもを持つ親として、どのようなサポートを求めるべきか?
- 自閉症の子どもが理髪店で安心できる環境とはどのようなものか?
- 理容師が特別な支援を必要とする子どもたちにどのように寄り添い、理解することができるのか?
M・ダルマリンガムは、自閉症の妹をお世話していた経験を通じて、特別な支援を必要とする子どもたちの髪を切る際に必要な忍耐力や技術を培ってきました。
たとえば髪を切るとき、長いあいだじっと椅子に座って濡れた髪で過ごしたり、バリカンやドライヤーなどの大きな音に耐えたり、刺激の強い香りを我慢しなければならない場合があります。
こうしたことは、自閉症スペクトラムの方、特に子どもにとっては、とても大きなストレスになりがちです。
だからこそ、ダルマリンガムの「Mr D ヘアスタジオ」は、親御たちにとって大きな助けとなっています。
「Mr D」として親しまれているダルマリンガム・マニッカムは、自閉症の妹と一緒に育ち、世話をしてきたことで、特別な支援が必要な子どもたちの髪を切るうえでの忍耐力と専門性を身につけました。
「妹も特別な支援が必要でした。
理容の仕事を始めたとき、ほかの店に断られたと困っている親御がいると気づいたんです」
そう、ダルマリンガムは語っています。
自閉症の子どもたちは、触覚・嗅覚・味覚などの刺激が過剰になりやすく、つらいと感じることも多いそうです。
子どもの状態によって、その困難さはさまざまに異なります。
最近、ダルマリンガムが自閉症の子どもたちの髪を熱心にカットしている動画がSNSで話題になりました。
彼は優しいおじいのような温かさを持っています。
グレーのベストに赤いジャケットを羽織り、白い髭と口ひげをきちんと整えた姿は、理容師としてのプロフェッショナルさを感じさせます。
ダルマリンガムにとって、自閉症の子どもたちの髪を切ることは単なる仕事ではなく、2003年に45歳で亡くなった妹・マリニへの思いを込めた行為です。
「4歳の子どもが大人4人を蹴り飛ばせるなんて、普通は想像できませんよね。
でも一番大事なのは忍耐なんです。
荒く扱うのではなく、子どもたちを理解しなければいけない」
彼にとっての課題は、子どもたちを説得して髪を切らせてもらうだけでなく、誰にでも当たり前に受けられるはずのサービスを、ちゃんと受けられるようにすることです。
「先週来た男の子がいました。
1週間後にまた来て、今度は帰りたがらなかったんですよ。
ここが居心地のいい場所になったんでしょうね。
本当にすばらしいことだと思います。
そういう瞬間が、私の心を満たしてくれるんです」
そう話すダルマリンガムは、20年前から理容店を営んでいます。
ある母親のシダは、10歳の息子アダムが大きな音にとても敏感で、バリカンの音を怖がるといいます。アダムが最初に Mr D ヘアスタジオを訪れたときは、途中で服を脱いでしまうほど取り乱してしまったそうです。
「ダルマリンガムはアダムを孫のようにかわいがってくれます。
セラピーに役立つアドバイスもしてくれますし、自閉症の子についての知識も豊富なんです」
そう、シダは語ります。
「アダムは昨年の初めからずっと Mr D ヘアスタジオに通っています。
私もアダムを連れて行くためなら、車で1時間近くかかってもかまいません」
もう一人の保護者であるブリアナ・ムハンマド・ハリメはこう言います。
「ほかの理容店では、特別な支援が必要な子どもたちを断られることが多いんです。
でもダルマリンガムは、その子がどんな子どもかを時間をかけて理解しようとして、安心できるように配慮してくれます」
とうれしそうに話します。
ダルマリンガムはこう言って締めくくりました。
「これからも、妹のためにしてきたように、特別な支援が必要な子どもたちの髪を切り続けていきたい。妹を大切にケアしてきたのと同じように、彼らのことも守っていきます」
(出典・画像:マレーシアFMT)
安心して、子供をお願いできる理髪店。
本当にありがたいですね。
(チャーリー)