発達障害のニュースと障害者のハンドメイド

自閉症の息子がピアノで奏でる音楽、母が見た希望の輝き

time 2024/12/18

この記事を読むのに必要な時間は約 5 分です。

自閉症の息子がピアノで奏でる音楽、母が見た希望の輝き
  • 自身の障害と向き合いながら、愛するものを見つけることは可能か?
  • 音楽が心の癒しになる理由は何か?
  • 周囲のサポートがあれば、どのように成長できるのか?

ウォルター・シルヴァンが7歳のとき、母のミシェルは息子の声を初めて聞きました。
それは悲しくもあり、奇跡のような瞬間でもありました。

2017年11月16日、ウォルターは自宅を抜け出し、道に迷って道路へ出てしまいました。
彼はSUVにはねられ、地面に倒れ込みました。
その時、目の前には走ってくる母・ミシェルの姿がありました。ウォルターは手を伸ばし、一言こう言ったのです――「ママ」と。

「信じられませんでした」

そう、ミシェルは小さなリビングで語ります。
感情がこもった声には、いまだ驚きがにじんでいました。

「ずっと、息子の言葉を聞ける日を待っていたんです。
そして、私を見た彼が最初に言った言葉がそれだったんです」

現在15歳のウォルターは、その事故の後遺症を抱えています。
ミシェルは優しく彼の脚を持ち上げ、事故で粉砕骨折した右太もものこぶを見せました。
脚をまっすぐ伸ばすことが難しく、今もリハビリを続けています。
さらに、2歳で自閉症と診断されたウォルターは、日々さまざまな困難に向き合っています。

しかし、そんなウォルターにとって心を落ち着かせてくれる特別なものがあります。
それは音楽、とくにピアノです。

ミシェルは、このクリスマスにウォルターにキーボードを贈りたいと願っています。
それは、彼が大好きな音楽を心ゆくまで楽しめる手段であり、彼のための最高の贈り物だと信じているのです。

「話せなかった頃から、彼はいつも指をトントンと動かしていました」

ミシェルは自分の指で食卓を軽く叩きながら話します。

「おそらく振動や音が好きなんでしょう。それが彼を落ち着かせるんです」

自宅に本物のピアノがないため、ウォルターは母のスマホのピアノアプリで音楽を楽しんでいます。
ウォルターが通うマイアミ・セントラル高校でも、先生たちは彼の音楽への愛を大切にしています。
バンドルームの隅にあるピアノの前に座ると、ウォルターの顔は生き生きと輝きます。

「音楽は彼の違う一面を引き出してくれるんです」

そう、ァビオラ・デレルム先生は言います。

「ピアノを弾いている時の彼は、より集中し、活発で、表情も豊かです。
まるで音楽が彼の中の何かを解き放つかのようです」

ウォルターに好きな音楽のジャンルを尋ねると、一言「ジャズ」と答えました。


ジャズへの愛は確かなものです。

「ゆっくりした音楽、とくにジャズが一番落ち着くようです」

ミシェルにとって、ウォルターとの日々は困難と希望の連続でした。
事故の後、彼女は40日間病院に付き添い、椅子で寝泊まりし、ほとんど病室を離れなかったそうです。

「ストレスで髪が抜けて、体重も増えてしまいました。
寝ることも食べることもまともにできなくて」

医療費は10万ドル(約1,500万円)を超えました。
それでも、彼女の決意は揺らぎませんでした。

「キーボードがあれば、息子は心から喜べることができる。息子にはそれが必要なんです。」

ウォルターの先生たちも、キーボードが彼のさらなる可能性を開いてくれると信じています。

「もしかしたら、彼は音楽の天才になるかもしれません。
それは時間が教えてくれるでしょう」

今の目標は、ウォルターに自分を表現し、心を落ち着けるための手段を与えることです。

「彼は社交的に大きく成長しました。音楽がその助けになっているんです」

ミシェルは最後に静かにこう語りました。

「息子には、自分が大好きなもの、自分だけのものを持ってほしいんです。」

このクリスマス、ミシェルの願いは、リビングでキーボードの鍵盤に触れた瞬間に、ウォルターの顔が喜びに輝くこと。
それはただ音楽を奏でること以上に、心の癒しと未来への希望を意味しているのです。

(出典・画像:米Miami Herald

「自分が大好きなもの、自分にしかないものを持って欲しい」

その気持ちよくわかります。

そうなるように応援しつづけましょう。

話すことができなかった自閉症の少年がピアノ演奏で変わった

(チャーリー)


たーとるうぃずを「いいね!」をする。フォローする。

その他の最新の記事はこちらから
福祉作業所で障害のある方々がひとつひとつ、心をこめて作り上げた良質なハンドメイド・手作りの品物をご紹介します。発達障害の関連ニュースや発達障害の子どもの4コマ漫画も。
気に入ったものはそのままamazonで簡単にご購入頂けます。

商品を作られた障害のある方がたーとるうぃずやAmazonに商品が掲載されたことで喜ばれている、売れたことを聞いて涙を流されていたと施設の方からご連絡を頂きました。

ご購入された方からは本当に気に入っているとご連絡を頂きました。ニュースや4コマ漫画を見て元気が出たとご連絡を頂きました。たーとるうぃずがますます多くの方に喜ばれるしくみになることを願っています。


NPO法人Next-Creation様からコメント

「たーとるうぃず様で販売して頂いてからは全国各地より注文が入るようになりました。障がい者手帳カバーは販売累計1000個を超える人気商品となりました。製品が売れることでご利用者の工賃 UP にもつながっています。ご利用者のみんなもとても喜んでおります」

テキストのコピーはできません。