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自閉症と共に生きる仲間を求めて。孤独を癒す新たな居場所

time 2024/11/17

この記事を読むのに必要な時間は約 6 分です。

自閉症と共に生きる仲間を求めて。孤独を癒す新たな居場所
  • 自閉症と診断されたことは、どのように人生を変えるのか?
  • 孤独感を軽減するためには、どのようなサポートが必要なのか?
  • 自閉症を持つ人たちが友達を作るために、どんな活動が有効なのか?

エマ・ショアーズにとって、自閉症と診断された日は、彼女の人生にとって大きな節目となりました。そのため、彼女はその日を「第二の誕生日」として祝っています。

診断を受けた瞬間、彼女の頭に浮かんだのは、自閉症を持つ他の人たちと友達になることでした。
初めて自分を本当に理解してくれる人たちに出会えるかもしれないと感じたのです。

「これで、もう自分が宇宙人みたいに感じることが少なくなるかなと思いました」

しかし、それは簡単な道のりではありませんでした。
エマが診断を受けたのは20代半ば、ロンドンで小学校教師になる夢を追いかけていた時でした。
そんな中、彼女は「大きなメルトダウン(情緒的崩壊)」を経験したと言います。

人生が大きく狂い、彼女は精神保健サービスでは、誤って精神疾患と診断され、薬物治療やセラピーを受けることになりました。

その後、彼女は家族が住むウェールズの田舎町に引っ越しました。
そして、あるセラピーのセッション中、偶然にも彼女が自閉症である可能性があると指摘されたのです。

それは彼女にとって、自分自身を理解し、新しい世界を歩む準備を整える転機となりました。
しかし、その時点では、彼女は知り合いも少ない田舎町に住んでおり、これまで慣れ親しんだ生活から離れてしまっていました。

「診断を受けた後、すごく幸せな気持ちになったのを覚えています」

そう、33歳になったエマは語ります。

「でも同時に少し悲しさもありました。これまで自分が思い描いていたような人間にはなれないんだと気づいたからです」

エマは、友達を作るためのグループを探し始めました。
また、彼女はその頃母親になったばかりで、育児グループにも参加してみましたが、そこは騒がしく、刺激が強すぎると感じました。

そんな中、彼女は自閉症を持つ人が自分たちの社交クラブを立ち上げるのを支援する新しいプロジェクトについて耳にしました。
それはすぐに彼女の心を引きつけました。

「孤独感というのは、自分の母国語が周りの誰とも違うような感覚なんです。
クラブを立ち上げたい理由の一つは、人を助けたいということ。
それに、いつか息子が誇りに思ってくれるといいなと思っています。
そして、私と同じように孤独を感じる人がいなくなるようにしたいのです」

このプロジェクトは、イギリスの「全国自閉症協会(NAS)」が運営しており、自閉症の成人がボウリングやピザ会、ゲームナイトなどのアクティビティを通じて定期的に集まるピアサポートグループを立ち上げることを奨励しています。

同協会の調査によると、自閉症の成人の80%が孤独や孤立を感じているそうです。

「私たちがよく聞くのは、自信のなさや、いじめられたりからかわれたりすることへの恐怖です」

そう、最初の自閉症者向けソーシャルクラブを立ち上げたサイモン・ハンフリーズは話します。

「人と交わるのが苦手で、とても脆弱に感じる人が多いのです。
みんな、ただ絶望的で孤独を感じている。
でも、この方法なら話をしたり、友情という家族を築くことができるのです」

元プロレスラーでホスピス職員のエムリス・フォレスターも、20代半ばで自分が自閉症であることを知りました。
彼は、サイモンのグループに参加したことで、自分を理解する助けになったと言います。

「ずっと社会的にぎこちない人間だと感じていました。
大人になって診断を受けると、書類を渡されて、それで終わり。
でもこのクラブは、自閉症を持つ人同士で交流できるんです。
みんなの経験を理解すると、自分の助けにもなります」

デクラン・ボーランド(29歳)にとっては、偏見をもたれずに何時間でも話せる貴重な機会です。

「話すことは、多くの自閉症の人にとって怖いことです。
私は、自分の行動を隠したり、話題を脱線させないように集中したりする必要があります。
でも、ここでは変わった自分をそのまま受け入れてもらえます。
さまざまな興味を持った人たちがいますが、みんな得意なテーマを持っていて、それについて夢中で話せるんです。
自分の好きなことについて話せるのは本当に最高のことです」

デクランの得意なテーマは車ですが、コルウィンベイのクラブでは園芸や映画、さらには「きかんしゃトーマス」について何時間も語る人もいます。
それでも誰も批判することはありません。

エマはタイムトラベル小説への愛を新しい友人たちと共有することを夢見ています。
エマは、同じく自閉症を持つ地元議員のカイル・エルリッジと共に「アバーガベニースペクトラムソーシャル」を立ち上げています。

地元のカフェと交渉し、月に一度集まる際には音楽を止め、照明を落としてもらう約束を取り付けました。

これが成功すれば、ウェールズで8番目のグループとなり、NASはこのプロジェクトをイングランドにも拡大する計画です。

「とても特別で、居心地の良い場所になるでしょう。
飲み物を片手に、本当に変わった話題で盛り上がるのが楽しみです。
普通のサポートグループとは全然違います。
楽しくて、みんなが自分らしくいられる場所になるはずです」

(出典:英BBC)(画像:たーとるうぃず)

「みんなが自分らしくいられる場所」

そういう場所、機会がたくさん、そしていつもそうなれるように願っています。

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