発達障害のニュースと障害者のハンドメイド

自閉症の子に多い不安、友人関係の悩みが大きく影響。研究

time 2024/10/11

この記事を読むのに必要な時間は約 5 分です。

自閉症の子に多い不安、友人関係の悩みが大きく影響。研究
  • 自閉症スペクトラム障害を持つ子どもたちの不安の主な原因は何ですか?
  • どのような支援や介入がASDの子どもたちの不安を軽減するのに効果的ですか?
  • 親の精神的健康や家庭環境は、ASDを持つ子どもたちの不安にどのように影響しますか?

自閉症スペクトラム障害(ASD)を持つ子どもや青年が抱える不安やその要因について、カナダのウェスタン大学を中心とした研究チームが新たな知見を発表しました。
この研究は、ケイトリン・リーチマン、エミリー・S・ニコルズ、サラ・アルサウド、そしてエマ・G・ダーデンらの研究者によって行われ、BMC Psychologyに掲載されています。

研究の目的は、ASDを持つ子どもたちの不安の傾向や、それに関連するリスク要因を明らかにすることにあり、とくにASDの子どもたちに見られる不安のパターンに焦点を当てています。

今回の研究では、5歳から18歳までの262人の子どもを対象に、不安、ASDの症状、注意欠陥・多動性障害(ADHD)の傾向、感情的な問題、うつ病の症状、親の育児スタイル、親のストレスレベル、家庭環境といった多角的な要素を評価しました。

その結果、ASDの子どもたちには「低い不安」「中程度の不安」「高い不安」の3つの不安プロファイルが存在することが判明しました。
とくに、ASDを持つ子どもたちは中程度から高い不安を感じている割合が高く、96%が「高い不安」のプロファイルに該当しました。

この研究は、ASDを持つ子どもたちの不安が、友人関係の問題やうつ病との関連が強いことを示しています。

ASDの子どもたちは社会的なコミュニケーションに難しさを抱えることが多く、友達を作るのが難しいと感じたり、いじめの対象になったりすることがあります。
これが孤立感を生み、不安やうつを悪化させるという悪循環を引き起こしています。

研究によると、友人関係の問題は不安の最も大きな要因であり、とくに他者との会話が難しかったり、友達を作るのが難しいと感じたりする子どもたちが不安を強く感じていることがわかりました。

今回の研究では、機械学習の一種である自己組織化マップ(SOM)を用いて、データを解析しました。
この方法により、研究者たちは各子どもがどの不安プロファイルに属しているかをより正確に把握し、その特徴を抽出することができました。

とくに「高い不安」を持つ子どもたちは、ASDの症状が強く現れ、社会的なコミュニケーションの問題や反復的な行動、ADHDの傾向も強いことが特徴でした。
また、うつ症状が不安に大きく影響しており、友人関係の問題がうつの引き金となっている可能性が示唆されています。

この研究は、ASDを持つ子どもたちの不安を管理し、改善するための重要な示唆を提供しています。
とくに、うつ症状の早期発見と介入が重要であり、社会的なスキルを向上させるためのサポートが効果的であるとされています。
研究チームは、医療従事者、教育者、親が協力して子どもたちに対する支援を強化する必要があると強調しています。

具体的な介入策としては、家族の積極的な関与や、認知行動療法(CBT)の応用が提案されています。
CBTは不安やうつに対する有効な治療法として知られていますが、ASDの子どもたちにはとくに柔軟なアプローチが求められます。
家庭のルーチンに合わせた治療法の調整や、家族全員で治療に参加する仕組みを導入することが、治療効果を高める鍵となります。

この研究はまた、ASDを持つ子どもたちにおける不安の発生メカニズムを解明するためのさらなる研究の必要性を提起しています。
とくに、ASDと不安の関係性について、どちらが原因でどちらが結果であるのかを明確にすることが今後の課題とされています。
親の精神的健康や家庭環境が子どもたちの不安やうつにどのように影響するのか、そして学校や社会でどのようにサポートするのが効果的かを解明することが今後の研究の焦点となるでしょう。

研究チームは、ASDを持つ子どもたちが抱える不安やうつを減らし、彼らがよりよい社会生活を送れるよう支援するための介入策を開発することを目指しています。

(出典:BMC Psychology)(画像:たーとるうぃず)

困難をかかえていることで、さらに困難になるような負のループは断ち切らなければなりません。

誰でも相手を尊重し、理解することをお願いします。

自閉症の人たちが強く不安をかかえたときに現れる5つの状態

(チャーリー)


たーとるうぃずを「いいね!」をする。フォローする。

その他の最新の記事はこちらから
福祉作業所で障害のある方々がひとつひとつ、心をこめて作り上げた良質なハンドメイド・手作りの品物をご紹介します。発達障害の関連ニュースや発達障害の子どもの4コマ漫画も。
気に入ったものはそのままamazonで簡単にご購入頂けます。

商品を作られた障害のある方がたーとるうぃずやAmazonに商品が掲載されたことで喜ばれている、売れたことを聞いて涙を流されていたと施設の方からご連絡を頂きました。

ご購入された方からは本当に気に入っているとご連絡を頂きました。ニュースや4コマ漫画を見て元気が出たとご連絡を頂きました。たーとるうぃずがますます多くの方に喜ばれるしくみになることを願っています。


NPO法人Next-Creation様からコメント

「たーとるうぃず様で販売して頂いてからは全国各地より注文が入るようになりました。障がい者手帳カバーは販売累計1000個を超える人気商品となりました。製品が売れることでご利用者の工賃 UP にもつながっています。ご利用者のみんなもとても喜んでおります」

テキストのコピーはできません。