- 大学生活を始めるにあたり、自閉症のある私はどのように不安を軽減できるのか?
- 自閉症を持つ学生が大学で成功するためには、どのようなサポートが必要なのか?
- 孤立感を感じずに友人や学びの仲間を作るためには、どのようなアプローチが有効なのか?
初めて家を離れて大学生活を始めることは、どんな10代の若者にとっても不安なものです。
しかし、マシュー・シェーファーにとっては、ライフスタイルの大きな変化がさらに複雑なものになりました。
というのも、彼は自閉スペクトラム症(ASD)だからです。
現在20歳の彼は、卒業に向けた道のりが決して順調だったわけではありません。
そんな中でも、英デ・モントフォート大学の専門の自閉症サポートチームのおかげで、彼は大学に歓迎されていると感じ、学業に励むことができたと話しています。
デ・モントフォート大学は、一般の学生に比べて自閉症を持つ学生の割合が高く、特に自閉症サポートの分野で高い評価を受けています。
この支援が学生を惹きつけ、入学後に学位を取得するためのサポートにもつながっているのです。
英北東自閉症協会によると、自閉症を持つ学生は、一般の学生や他の障害を持つ学生よりも大学を中退する可能性が高いと言われています。
シェーファーは、個人的な問題が積み重なるにつれて、学業の負担も増えていったといいます。
2023年には祖母が亡くなるかもしれないと心配し、デ・モントフォート大学の自閉症チームに助けを求めました。
彼はこう話します。
「自閉症のメンターであるタビサが、もし祖母が亡くなったときに人に送るメールを整理する手伝いをしてくれました。
彼女は私が落ち着けるようにしてくれたり、解決策を見つけたり、問題に対処する道筋を見つける手助けをしてくれました。
また、私が困っていることを他の人に伝えるためのメールの書き方も教えてくれました」
「本当に彼女たちがいてよかったです。
彼女たちがいなかったら、ここまで来られなかったかもしれません。
何度か大学を辞めようと考えたこともありましたが、なんとか3年生まで進み、卒業が近づいています」
孤立感や他人との関わりを持つことは、自閉症の人にとって課題となることが多いとマシューは言います。
「私は社交的な性格ではないのですが、彼らは私が人と出会う機会を提供してくれて、大学で歓迎されていると感じさせてくれました。
毎週のように外出イベントがあって、それが本当に助けになります」
デ・モントフォート大学のリード自閉症メンターであるアダム・デイヴィソンは、新入生が大学生活をスムーズに始められるようチームが取り組んでいると説明します。
キャンパスツアーや新入生歓迎イベントでの静かな時間などがその一環です。
「これらのサポートがなければ、新入生歓迎イベントに全く参加できない学生もいるでしょう。
我々は現在、自閉症だと認識している約540人の学生と連絡を取っており、その数は年々100人程度増加しています」
18歳の学生、ラザラス・プリマーもこう話します。
「本当に素晴らしいです。新入生歓迎イベントはとても刺激的で圧倒される時間ですが、そうした状況に対応できるチームがあるのは、本当に感謝しています」
2023年、デ・モントフォート大学は、自閉症サポートチームの取り組みが評価され、障害者支援団体「National Association of Disability Practitioners」から最優秀サービスチーム賞を受賞しました。
同団体のCEOであるアリス・スペラーはこう述べています。
「全ての大学に自閉症専門のチームがあるわけではなく、通常は障害者支援サービスの一部に組み込まれています。
しかし、自閉症を持つ学生の進学率は低く、就職率も低いため、こうした専門的なサポートは非常に重要です」
(出典:英BBC)(画像:たーとるうぃず)
ますますこうした支援が広がって、自閉症など障害のある方たちの可能性がますます大きくなることを期待しています。
(チャーリー)