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自閉症の人への「境界性パーソナリティ障害」の誤診。研究

time 2024/09/22

この記事を読むのに必要な時間は約 5 分です。

自閉症の人への「境界性パーソナリティ障害」の誤診。研究
  • 自閉症と境界性パーソナリティ障害の誤診を避けるためには、どのような対策が必要ですか?
  • 自閉症の診断を受けることは、どのように個人の生活に影響を与えますか?
  • 医療従事者は自閉症の診断を正確に行うために、どのような教育が必要ですか?

英ブライトン&サセックス医科大学(BSMS)の研究チームが行った新しい研究で、自閉症の成人が境界性パーソナリティ障害(BPD)と誤診されていることが明らかになりました。

この研究は、自閉症とBPDの症状が多く重なることを示し、誤診がどれほど深刻な影響を与えるかを浮き彫りにしています。

研究は、一対一のインタビューを通じて行われ、10名の参加者が自分の子ども時代の自閉症の特徴が見逃されたことや、BPDという誤診が生活に与えた大きな影響について語りました。
とくに自閉症の女性は、誤診されることが多いという課題も指摘されています。

近年、自閉症とBPDの関連性を探る研究が増え、症状の重なりや両者を区別する難しさが明らかになってきました。
とくに多くの自閉症の女性がBPDと誤診されていることがわかっています。

主な発見:

スティグマ(偏見)と誤診による影響
参加者たちは、BPDという誤診が大きなスティグマ(偏見)を生み、実際の状態が見過ごされる原因となったと感じています。BPDの診断によって、医療従事者は本来の状態を無視し、効果がないどころか有害な治療を施すことが多かったといいます。

有害な治療と「マスキング」
BPDの治療の一環として、自閉症の特性を隠す「マスキング」が奨励されることがありました。しかし、このマスキングは自閉症の人々の自殺リスクを高めるとされています。参加者は、自分がBPDという誤診を受け入れざるを得ず、無力感を感じていました。

正しい診断の劇的な影響
自閉症と正しく診断されることで、「人生が変わった」と感じた参加者が多くいました。自閉症の診断を受けたことで、自分自身を変える努力から、自分の違いを受け入れ、サポートを受ける方向に転換し、精神的な健康や幸福感が大きく改善したと述べています。

自閉症診断への壁
BPDと診断された後、自閉症の診断を受けるまでに多くの障害があったことが指摘されています。
このため、適切なサポートを受けるまでに時間がかかり、苦しみが長引きました。

スティグマの比較
自閉症にも社会的な偏見がありますが、BPDに対する偏見はそれよりも深刻です。
自閉症に対する偏見は「能力が足りない」というイメージがありますが、BPDに対する偏見は「壊れている」や「危険である」といったイメージが強いです。

研究の主導者であるブルース・タミルソン博士は次のように述べています。
「この研究は、誤診が自閉症の人々にどれほど深刻な影響を与えるかを理解するために非常に重要です。
この体験を共有することで、メンタルヘルスのサービスがより人間的で包容力のあるものになることを目指しています」

さらに、医療教育の講師であるセバスチャン・ショウ博士はこう述べます。
「この研究は、医療従事者に対する自閉症の訓練の必要性を強調しており、BPDと診断された成人には自動的に自閉症のスクリーニングを行うことを推奨しています」

脳と身体の医学の専門家であるジェシカ・エクルズ博士はこう述べています。
「自閉症はすべてのメンタルヘルスの専門家が関わるべき問題であることを、改めて認識することが重要です」と述べ、今後さらにこの分野の研究が進むことを期待しています。

この研究は、自閉症の人々の声を広く伝えるとともに、メンタルヘルスサービスの改善と将来の誤診の防止に向けた変革を促しています。

(出典:英サセックス大学)(画像:たーとるうぃず)

誤った診断がなされたために、自閉症の人にとって大きな負担となる「マスキング」が勧められてしまう。

かかえている困難がさらに厳しくなるようことは防がなければなりません。

誤診が減るように正しい理解が進むこと、さらなる研究を願います。

教室の中で年少の子がADHD、自閉症と誤診されやすい。研究

(チャーリー)


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