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自閉症などの人がサイバーセキュリティを学べるVRゲーム

time 2024/09/16

この記事を読むのに必要な時間は約 6 分です。

自閉症などの人がサイバーセキュリティを学べるVRゲーム
  • 自閉症やADHDを持つ子供たちがサイバーセキュリティ分野で成功するためには、どのようなサポートが必要ですか?
  • 仮想現実(VR)が、神経発達に違いがある人々の学習にどのように役立つのか?
  • ニューロダイバージェントな人々の能力を活かすためには、どのような環境やプログラムが効果的ですか?

米ミズーリ大学の研究者たちは、自閉症などの神経発達に違いがある人々をサイバーセキュリティ分野で働けるように訓練するための仮想現実(VR)プラットフォームを開発しています。

VRゴーグルを装着し、コンピューターサーバーやスクリーンが並ぶ仮想の金庫に足を踏み入れます。
コントローラーを使って前進し、サイバーセキュリティの課題が出題されるランチパッドへ進みます。
テストに合格すれば次の部屋へ進めます。
困ったときは、デジタルドロイドの「ロビ」を呼び出し、質問することができます。

これが「USucceed」というプラットフォームで、ミズーリ大学の研究者たちが、自閉症、ディスレクシア(読み書き障害)、注意欠陥障害など、神経発達に違いがある人々にサイバーセキュリティを教えるために開発しています。

このプラットフォームには、2つの重要な目的があります。

ミズーリ大学教育・人間発達学部の情報体験ラボの所長であり、助教授でもあるノア・グレイサーによると、まず、サイバーセキュリティの専門技術を持つ人材の需要が高まっていることに対応すること。

次に、ニューロダイバージェント(神経的に多様な)成人が高収入でやりがいのあるキャリアを築けるように支援することです。

「今やテクノロジーはどこにでも存在しています。
デバイスが増えれば増えるほど、セキュリティ問題が多くなり、データが盗まれたり漏洩されたりするリスクも高まります。
私たちは、こうした問題に対応するために、ニューロダイバージェントの人々をSTEM(科学、技術、工学、数学)分野の労働力に取り込もうとしているのです」

1990年代から、自閉症をはじめとする神経発達の違いを持つ人々が、コンピュータ関連分野で優れた成果を上げることが研究で示されています。
これは、論理的思考のスタイルが影響していると考えられています。
そしてとくに仮想現実の環境は、個々のニーズに応じて設定を変えられるため、適しているといえます。
たとえば、照明を調整したり、刺激を減らしたり、設定をカスタマイズしたりすることができるからです。

「参加者たちは、自分のスキルやニーズに合わせて調整可能な、安全で管理されたVR環境の中で、重要なスキルを学んでいます」

グレイサーと、ミズーリ大学工学部のサイバー教育研究インフラセンター(CERI)所長であるプラサッド・カリヤムは、昨年秋からこのプラットフォームの開発を開始し、全米科学財団(NSF)からの資金提供を受けています。

さらに、若者たちはこのプラットフォームを学ぶだけでなく、設計にも協力しています。
ミズーリ大学のトンプソンセンターが運営するSTRIVEプログラム(職業経験を提供するプログラム)やPAWSプログラム(成人の社会参画を支援するプログラム)のニューロダイバージェントな個人が研究者と共に作業し、貴重な洞察と専門知識を提供しています。

「私たちは、ニューロダイバージェントな学生を労働力の育成に向けて支援する重要性を認識し、PAWSと提携しました。
これにより、彼らの声をプロジェクトの中心に据えています。
サイバー環境での働き方を教える一方で、彼らはプログラムの構築を手伝ってくれており、サイバーセキュリティを学びながら、ゲーム開発に携わり、報酬を得ています」

昨年度、このプロジェクトにはサイバーセキュリティの経験がない7名が参加し、わずか4カ月でシステムを開発し、学習を完了しました。

この夏には、NSFから資金提供を受けたカリヤムの研究インターンプログラムの参加者が、さらにプラットフォームの機能を強化しました。
今秋からは、地域プログラムのメンバーが新たに採用され、プラットフォームの開発とテストを進めます。

最終的には、このゲームは複数のレベルで構成され、エスケープルームのような挑戦形式になります。
各レベルの難易度は、参加者の過去の成績に基づいて調整可能です。

「最初の段階では、ユーザーがプラットフォームやサイバー攻撃の基礎的な概念に慣れるための部屋を作っています。
その後の高度な部屋では、これまでに学んだサイバーセキュリティの知識を活用し、より複雑な模擬攻撃に対処します。
彼らはAIベースの教育支援エージェント『ロビ』の助けを借りながら、さまざまな問題に対して創造的な解決策を見つけ出す必要があります」

グレイサーによると、最終的な目標は、このプラットフォームを拡大し、オープンソースソフトウェアとして公開することです。
そうすることで、誰でも自分のニーズに合わせて使用できるようになります。

「私たちはニューロダイバージェントな個人と協力することに情熱を注いでいますが、このツールはサイバーセキュリティを教えたいと考えるすべての人々に役立つものです。
AIエージェントのロビのような小さなコンポーネントでさえ、新しいものであり、さまざまな環境に応じて応用可能です。

しかし結局のところ、これまでの最大の学びは、
『診断を理由に人を過小評価してはいけない』
ということでした」

(出典・画像:米ミズーリ大学

「セキュリティ」を学ぶと言われると、すごく時代には求められていることですが、面白そうな感じはしません。

ですが、これはゲーム形式で面白そうですごくいいですね。

発達障害、自閉症の人はサイバーセキュリティ分野で重要な存在に

(チャーリー)


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