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自閉スペクトラム症の若者の運転免許取得を支援する米大研究

time 2024/09/12

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自閉スペクトラム症の若者の運転免許取得を支援する米大研究
  • 自閉スペクトラム症を持つ青年は運転においてどのような障害や課題に直面しているのか?
  • どのようにして家族が運転に関する判断を適切に行えるようになるのか?
  • 運転免許を取得することが生活の質に与える影響はどのようなものか?

2017年に行われた、最大規模の調査によると、米フィラデルフィア小児病院の研究者たちは、自閉スペクトラム症(ASD)で知的障害のない適格な青年のうち、運転免許を取得したのはわずか3分の1であり、その多くは17歳で取得していることを発見しました。

「この国では、車にアクセスできることが非常に重要です」

そう、米アラバマ大学バーミンガム校(UAB)公衆衛生学部のエマ・サーティン博士(Ph.D., MPH)は言います。

「個人の車を持たない人々は、公共交通機関がある場所でも、健康状態や生活の質が悪くなる傾向にあります」

車を持たない影響は、他の要因で既に健康や福祉に問題を抱えやすい脆弱な人々にとって、とくに大きくなります。
サーティン博士は、この問題に取り組むために米国防総省から大規模な助成金を受けています。
彼女のチームは、自閉スペクトラム症の人々とその家族が運転の準備ができているかを判断するための仮想評価を開発しています。

サーティン博士は、フィラデルフィア小児病院でこのテーマの研究に携わり、2017年の運転調査のリード著者であるアリソン・カリー博士の指導を受けてきました。
カリー博士の研究では、自閉症の人々が運転を学ぶ際の障壁や、免許取得後の運転記録に関する調査も含まれています。

カリー博士とサーティン博士のチームが行った州レベルの事故記録分析では、自閉症の免許取得者が事故を起こす頻度は、同年代の免許取得者と同じか、むしろ低いことが判明しました。

ただし、自閉症の運転者が関与する事故は、他の道路利用者の動きを理解しなければならない状況、例えば左折時や歩行者を避ける時に多いという特徴がありました。
これは、暗黙のボディーランゲージを読み取る必要があるためです。
つまり、自閉症の運転者には特別な訓練が必要だということです。
なお、調査では自閉症の青年たちは、免許を取得すると「生活の質が大きく向上した」と報告しています。

「就職したり学校に通ったりする意欲が高まり、将来への自信や楽観的な気持ちも強くなります」

家族が青年に運転を思いとどまらせているのではないかという考えもありますが、調査結果は違いました。
多くの親が子どもに運転を学んでほしいと思っていることがわかりました。
しかし、実際に免許を取得するのは3分の1に過ぎません。

その理由の一つは、運転に適しているかどうかを判断する方法が家族にわからないことです。
家族は通常、小児科医やかかりつけ医に相談しますが、92%の医師がその判断に自信がない、または知識が不足していることが判明しました。
さらに、医師の多くは、他の専門家に紹介することもほとんどないため、家族は行き詰まりに直面します。
また、親たちは「何時間もかけて運転に関するガイドやリソースを探している」とも報告しています。

米国では、この分野の専門家として「認定運転リハビリテーションスペシャリスト」が存在します。
彼らは通常、医療のバックグラウンドを持つ作業療法士で、運転評価や訓練の専門知識を持っています。しかし、彼らの数は非常に限られており、米国全体でも350人未満しかおらず、待ち時間が2年にもなることがあります。

この課題を解決するために、サーティン博士はバーチャル運転評価システムを開発中で、3年間で64万8000ドル(約9000万円)の助成金を得ています。
このシステムでは、日常のタスク(料理や洗濯など)の独立性を評価し、バーチャルドライブ中に運転に必要な反応をテストします。

サーティン博士と彼女のチームは、家族が運転に関する判断をする際に役立つリソースを提供することにも力を入れています。
彼らはオンラインで利用できる10項目の簡単なスクリーニングツールを作成し、運転の準備が整っているかどうかを確認できるようにしました。
このスクリーニングに合格しなかった場合には、「現段階では運転の準備が整っていませんが、次のステップに進むために今できることはこれです」といった具体的なアドバイスも提供します。
現在、この質問項目の精度を確認するための検証が進められています。

さらに、サーティン博士とカリー氏は、運転をする予定がない人のための療育も検討しています。
これには、バスの乗り方を理解する方法や、歩行者やサイクリストとして安全に移動する方法、Uberなどのライドシェアサービスの使い方などが含まれます。

「私たちの長期的な目標は、これらすべての情報を一つにまとめたプログラムを提供することです」

サーティン博士とそのチームが進めているバーチャル評価システムは、自閉スペクトラム症の若者やその家族にとって、運転の準備をサポートするための重要なリソースとなりつつあります。
これにより、より多くの若者が自信を持って運転免許を取得し、社会的な独立性と生活の質を向上させる機会が増えることが期待されています。

(出典:米The University of Alabama at Birmingham)(画像:たーとるうぃず)

適切なサポートを受け、自立できることがますます増えるよう、それが米国だけでなく、世界に広がることを願っています。

運転免許証に自閉症を記載できるように。米ニュージャージー州

(チャーリー)


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