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自閉症の子の「共鳴」の違いが示すコミュニケーションの特性

time 2024/09/11

この記事を読むのに必要な時間は約 5 分です。

自閉症の子の「共鳴」の違いが示すコミュニケーションの特性
  • 自閉症の子どもは、なぜ定型発達の子どもに比べてコミュニケーションの模倣が少ないのか?
  • 自閉症の特徴的なコミュニケーションスタイルを理解することでどのようにサポートできるのか?
  • 創造性を発揮するために、自閉症の人に必要な支援や環境はどのようなものか?

自閉症の子どもや大人は、定型発達の人々と比べて、コミュニケーションの方法が異なることがあります。
自閉症の特徴的なコミュニケーションスタイルには、目を合わせる頻度が少なかったり、会話の全体的な流れよりも細部に注目したり、言葉を文字通りに捉える傾向が含まれます。
たとえば、自閉症の人は、言外の意味を読み取ることが難しい場合があります。

こうした違いは、自閉症の子どもと大人との間のコミュニケーションを難しくすることがあります。
しかし、これらの違いを理解することで、より円滑なやり取りができるようになる可能性があります。

私たちの研究では、自閉症の子どもと定型発達の子どもが、会話中にどのように親の言葉を模倣するかを調査しました。

模倣は、言語やコミュニケーションの一部であり、誕生直後から始まります。
人々が他者と話すとき、しばしば相手の言葉を繰り返したり、ジェスチャーを真似たり、声のトーンやアクセントに合わせたりします。

これは学習の過程で起こることですが、社会的な適応の一環でもあります。
模倣することで、相手に対して「あなたの話を聞いていて理解していますよ」というメッセージを送るのです。

私たちが研究した模倣の形式は「共鳴」と呼ばれ、会話の中で相手の言葉を再利用するものです。

たとえば、私が「週末はどうだった?」と尋ねて、あなたが「楽しかった」と答えると、共鳴は起こっていません。
質問に対してただ答えただけで、私が使った言葉を特に使っていないからです。

しかし、もしあなたが「面白い週末だったよ、パリに行ったんだ」と答えたなら、「週末」や「楽しかった」などの言葉を使って、よりクリエイティブに会話に関わることになります。

私たちの研究では、子どもとその母親の間でのこのような模倣に注目しました。

研究には、37〜60か月(約3〜5歳)の子ども180人(定型発達の子と自閉症スペクトラムの子の両方)が参加し、親の言葉をどのように自発的に再利用するかを調査しました。

結果として、自閉症の子どもはこのような模倣をする頻度がかなり少ないことがわかりました。

たとえば、ある母親が「キツネが怖くて逃げ出したのよ」と本を読み聞かせたとします。
これに対し、定型発達の子は「彼女はすごく怖くなって、急いで逃げたのよ」と、母親の言葉を自分なりに工夫して使い返しました。

一方で、自閉症の子どもは親の言葉をそのまま繰り返すことが多く、工夫して再利用することはあまりありませんでした。

共鳴には、相手の言葉を使って即興で応じる能力が必要です。

自閉症スペクトラムと診断された子どもたちは、この即興的な対応が少なくなる傾向がありました。
自閉症の子どもは、母親の言葉をそのまま繰り返すことが多いですが、創造的に再利用することは少ないのです。

これは、自閉症の人が創造性を持っていないというわけではありません。
むしろ、創造性が社会的な場面では発揮しにくく、会話中に言葉を使って表現することが難しいのです。

つまり、自閉症の人にとって、創造性そのものが阻害されているのではなく、他者の言葉を使って創造的に反応することが難しいのです。

この研究結果は、親や医療従事者、教育者が自閉症の初期兆候を見分ける新しい手がかりとなるでしょう。
また、自閉症の子どもを持つ親にとって、子どもの言葉のパターンや他者への反応が、定型発達の子どもとは異なる理由を理解する助けとなります。

(出典:米THE CONVERSATION)(画像:たーとるうぃず)

・創造性が社会的な場面では発揮しにくく、会話中に言葉を使って表現することが難しい

これはたしかにありそうに思います。

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(チャーリー)


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