- 音楽が自閉症のある人にどのような影響を与えるのか?
- 自分の才能を見つけるためにどのような活動を試すべきか?
- 親が子供の才能を育むためにできる具体的なサポートは何か?
11歳の少年、ザイード・モハメド・アル・ザアビは、ピアノの天才とされ、その音楽的才能で聴衆を魅了しています。
多くのコンクールに参加し、アブダビでは彼のお気に入りの作曲家リチャード・クレイダーマンの「渚のアデリーヌ」を満員の観客の前で演奏しました。
また、名誉あるコンサートでも演奏しています。
自閉スペクトラム症(ASD)を持つザイードは、6歳の時に音楽に救いを見出し、ピアノが無限の可能性の世界を開きました。
「クラシック音楽を演奏するのが好きです。
ピアノを弾くとリラックスして幸せな気持ちになります。
ピアノにはたくさんの鍵盤があるので、いろんな音を出すことができます」
彼の母親、マリアム・クラエイチはこう言います。
「オーケストラと一緒に演奏したのは初めてでした。
素晴らしい経験でした。
演奏が終わると、観客は息子を歓声と拍手で称えました。
とても息子の励みになっています」
ピアノの演奏やイベントに参加することで、ザイードは変わり、他人に対する恐怖が減り、自信を持つようになりました。
ザイードの幼少期は困難でした。
話すことができず、よく泣き叫んでいたとクラエイチは振り返ります。
大きな声に敏感で、つま先で歩き、小さなことにこだわるなど、特異な行動も見られました。
ザイードの学校の先生が彼の音楽への深い関心に気付き、両親にキーボードを買うよう勧めました。
最初は楽譜を読めませんでしたが、YouTubeの動画を見るだけでどんな曲でもキーボードで演奏できました。
コロナ禍のロックダウン中に、ザイードは動画を見ながら音楽を学びました。
その才能を見た両親は、ザイードをHouse of Pianos音楽学校に入学させ、音楽イベントに参加するようになりました。
ザイードはアブダビ文化観光局により選ばれ、ウィーンでの2週間のコースとマスタークラスにも参加しました。
その才能に感動したHouse of Pianosは、昨年ザイードにコンサートホールでの演奏を依頼しました。
「この素晴らしい才能を支援することは特権であり、彼の成長と音楽と演奏への情熱を見守ることは本当に感動的です」
そう、House of Pianosの創設者、シャフカット・ママジョノフは言います。
「ザイードは若くして非常に才能のあるピアニストです。
彼の音楽への情熱は演奏する全ての音に現れています」
ママジョノフはザイードの才能を育んだ両親の努力を称賛します。
「両親の献身は、子供の芸術的な追求に時間と資源を捧げる重要性を示す大きな見本になっています」
音楽は自閉症を持つ人々にとって助けになることがありますが、それ自体が治療ではないとドバイ自閉症センターの地域連携コーディネーター、ラザン・カンディルは言います。
「音楽は自閉症のある人が自分を表現し、楽しむ素晴らしい方法を提供します。
細かい運動能力を高め、自由な時間を有意義に過ごす手段を提供し、社会的スキルを向上させることができます。
しかし、自閉症はスペクトラムであり、すべての自閉症のある人が音楽を楽しむわけではありません。
音楽だけでなく、自閉症の人が自分を表現し、人生を楽しみ、有意義な社会的つながりを築けるような活動を見つけることを望みます」
クラエイチは療育に加えて、音楽、ボランティア活動、一般学校への通学がザイードを変えたと語ります。
「そして、ピアノのおかげで彼の自信は高まりました。
今では息子が自閉症であることを信じない人もいます」
バッハ、モーツァルト、ベートーヴェンの曲を演奏するのが好きなザイードは、将来「ドバイオペラや他の有名な国際的なコンサートホール」で演奏することが夢となりました。
(出典・画像:UAE The National)
大好きなことが見つかる。
親としてもっともしたいこと、できたらうれしいことだと思います。
一緒に見つけたいですね。
(チャーリー)