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「自閉症を克服(DAN!)」はすでに中止。エセ医療に注意を

time 2024/07/24

この記事を読むのに必要な時間は約 5 分です。

「自閉症を克服(DAN!)」はすでに中止。エセ医療に注意を
  • 自閉症に関する誤った情報や治療法にどう対処すれば良いのか?
  • 自閉症の家族として、信頼できる治療法を選ぶための基準は何か?
  • どのようにして自閉症に対する理解を深め、周囲の偏見を減らすことができるのか?

米カリフォルニア州にある自閉症研究所。
その創設者であるバーナード・リムランド博士は、自閉症に関する現代の理解に大きく貢献した人物の一人です。
リムランド博士は「冷蔵庫マザー」が自閉症の原因だという誤った考えを終わらせる運動を主導しました。

しかし、リムランド博士は誤って多くの親に、自閉症がワクチンによって引き起こされると信じさせました。
彼の「自閉症を克服しよう!(Defeat Autism Now)/DAN!」というアプローチは、多くの親がリスクの高い高価な治療法に取り組むきっかけとなりました。

親たちが「治った」と主張する事例もありましたが、DAN! プロトコルを支持する研究がほとんど存在しないこと、また、大規模な研究がリムランド博士のワクチンに基づく理論が誤りであることを示していました。

DAN! プロトコルは、1960年代にリムランド博士が設立した自閉症研究所のプロジェクトでした。
DAN! 医師たちは、自閉症を生物医学的な障害と見なす「DAN! プロトコル」に基づいて訓練されました。

具体的には、DAN! 医師たちは、自閉症が免疫力の低下、ワクチンやその他の外部毒素、特定の食物による問題の組み合わせによって引き起こされると考えていました。

DAN! プロトコルは1995年に設立され、短期間の間に、一部の自閉症の親や研究者から高く評価されました。
これらの人々は、生物医学的介入によって自閉症が治る可能性を強く信じていました。
介入方法には、栄養療法、体内の重金属を除去するキレーション療法、ハイパーバリック酸素治療などがありました。

生物医学的アプローチは1990年代後半から2000年代初頭に特に人気がありました。
その頃、ワクチンの成分(特にチメロサールという保存料や生ワクチンの麻疹ウイルス)が自閉症の急増の原因である可能性についての議論が続いていました。

しかし、自閉症研究所は2011年にDAN! プロトコルを中止しました。

その理由の一部は、「自閉症を克服しよう」という名前に対する異議が関係しています。
この名前は一部の親には魅力的でしたが、多くの自閉症擁護者にとっては、自閉症の人々の本質的な価値と尊厳を損なうものであり、自閉症が修正または予防されるべきものだと暗に示していると考えたからです。

現在、自閉症研究所は自閉症に関連する生物医学的な問題に焦点を当て続けていますが、行動療法や遺伝学に関する研究もサポートしています。
また、自閉症の成人に関するリソースと情報を提供し、攻撃的行動や自己攻撃などの問題も調査しています。

もう、自閉症研究所がDAN! プロトコルを教えたり支持したりすることはなくなりましたが、それをいまだに実践する人たちがいます。
Googleで検索すれば簡単に、DAN! 医師と主張する多くの専門家を見つけることができます。

奇跡の治療法を求める親にとって、これらの人たちは希望を提供しているように見えるかもしれませんが、注意が必要です。

DAN! プロトコルは、他の疑わしい、そして潜在的に有害な「治療法」と基本的には同じです。
その人たちが行動療法とは異なるアプローチを試みようとしている場合には、次の点に留意してください。

1.害にならないか
代替療法の中には身体的・心理的リスクがほとんどないものもありますが、逆に簡単に子供に害を与えるものもあります。後者は避けるべきです。

2.費用が適当か
治療法を見つけたいと願う介護者は、詐欺師の標的になりやすいです。しっかりと調査を行い、持っていないお金を使わないようにしましょう。

3.治療法と治療者に高い基準を求めてください
彼らが何を行い、どのように行い、副作用や具体的な期間内に期待される結果について明確に説明することを求めましょう。
その後、評価やレビューを通じて結果を確認することを忘れないでください。

(出典:米verywell health)(画像:たーとるうぃず)

仮説や発見が、絶え間なくその後の研究や調査による事実に基づいて批判され、修正されたり否定されたりして、残っているのが科学であり、正しい医療です。

なので、将来否定されるものもあるでしょうが、今現在一番頼れるものであることに間違いありません。

自閉症を「治す」代替医療が親の感情や恐怖につけ込む。インド

(チャーリー)


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