- 自閉症の子どもや大人が参加できるスポーツプログラムはありますか?
- スポーツを通じて障害を持つ人々が得られるメリットは何ですか?
- コミュニティが自閉症の人々を支援するためにどのような取り組みをしていますか?
若年成人の自閉症を持つ人々のために設けられた特別なスポーツプログラムが、時に見過ごされがちなコミュニティに対する新たな接し方や支援のあり方を示しています。
米ニュージャージー州のメイプルウッドに位置するセント・ジョセフ教会の体育館では、一見すると普通のバスケットボールの練習のように見えますが、中をのぞくとそこには通常とは異なる光景が広がっています。
重度の自閉症を持つ若者たちが、地元の高校生や大人のボランティアの温かいサポートを受けながら、バスケットボールのドリブルやシュートを楽しんでいます。
この場所は、明るく喜びに満ちた空気が漂っています。
このバスケットボールクリニックは、2022年春に教会員であるメアリー・ベス・ウォルシュの発案で始まりました。
彼女は自閉症の息子、ベンに普段経験できない活動に参加させたいと考え、バスケットボールが良い手段になると思いつきました。
「スポーツは受容と帰属感の手段であり、通常は受け入れられにくい人たちにも属する感じを提供できる」
そう、メアリー・ベスは語っています。
最初は専門的な経験のないジェリー・オコナーもためらいましたが、「コーチとプレイヤーを集めてみましょう。それで何が起こるか見てみましょう」というメアリー・ベスの提案に心を動かされました。
プログラムは成功を収め、現在では毎年春と秋の8週間、重度の自閉症を持つ12人の若者が参加しています。
活動はシンプルに保たれ、基本技術に重点を置いたバスケットボール指導が行われます。
参加者の一人、アレクシス(30歳)は、「ここが大好きです。友達と遊んでとても楽しい時間を過ごしています」と語り、プログラムが終わることを名残惜しく思っている様子です。
彼女だけでなく、多くの参加者がこのクリニックを通じて社交的なスキルを身につけ、楽しい時間を過ごしています。
このプログラムは、参加者だけでなく、ボランティアやコーチにとっても学びと成長の場となっています。
高校生ボランティアのサイモンは、「初めてのボランティアで何を期待していいかわからず緊張していましたが、参加してみると想像以上に楽しく、とても価値のある経験でした」と話しています。
ジェリー・オコナーも、「35年間のコーチ生活でこれほど報われる経験はありませんでした」と感動を語ります。
このように、セント・ジョセフ教会の取り組みは、自閉症スペクトラムを持つ若者たちに新たな可能性を示し、彼らが社会において活躍する場を提供しています。
このプログラムの成功は、他の教会やコミュニティにも影響を与え、障害を持つ人々が他者と関わり合い、共に楽しむ機会を増やすきっかけになっています。
音楽、ゲーム、プログラミング、絵を描くことなど、さまざまな共通の趣味を通じて、障害のある人々を社会に積極的に取り込む動きが広がっているのです。
(出典・画像:米Aleteia)
楽しい機会でいろいろ学べる。
自閉症の方に限らず、教える側もいろいろ学べる。
こうした機会がますます広がるといいですね。
(チャーリー)