- 発達障害のある子どもの兄弟姉妹も発達障害を持つ可能性は高いですか?
- 自閉症などの発達障害の家族がいると、他の子どもにも発達上のリスクがありますか?
- 発達障害の子どもの兄妹が通常の発達を遂げる確率はどのくらいですか?
米イエール大学子ども研究センターの新しい研究によれば、自閉症スペクトラム(自閉症)の兄姉をもつきょうだい児は、さらに他の親族にも発達障害や精神病の症状がある場合、発達に関わるリスクが高まることが分かりました。
研究者たちは、自閉症の兄姉をもつきょうだい児に、統合失調症や不安症などの症状を持つ親族もいる場合、自閉症の一般的な困難である社会性やコミュニケーションの困難が増加することを発見しました。
また、不安障害や知的障害の家族がいる、自閉症の兄姉をもつきょうだい児は、言語能力や非言語能力、適応スキルが低下していることも分かりました。
この研究結果は「Autism Research」誌に掲載されました。
これらの発見は、小児科医が乳幼児において、将来的に発達上の問題をかかえるリスクの高い子を特定するのに役立ちます。
イエール大学医学部の子ども精神医学のエミリー・フレイザー・ビーデ特別教授であるカタジナ・チャワルスカはこう言います。
「発達障害のリスクが知られている乳幼児の発達を監視し、サポートするための情報は常に求められています。
家族の情報は出生時に利用可能で、保護者や専門家の発達監視活動を導くかもしれません。
また、これらの障害の家族歴を考慮することで、自閉症の子のきょうだい児の長期的な発達結果を予測し、この子どもたちの変化の原因について、理解をより進められる可能性があります」
チャワルスカ特別教授が率いる研究チームは、2006年3月から2022年5月にかけて、自閉症の子の229人の弟妹たちの親から家族歴の情報を収集しました。
これらの弟妹のきょうだい児は、社会性、認知能力、言語能力、適応スキルの包括的評価に参加しました。
研究者たちは、神経発達や精神病の症状の家族歴が、自閉症の子どもたちの弟妹の発達にどのように関連しているかを調査しました。
これは、子どもの生年、年齢、出生時の性別、家族の人口統計などの変数を調整しながら行われました。
自閉症は社会性やコミュニケーションの障害、感覚の敏感さ、繰り返しの行動、型にはまった興味を特徴とする神経発達の状態です。
これまでの研究によると、自閉症の子どもの弟妹のきょうだい児たちは、社会性、認知能力、言語能力、適応機能にわたって幅広い発達上の問題を示します。
一部のきょうだい児には症状が重く、複数の領域にまたがり自閉症と診断されますが、他の子どもたちはより軽度であったり、特定の発達領域にのみ症状が現れたりします。
なお、多くのきょうだい児は通常の発達を遂げます。
チャワルスカ特別教授はこう言います。
「自閉症の子どもの弟妹たちの、多様な結果は何によって引き起こされるのかは明らかではありません。
変動する結果に関連する要因を特定することは、その根底にある生物学を理解する上で、また最もリスクが高い、きょうだい児を早期に特定する上で非常に重要です」
これまでの研究と同様に、研究チームは自閉症の子どもたちの親族の中で、神経発達や精神病の症状が高い頻度で見られることを発見しています。
チャワルスカ特別教授によると、親族に最も一般的に見られる症状は、不安障害、統合失調症、双極性障害、うつ病、注意欠如・多動性障害、言語遅延、知的障害でした。
(出典:米イエール大学医学部)(画像:たーとるうぃず)
早いうちから、リスクが高いことを知ることで、その後の人生を過ごしやすくなる早期療育につなげることができます。
「なお、多くのきょうだい児は通常の発達を遂げます。」
誤解や偏見をもたず、過度に恐れず、正しく理解してください。
重度自閉症で知的障害のうちの子の「きょうだい」にも障害はありませんでした。
次の子の妊娠を2年半後にすると自閉症の可能性が低くなる。研究
(チャーリー)