- 自閉症の子供が警察に止められたとき、どのようにコミュニケーションを取れば良いのか?
- 自閉症スペクトラムの人が公共交通機関で困ったとき、どうやって助けを求めれば良いのか?
- 緊急時に自閉症の人が自分の状況や助けを必要としていることをどうやって伝えれば良いのか?
米ニューヨーク州サフォーク郡の法執行官たちは、今、自閉症スペクトラムの人々がストレスの多い状況で役立つツールを持っています。
これは、自身もスペクトラムに属するクリストファー・コルターレが考えました。
ウィンターズ・センター・フォー・オーティズムの受付係であるコルターレは、緊急時のコミュニケーションを円滑にするためのカードのデザインを手掛けました。
カードの上部には
「お待ちください。私は自閉症です。理解を助けるために画像を指してください」
と書かれており、その下には運転免許証、登録証、保険証書などの写真が載っています。
カードにはまた、警官が自閉症の人が警告を受けているのか、チケットを切られているのか、逮捕されているのかを示すための写真と説明文も含まれており、理由としてナンバープレート、テールライト、速度制限、一時停止標識などが挙げられています。
カードの下部には「助けが必要です」というセクションがあり、ガソリンが少ない、パンク、病院、緊急連絡先、レッカー車、迷子などを示す写真が載っています。
コルターレのこのカードのアイデアはサフォーク郡保安官に採用されました。
「このカードは感情を伝えるツールです。
副保安官が歩み寄り、この人がなぜ緊張しているのかを理解できないときに役立ちます」
とエロル・トゥーロン・ジュニア保安官は述べています。
トゥーロンの副保安官たちは今後、視覚的な補助とアドバイスが載った新しいカードを携帯します。
車を止めた場合に、対象者が自閉症スペクトラムに属している場合は、言葉がうまく話せなくても、これで助けを求めることができます。
カードを考えたコルターレはこう言います。
「私は緊張しやすく、不安になります」
このカードは郡全域の法執行機関に配布され、バス、鉄道、地下鉄での導入も求める声が上がっています。
「私は実際に公共交通機関でもこのカードを持ちます」
カードによって、コルターレは緊張を和らげることができます。
「この地域では、このカードを持つことで、自閉症の人たちの経験が大きく変わります。
他人とのコミュニケーションが取りやすくなります」
そう、ウィンターズ・センター・フォー・オーティズムのエグゼクティブ・ディレクター、クリスティン・ポンツィオは言います。
自閉症の人たちは特別な配慮を望んでいるわけではないといいます。
「なぜなら、私たちは他の人と同じだからです」
そう、コルターレは言います。
カードが公共の場では役に立ちます。
「このカードは確かに私に自信と希望を与えてくれます。
私のように、自閉症スペクトラムの人々はたくさんいます。
私たちにチャンスをください」
今、コルターレはこの郡の地域全体で自分と同じような人々を助けています。
米ニューヨーク州には約35万人の成人が自閉症スペクトラム障害を抱えていると推定されています。
(出典・画像:米CBS)
「緊張して話せない」
想像できます。
そんなときには、スマホアプリよりもこうしたアナログなカードのほうが確かに役立ちそうです。
(チャーリー)