- 自閉症スペクトラム障害と感覚処理障害の違いは何ですか?
- 感覚処理障害にはどんな種類がありますか?
- 感覚処理障害を持つ人々の脳構造はどのように異なるのですか?
自閉症スペクトラムにいる多くの人たちは、特定の感覚に対して一般とは異なる反応を示します。
たとえば、騒がしく明るいショッピングセンターにいると過度にストレスを感じる人がいたり、服のタグが肌に触れる感覚が耐えられないため、すべてのタグを切り取ってしまう人もいます。
これらの感覚に対する敏感さは長年、自閉症の特徴的な兆候とされてきました。
しかし、新しい研究により感覚処理障害(SPD)という独自の条件かもしれないことが明らかになり始めています。
感覚処理障害は、大きく三つのタイプに分けられます。
- 感覚調整障害
感覚への反応を調節する能力が損なわれる状態です。このタイプの人は、感覚入力に対して過剰反応したり、反応が薄かったり、または感覚入力を異常に求めることがあります。 - 感覚基盤の運動障害
バランス感覚や身体の位置感覚に問題があり、動作の計画や実行が難しくなります。 - 感覚識別障害
感覚の解釈に困難が生じます。このタイプの人は、例えば「N」と「M」の文字の区別がつかなかったり、トイレに行くタイミングが分からなかったりすることがあります。
長年、感覚処理障害は自閉症スペクトラム障害と混同されがちでした。
それは自閉症の人たちにおいてとても一般的であるためです。
最近の研究によると、自閉症スペクトラムにいる人たちの90〜95パーセントが感覚処理の違いを持っています。
しかし、その逆は必ずしも当てはまりません。
感覚処理障害を持つほとんどの人が自閉症スペクトラムには属していません。
アメリカでは成人の約45人に1人、子どもでは約54人に1人が自閉症です。
一方で、感覚処理障害については、子どもの約6人に1人が日常生活に影響を及ぼすほど持っている可能性があります。
さらに、米カリフォルニア大学サンフランシスコ校の研究により、感覚処理障害のある男の子、自閉症のある男の子、及び通常の男の子の脳構造に違いがあることが示されました。
研究を主導したエリサ・マルコはこう述べています。
「感覚に基づく経路において、感覚処理障害のある子どもたちが、自閉症診断を受けた子どもたちよりもさらに大きな脳の接続断絶を示していました」
しかし、感覚処理障害のある子どもたちは、顔の感情や記憶の処理に関連する脳の接続には障害が見られません。
医学界には、感覚処理障害を独立した診断として認めるべきか、それとも自閉症やADHD、不安障害など他の条件に伴う症状の一つと見なすべきかについて議論があります。
ただし、感覚処理障害を持つ個人やその子どもの親にとっては、この区別は学問的なものかもしれません。
実用的な観点から言えば、感覚機能障害が主な問題である場合は、適切な治療を受けるために他の条件と区別することが重要です。
(出典:米Psychology Today)(画像:たーとるうぃず)
自閉症のうちの子は感覚は鈍いことが多いように思います。
小さな頃は、雪玉を手が動かなくなるまで、いつもと変わらない表情でずっと持っていました。
注射もまったく平気です。
だからこそ、血がどれだけ出ても、皮ふを掻き続けたりします。
敏感はすぐに大変なことが想像できますが、鈍感も注意が必要です。
(チャーリー)