- 自閉症スペクトラムに属する人は共感性が高いことがありますか?
- 共感性が高い人が自閉症スペクトラムに属している場合がありますか?
- 共感性が高いことと自閉症スペクトラムにはどのような関係がありますか?
よく、「共感性が高い人は自閉症スペクトラムに入るのですか?」という質問を受けます。
これは、騒音、光、臭い、音、特定のタッチ、人混みから感じる感覚過負荷を経験する傾向が似ているためです。
また、共感性が高い人も、自閉症スペクトラムにいる人も、他の人よりも一人で静かな時間が必要です。
私の臨床の現場で見た限りですが、共感性が高い人の中には自閉症の人もいますが、自閉症スペクトラムにいる人が共感性が高いわけではありません。
自閉症の人は、スペクトラムにいない共感性が高い人が直面しない発達上の課題や認知の困難をしばしば持っています。
共感性が高い人と自閉症スペクトラムにいる人の両方が、さまざまな才能、そして困難を持っています。
私は研究中に、米コロラド州立大学の動物科学教授であるテンプル・グランディン博士と話す機会がありました。
彼女は自身が自閉症スペクトラム(ASD)にいることを公に共有し、動物や人が傷ついているのを目撃すると、すぐに共感が働き誰かを助けようとすると話しました。
これは、緊張した状況でも感情的に落ち着いた中心を保つための有利な点になることがあります。
過去には、自閉症の人は共感が欠けていると考えられていました。
グランディン博士は重要な点を挙げ、自閉症の人も共感を持っているが、それを非常に異なる方法で表現するかもしれないと述べました。
今後、共感とASDの関係について、研究が何を発見するかが興味深いことです。
認識された、または実際の違いは共感への障害となることがあります。
研究によれば、自分自身と異なる体験に共感することが難しい場合があることが示されています。
似ている部分では、何が起こるか予想できるので、安心感を感じやすいです。
しかし、違う部分では、何を期待していいかわからないため、そうはいきません。
自閉症でない人が自閉症の人を理解するのが難しいのと同じように、自閉症の人が自閉症でない人を理解するのも同様に難しいかもしれません。
より共感を深めるために、こうした違いに注意を払うことで、最初は理解できないかもしれない他者にも心を開き始めることができます。
また、自分自身の独自性、ニーズ、違いに対して共感を持つことを学ぶこともできます。
たとえば、全ての人が世界を同じようには見ていません。
自閉症スペクトラム障害や注意欠如・多動性障害(ADHD)のような、創造的な認知スタイルの多様性があります。
それぞれのスタイルに、独自のプラス面とマイナス面があります。
愛する人、友人、同僚がこれらの違いを持っている場合、共感的な目で見ることが重要です。
彼らがあなたの違い(彼らとの)を共感をもって見ることも同じくらい重要です。
認知スタイルの中には他のものよりも感情的に問題があるものもありますが、他人を劣っていると判断してはいけません。
常に目指すべきは、心が閉ざされたり、誤解を招いたりする障害を取り除くことです。
お互いについて学び合うのです。
間違いなく、私たちは生活の中でできるだけ多くの共感が必要です。
共感は、育てるべき基本的な肯定的な資質です。
それと自分自身の癒しを優先できることを願います。
共感することに障害がある時は、一時停止して、自分に優しく、辛抱強くしてください。
無理に何かをする必要はありません。
いつも自分自身に愛情を示してください。
愛は、それを大切にし、よく世話をすることで成長し続けます。
ジュディス・オルロフ医学博士 米カリフォルニア大学ロサンゼルス校 精神医学臨床助教授
(出典:米Psychology Today)(画像:たーとるうぃず)
自閉症の人は「共感しない」わけではありません。
見え方が異なるだけです。
共感しすぎてしまう、自閉症の方もいます。
自閉症の人の中には「過剰に共感」ハイパーエンパシーの人もいる
(チャーリー)