- 自閉症や発達障害を持つ人々は、日常生活でのメディア表現に自分自身を見出せるだろうか?
- 若者たちは、自閉症や発達障害を持つヒーローに出会うことで、自分自身を肯定的に捉えることができるのだろうか?
- メディアにおける自閉症や発達障害の表現は、神経多様性を持つ人々にとって本当にインスピレーションを与えられるのだろうか?
ポップカルチャーが私たちの日常生活にますます広がりを見せるなか、若者の中には自分たちが視聴するメディアにおいて自分自身を見出せていないと言う人もいます。
西オーストラリア州のマウントバーカーに住む、15歳のマックリン・ウーラーは、動物好きで才能豊かな自閉症のアーティストです。
自閉症とは、人がどのように考え、感じ、環境を経験し、他人との交流やコミュニケーションに影響を及ぼすことがある状態です。
オーストラリア統計局によると、2018年時点でオーストラリアには自閉症を持つ人が20万人以上います。
2015年から25パーセント増加しています。
しかし、マックリンはこのたくさんの神経多様な人たちがメディアには現れていないと言います。
「もし、自閉症の人のヒーローがいれば、自閉症の人たちにとってもっと良い状況になるはずです。
多くの人に差別されることがなくなるからです。
私は、自分が自閉症であろうとなかろうと、どんな状況であれ、実際に何でもできることを示します」
ミシェル・ウーラードは、テレビで自閉症の人を見ることが、彼女の息子が一人ではないことを理解するのに役立つと言いました。
「尊敬や希望をもてる存在がいなければ、人生はより困難になります。
しかし、ヒーローがいて、その人が自分と同じようなことを経験していることを知っていれば、それは助けになります」
音楽家としての成功していますが、シンガーソングライターのシェルドン・ライリーは、自閉症を持ちながら自身の性的指向に苦しんだ若者として多くの挑戦に直面しました。
宗教的で混血の家族の中で育ったライリーは、ただ他の人たちと同じようになりたいと思っていました。
「私は自分以外の誰かになりたいと思いました。
私の鏡に映る人物ではなくて」
ライリーは以来、2022年のユーロビジョンでオーストラリアを代表し、神経多様性コミュニティのヒーローとなりました。
また、今年、人気のあるアメリカのリアリティTVショー「アメリカズ・ゴッド・タレント」にも出演しました。
ライリーは、若い頃に、神経多様性のあるヒーローを見つけることができたなら、多くの心の痛みを省くことができたと述べています。
「精神的に悩むことがはるかに少なくなっていたでしょうし、不安もずっと少なかったはずです。
そうしたヒーローがいたら良かったと思います」
豪マードック大学の心理学准講師、トゥンディ・ロフタスは、自閉症スペクトラムと診断された若者を支援しています。
ロフタスは、神経多様性のあるティーンエイジャーは自閉症のあるメンターを探しているわけではなく、自分の興味を共有する人を求めていると言いました。
「彼らが偶像化したり、自分のヒーローとして尊敬する人は、彼らの特定の狭い興味に関心がある人たちかもしれません。
たとえば、マインクラフトが好きな子どもたちにとっては、マインクラフトをしている人やマインクラフトに関わった仕事をしている人がヒーローです」
ロフタスは、ヒーローは若者が目標を設定し、達成するためのインスピレーションを提供する、ロールモデルとして重要な役割を果たすと言いました。
「目標を設定し、目指すもののパラメーターを自分自身に与えることができれば本当に役立ちます。
それを以前に達成した他の人々を見ることが、自分の励みになります」
2023年、スクリーン・オーストラリアは、350を超えるオーストラリアの脚本付きTVドラマにおける多様性のあるキャラクターを分析した研究を公表しました。
それによると、これらの番組における障害者の表現が2016年の調査と比較して高くなっていることが分かりました。
しかし、その数値はまだ6.6パーセントにすぎず、依然として低いと批判しています。
ライリーにとって、子どもの違いを誇りに思う家族を見ることは、とてもポジティブなことです。
自分の家族は彼を愛していたものの、彼が幸せになるために変わってほしいと願っていました。
「あなたを本当に理解し気を配る家族を持つことと、
あなたを変えることも含めて、状況を変えるためにできる限りのことをする家族を持つこと、
その間には大きな違いがあります。
子どもたちを変えたくない、彼らのすべての側面を祝い、同じではない人たちを代表する人にとても感謝している家族や親を見るのは本当に心温まることです」
シェルドンは、他の子どもたちが自分を尊敬してくれていることを知っています。
「親や家族、そうした子どもたちをとても誇りに思っている人々から、メッセージやメールを受け取ります。
そして、子どもたちが私のような者を尊敬してくれていることをとても誇りに思います。
そして、子どもたちも自分に尊敬できる人がいることを誇りに思っているんです」
(出典・画像:豪abc)
自閉症の「ヒーロー」が、自閉症の人たちの力となる。
日本のメディアには、自閉症やADHDなど発達障害を自称する方がたびたび現れますが、どうでしょう?
(チャーリー)