- 1. 自閉症の人が読み書きができるか?
- 2. 話すことができない自閉症の人たちは書き言葉でのコミュニケーションが可能か?
- 3. 適切な指導とサポートを受けた場合、話すことの代わりに書き言葉での自己表現が可能か?
米バージニア大学の科学者による新しい研究によると、自閉症の人の約3分の1が言葉を使ってコミュニケーションを取ることができません。
また、効果的な代替手段が提供されている人はほとんどいません。
しかし、これらの人の多くが読み書きができることを示唆する研究結果が出ました。
彼らが書き言葉を通じて自己表現を学ぶ可能性があることを示しています。
この研究は、Autism誌に掲載されました。
話すことができない自閉症の10代と成人のうち、以前の能力の見積もりから予想されるよりも5倍多くの人たちが、書かれた言葉の規則についての知識を示したことを報告しています。
この発見は、少しの言葉も話せない、または全く話せない世界中の数百万人の自閉症の人々にとって、重要な意味を持ちます。
これらの人たちの多くは、読み書きを習得できないとみなされています。
バージニア大学の心理学教授であり、この研究の主執筆者であるヴィクラム・ジャスワルはこう言います。
「話すことができない人が理解していないと仮定すると、私たちが彼らにとって開くことができる扉を限定してしまいます。
彼らが何を理解しているかを把握しようとすらしないかもしれません。
私たちの研究は、話すことができない自閉症の人たちの言語、学習、そして読み書きの能力が、深刻に過小評価されていることを示しています」
今回の研究では、話すことができない自閉症の人たちは、文字や単語、そして文章に対して、読み書きができる自閉症でない人と同じように反応できるのかという基本的な問いに取り組みました。
ジャスワルの研究チームは、参加者がタブレットに表示された文字を、その文字が光った瞬間にタップすることを要求する、「モグラたたき」ゲームと似た方法を開発しました。
ある場合には、文字が先に口頭で聞かされた文章を綴る順序で光り、別の場合には、意味のない順序で光りました。
研究チームは、スペルを知っており、話し言葉をその書かれた形式に変換することができる読み書きができる人は、その文字が光る前に聞いた文章の次の文字を予測できると仮定しました。
そう仮定すると、意味のない連続よりも文章に対して速く反応することが期待されます。
そして研究の結果、研究に参加した話すことができない自閉症の人の31人の半数以上が、読み書きができる人と同じように反応したことを発見しました。
この研究の結果は、研究参加者の多くが正式な読み書きの指導を受けていないにもかかわらず、多くが書かれた言語の仕組みを理解していることを示す、驚くべきものだとジャスワルは言います。
「社会は伝統的に、話すことができない人々は言語を理解することができず、読み書きを学ぶこともできないと想定してきました。
しかし、私たちの発見は、多くの話すことができない自閉症の人々が基礎的な読み書きのスキルを持っていることを示唆しています。
適切な指導とサポートを受ければ、これらのスキルを活用して、話すことの代わりとなる書かれた形式のコミュニケーションへのアクセスを提供することが可能になるかもしれません。
書き言葉を通じて自己表現を学ぶことは、話すことができない自閉症の人たちがこれまでアクセスできなかった教育、雇用、社会的機会を開くことになります」
(出典:米EurekAlert!)(画像:たーとるうぃず)
この研究結果は、私にとっては涙が出るくらいうれしいです。
うちの子はまったく話すことができません。
しかし、私の言っていることはわかっているようだと思ってきました。
やっぱりわかっているんだと思います。
それも、ちょっとずつ増えてきたようにも思います。
またいつか、言葉をなくす前のように、一言でも話してくれる日が来たらいいなと思っていました。
私がいなくなる前に、実現するかもしれません。
発達障害の子は今語彙が少なくても言語能力はずっと発達を続ける
(チャーリー)