- 自閉症を持つ子どもたちがコミュニケーションの困難を乗り越えるには、どんなサポートが必要なのか?
- 大学生が自閉症の子どもたちとの関わりを通じて学ぶことは、具体的に何か?
- プロジェクトに参加することで、自閉症の子どもたちや大学生が得られる成果や変化は何だろうか?
米オハイオ州立大学の演劇、映画、メディア芸術学部内にある「シェイクスピアと自閉症プロジェクト」は、自閉症を持つ子どもたちがコミュニケーションを取り、感情を表現する際に直面する困難を克服することを目指すものです。
このプロジェクトは今年で10年目を迎え、今春には8歳から18歳の子どもたちを対象に10週間の無料ワークショップを開催する予定です。
シェイクスピアと自閉症プロジェクトのディレクターで准教授ケビン・マククラッチーはこう言います。
「最初の4週間で、大学生たちは自閉症の子どもたちとのコミュニケーションにシェイクスピアのドラマゲームを使用するハンター・ハートビート・メソッドを学びます」
マククラッチーは、このゲームがシンプルに設計されており、誰でも利用できるものだと言います。
トレーニングの一環として、学生たちはワークショップに参加した自閉症の子どもたちが必要とするサポートのレベルを評価し、ゲームを適切に調整することが求められます。
ワークショップに加えて、シェイクスピアと自閉症プロジェクトは2017年以来、ブリッジウェイ・アカデミーと協力して、シェイクスピアと自閉症プロジェクトのトレーニングを完了した大学生にプレプロフェッショナルなインターンシップを提供しています。
「彼らはブリッジウェイでもシェイクスピアと自閉症の活動を行い、ドラマゲームをリードします。
このインターンシップは、彼らがドラマセラピストや言語病理学者などのキャリアに進むための準備となるものです」
ブリッジウェイの言語聴覚病理学者アレクサ・レックはこう言います。
「役者たちが『ねえ、これ楽しそうだ、私も参加したい』と思わせるようなデモンストレーションを見るのはとてもいいことです。
その時点で、それは仕事ではなく、遊びとなります。
子どもたちは感情を示したり認識したりするスキルを練習し、対話で交代すること、すべてが繰り返されサポートされ模範を示されるので、彼らはスキルを学ぶことができますが、教えられているようには感じません」
レックは、スタッフや家族が年月を経て一部の生徒の顕著な変化に気づいたと話します。
「会話が改善されました。
毎日、会話に入るとき、何が起こるか、何が求められるか、どこに行くか分かりません。
ですから、これらのゲームをする機会はそのスキルを構築します」
レックは、彼女が演技や声の仕事に興味を示す生徒を持ち、そのキャリアを積極的に追求している大学生と交流する機会が、彼らにとってもとても励みになるものであると言います。
マククラッチーは、オハイオ州立大学の学生とワークショップやブリッジウェイ・アカデミーの参加者が、生活のストレスや不安を一時的に「停止」させ、お互いに半分ずつ出会い、何か魔法のようで力強いものを創り出すことが重要だと説明しました。
「私たちは、『生きている』ということがどのようなものかを探求し、それを新しい方法で表現しようと試みているんです」
(出典・画像:米WBNS)
大学生たちがシェイクスピアのドラマゲームメソッドを学び、自閉症の子どもたちの感情表現を育む。
というプロジェクトなんですね。
大学生も学び、自閉症の子どもたちも学ぶ。
すばらしい「学び」のかたちのように思います。
(チャーリー)