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自閉症のダンサー。今は嫌いなレオタードとタイツでなくていい

time 2023/10/12

この記事を読むのに必要な時間は約 6 分です。

自閉症のダンサー。今は嫌いなレオタードとタイツでなくていい
  • ダンスが自閉症の人にとってなぜ重要な役割を果たすのか?
  • 自閉症の人がいじめを受けやすい理由は何か?
  • 学校や環境が自閉症の人々を支援するためにどんな配慮をすべきか?

米イーロン大学1年生のマディ・ミルナーは、16歳のときに自閉症と診断されました。

ミルナーは子どもの頃は、「変わっている」とは言われていたものの、自閉症ではないと言われていました。
しかし、社交スキルや感覚過敏症の助けを得るために、小学校に通う間は療育も受けていました。

そして、ずっとミルナーはダンサーでした。
ミルナーは3歳の時からダンスを始め、高校を卒業するまでずっと同じダンススタジオに通いました。
ミルナーにとって、ダンスは2つの役割を果たしました。
その一つは刺激になることです。

米フィラデルフィア小児病院研究所によれば、刺激行動(スティミング)は、繰り返される体の動きや物体の繰り返される動きを指します。
刺激行動の例には手を振ることや髪をひねることが含まれ、フィラデルフィア小児病院研究所によれば、自閉症の人々にとって非常に一般的なルーチンの実践です。
米自閉症協会によれば、自閉症の人々は感情を調整したり、感覚的な刺激を増減させたりするなど、さまざまな理由で刺激行動を行う傾向があります。

ミルナーは刺激行動が身体的なニーズと感情的なニーズの両方を満たしていると言います。
ダンスは感情に強い影響を与えます。

ミルナーさんはまた、ダンスを通じることで複雑な感情を表現できますが、口頭で表現するのは自閉症のために難しいと言います。

「『この文やこの段落を描いてほしい』というようなものではありません」
「『愛する人を失った悲しみを描いてほしい』という要求にあわせた表現です」

ミルナーはダンサーとしての時間がすべて良いわけではなかったとも言います。
高校でのスタジオでの在職期間の終わりには、他のダンサーからいじめを受け、言葉でのいじめ、軽度の肉体的な嫌がらせ、排除も経験したと言います。

そして、いじめられていることをダンスの先生に理解してもらうのは難しいことでした。
できるだけ、いじめてくる女の子たちを気にしないようにし、ソーシャルメディアでブロックし、ただダンスに集中しました。

「『私は今大学に入るためにここでダンスを学んでいて、私は生涯の重要な時期に踊っていないわけにはいかないから』と考えて、それを乗り越えました」

自閉症の人々がいじめを受ける統計については異なる情報がありますが、英国の慈善団体であるアンビシャス・アバウト・オーティズムは、25歳未満の自閉症の人のうち75パーセントがいじめを経験していると伝えています。
自閉症の人々が社交的な手がかりや状況を読むことが難しいため、いじめを受けやすいといいます。

ミルナーがダンススタジオでいじめを受ける前に、学校でもいじめを受けたと言います。
母親は、小学4年のときの理科の教師が「優秀な子ども」を好まず、「嫌悪感を抱いていた」と述べています。

当時、ミルナーは「優秀な子ども」のレッテルを貼られていたものの強迫性障害をかかえていました。
自閉症の診断はされていませんでした。
母親はこう言います。

「その先生が子どもにどのように接するか、特に私の子どもに対してどのように意地悪なことを言うかについて、話し合いをせざるを得ませんでした。
しかし、それがうまくいかないため、上司である教師と話し合いをしました。
礼儀正しくプロフェッショナルなやり方で言わなければなりませんでした」

しかし、最終的に学区長に問題について話さなければなりませんでした。
結局、学校は何もしなかったからです。

母親は小学4年生を最後に公立学校をやめさせました。

娘のためにした最大の決断でした。
いじめのためだけでなく、学校や標準化テストに関するストレスが原因で、ミルナーは胃潰瘍も発症していたからです。
それからは1年間、自宅で学んだあと、発達障害の子どもへの配慮がある私立学校に入学しました。
母親はこう言います。

「私は娘が話せないときのために自閉症の人向けの絵カードを用意しました。
学校に行くときに娘に持たせました。
『私は圧倒されています』『今話すことができません』『離れて冷静になる必要があります』と書いてあるものです」

ミルナーは高校のダンススタジオではレオタードとタイツを着ることが嫌いだったと言います。
また、スタジオでは頻繁に大音量の音楽が流れ、明るい照明が使用され、これは彼女の感覚過敏症を刺激し、発作を引き起こす原因となりました。

現在、イーロン大学でダンスをするときには、着たい服を着る自由があります。
ノイズキャンセリングのヘッドフォンを使用することもできます。
イーロン大学では配慮がされ、ダンスの先生たちも親切だとミルナーは言います。

ミルナーは、すべてのダンススタジオに、音楽の音量を下げたり、照明を調光したり、リラックスしたドレスコードを採用したりするよう願っています。

「それは自閉症の人々だけでなく、一般の人々にとっても非常に役立つと思います。
みんなにとってより良い空間になるはずです」

(出典・画像:米ELON NEWS NETWORK

素晴らしい機会を奪ってしまうようなことはなくなってほしい。

あらゆるところで、こうした理解が進み、取り組みやすい環境が整備されていってほしいと願います。

自閉症の女性を支えてきたダンス。「私には踊ることができる」

(チャーリー)


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