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自閉症の子どもの社会性の発達にも良い「お人形遊び」。研究

time 2023/09/30

この記事を読むのに必要な時間は約 7 分です。

自閉症の子どもの社会性の発達にも良い「お人形遊び」。研究
  • お人形遊びが子どもの社会的発達に役立つのか?
  • 自閉症の子どもたちにとって、人形遊びはどのような効果をもたらす可能性があるのか?
  • お人形やぬいぐるみ以外の遊びが好きな子どもにとって、社会的スキルの発達に影響はあるのか?

「お人形遊び」が、子どもたちの社会的発達に役立つ可能性があることが、新しい研究で確認されました。

この研究によれば、自閉症スペクトラム症を持つ子どもたちを含む、すべての子どもたちにとって、人形遊びは社会的なスキルの練習や共感力の開発のための有用なツールとなり得ることが示唆されています。

英カーディフ大学の研究者たちは、この研究で、自閉症の特徴を持つ子どもたちが人形遊び中に会話を交わす際に社会的な処理に関連する脳活動が増加することを発見しました。

人形遊びをしながら他の人とより幅広い社会的な関与をすることが、これらの子どもたちの社会的発達にとってユニークな経路になる可能性があります。

一方、定型発達の子どもたちは、人形の思考や感情について話す傾向がありました。

研究者たちは、この違いにもかかわらず、自閉症の子どもたち、そうでない子どもたち、どちらにも人形遊びを社会的なシナリオの練習や社会的スキルの開発のためのツールとして利用できる可能性があると述べています。
主任研究者のサラ・ガーソン博士はこう言います。

「私たちの研究は、自閉症の神経発達プロファイルに関係なく、人形遊びが子どもたちの社会的処理を促進できることを示しています。
自閉症と関連する神経発達特性を持つ子どもたちにも、共感などの社会的スキルを練習し、開発するためのツールとして人形遊びを利用できることが示されます」

英国には約70万人の自閉症の子どもと大人がいます。
英国の人口の1パーセント以上が自閉症スペクトラムに位置しています。
自閉症は、他の人とコミュニケーションを取るのが難しい、他人の考えや感情を理解するのが難しいといった特徴を持つことがあります。
明るい光や大きな音が圧倒的でストレスを感じたり、不慣れな状況や社交イベントが不安や緊張を引き起こすことがあります。
自閉症は病気ではなく、神経典型的な人々とは異なる方法で脳が働いている状態で、一生涯持ち続けるものです。

この最新の研究は、カーディフ大学心理学学部の人間発達科学センターによる長期にわたる研究の一環です。
以前の研究では定型発の子どもたちに焦点を当て、人形遊びの広範な社会的および発達的利点を発見しました。
この研究は3年目に入り、参加者のバリエーションをもっと豊かにし、自閉症の特徴の高い子どもと低い子どもを含む4歳から8歳の子供たちも対象にしています。

研究では、子どもたちが人形やタブレットで遊んでいる際に脳活性化を探るために最新の機能性近赤外分光装置を用いました。
子どもたちを観察する中で、研究者たちは、人形遊び中に、共感などの社会的および感情的な処理に関与する後方優位側頭溝(pSTS)領域で脳活動が増加したことを観察しました。
これは、友だちとお人形で遊んだ場合と一人で人形遊びをした場合のどちらでも、そうでした。
一方で、一人でタブレットで遊んでいた場合には、そのような脳活動は少ないものでした。

研究の結果から、人形遊びが子どもたちの社会的処理をサポートできる可能性があります。
それは、子どもが自閉症であるかそうでないかに関係ありません。

研究では、自閉症の特徴が少ない子どもたちは、人形遊び中に遊んでいる人形の精神状態や感情について話すことが、pSTS活動の増加と関連していました。

一方、自閉症の特徴がより多い子どもたちにとって、人形遊び中に他の人と会話をすることは、自分だけで遊んでいるときでも、神経レベルでより社会的処理を促進しました。
なお、他の研究で社会的処理と共感のスキルが子どもの将来の感情的、学術的、社会的成功に重要であることが示されています。

この研究は英ウェールズ自閉症研究センターとの協力によるものです。
センターのディレクター、キャサリン・ジョーンズ博士はこう言います。

「この研究は、神経多様性を認識し尊重することが重要であることを強調しています。
これは、子どもたちの脳が働く多様な方法を認識し、神経多様性に関係なくすべての子どもたちの発達に対応する包括的かつ受容的な方法で社会的発達に取り組めることを意味します。
子どもたちが選ぶ、すべての遊び方を受け入れることで、彼らの発達のためにより包括的で支援的な環境を作り出すことができます」

ジャン・ピアジェの認知発達理論の重要性が初めて脳イメージングを通じて科学的に証明されたのは、この長期にわたる研究が初めてです。
また、この研究は自然な人形遊びを使用している際の脳の活動画像を初めての利用するものであり、特定のストーリーが用意されていない状況で人形遊び中の脳活性化がどのように起こるかを示しました。

玩具メーカーのマテルのEMEAのインサイト&アナリティクス責任者であるマイケル・スワイズランド氏はこう言います。

「私たちは誇りに思っています。
自閉症と関連する神経発達特性を持つ子どもたちを含むすべての子どもが『バービー」で遊ぶことで、彼らの発達を助ける可能性があるという事実を確認できました。
バービーはすべての子どもに無限の可能性をインスパイアし続ける存在であり、発達障害である自閉症の子を含んだ、すべての子どもたちが、人形遊びを通じて共感などの社会的スキルを発展させるかもしれないことが、科学的な研究でわかったことにうれしく思います。
カーディフ大学との長期パートナーシップを通じて人形遊びのさらなる利点を明らかにし、親が気づかなかったかもしれない発達へ良い影響を明らかにし続けることを楽しみにしています」

(出典・画像:米The U.S. Sun

それは、良いものだろうと思っていたことが、研究でも明らかになったという感じです。

しかし、うちの子は小さな頃から、お人形やぬいぐるみにはほとんど関心を持ちませんでした。

持っていられるくらいの大きさの綺麗なモノ、感触よいモノ、がずっと好きです。

自閉症の少年が自分を落ち着かせるために作ったスポンジ人形

(チャーリー)


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