- 1. 自閉症やコミュニケーションに障害のある人がより簡単に自分の欲求や感情を表現できるか?
- 2. バイリンガルコミュニケーションボードを利用することで、学校内のコミュニケーションや教育体験がどのように改善されるか?
- 3. ピクトグラムを活用することで、子どもたちと教師のコミュニケーションが円滑になるか?
カナダのケベック州にあるクレストビュー小学校に通う2人の子を持つナタリー・セウクパーニャは、自閉症の生徒たちがコミュニケーションを向上させるための新しいツールが必要であることに気づきました。
そして、他の保護者と共に実用的かつ手ごろな解決策を見つけました。
ナタリーたちが考案したユニークなバイリンガルコミュニケーションボードは、頑丈で耐久性のある素材で作られ、この地域の厳しい気象条件にも耐えられるようになったものです。
自閉症の子どもたちが、学校でより積極的になり、コミュニケーションも変わるはずです。
特別支援を必要とする子どもたちが、ここクレストビュー小学校に通っています。
教職員とクレストビュー家庭学校協会(CHASA)との協力により開発されたこのボードは使いやすく、より包括性をより高めるものとなっています。
このボードの特徴は、それぞれ注意深く手描きされたピクトグラムにあります。そ
れぞれのピクトグラムは独自性、包括性、そして性別中立性を保つために細心の注意を払って描かれました。
コミュニケーションボードは、言葉を話すことができない人や、一部に限って話すことができる人、とくに自閉症をかかえる人たちが、自分のニーズや欲望、思いを表現するのに重要な役割を果たします。
クレストビュー小学校のこのコミュニケーションボードは、さらにレベルを上げたものです。
従来の期待を超え、多様な生徒の要件に合った独自のものとなっています。
「このボードは教育者や仲間とのコミュニケーションを助けます」
そう、ナタリーは言います。
このボードは学校の敷地内にあるため、ナタリーたち保護者は、耐候性のある、丈夫で子どもたちに安全な素材を使用しました。
ボード上のピクトグラムは、教師たちが選びました。
「これは子どもたちの特定のニーズに合わせカスタマイズしたボードです。
設置すると、1時間も経たないうちに、子どもが先生の手首を取ってボードを指し、『食べる』と指をさしました。
先生が何回か『食べたいの?』と尋ねると、その子は『YES』に指をさしました。
これらの子どもたちの最大のハードルは、周りの人に自分たちのニーズを理解してもらうことです。
このボードはその課題を乗り越えるのに役立ちます」
CHASAの会長のナタリーは、このコミュニケーションボードはとくに言葉に不自由をかかえる特別支援が必要な生徒の助けになるようデザインされていると言います。
「彼らは言葉を使うことができません、これが彼らのメッセージを伝える手助けになります。
ボードがなければ、理解してもらうためのプロセスが長くなります。
しかし今ではこうした子どもたちは自分を表現し、メッセージを伝えることができるようになりました」
ナタリーは次のステップとして、ボードを学校内で利用可能にしたいと考えています。
今回のこのコミュニケーションボードは当初、米国で販売されているものを購入しようと考えましたが、英語版のみで、ここでの利用には不十分なものでした。
この地域では、フランス語も利用されているためです。
そこで、ナタリーと学校の教職員が、印刷、グラフィックデザイン、マーケティング分野で働く保護者からのボランティアで協力などしてもらい、ゼロからボードを作成しました。
クレストビュー小学校のイレーン・ツィミキリス校長はこう語ります。
「この画期的なコミュニケーションツールを学校で利用できることをとてもうれしく思います。
クレストビュー小学校のバイリンガルコミュニケーションボードは、包括性への確固たるコミットメントと、すべての生徒に最適な学習環境を提供するという我々の信念を象徴しています。
これによってコミュニケーションが革命され、すべての子どもたちの教育体験が向上すると考えています」
(出典・画像:カナダTHE LAVAL news)
ピクトグラムであれば、利用できる子も多そうですね。
ボードだけでなく、持ち歩けるようなカードも提供されているといいですね。
(チャーリー)