- 1. 自閉症に関するTikTok動画はどの程度信頼性があるのか?
- 2. 自閉症について誤った情報を含む動画が多い場合、それがどのような影響を及ぼす可能性があるのか?
- 3. 医療専門家による正確な情報と一般の情報提供者の情報の違いは何か?
米ドレクセル大学の研究で、TikTok上の自閉症に関して人気のある動画が調査されました。
その結果、正確な内容を含む動画はわずか27パーセントしかなかったことがわかりました。
32パーセントは、一部の自閉症の人々の経験を、自閉症の人がすべて経験しているかのように伝えていました。
そして40パーセント以上が明らかに正確でない情報を含んでいました。
この研究では、この不正確な動画は1億5000万回、視聴されていることを報告しています。
こうした、誤った情報は重大な実害をもたらすものです。
このような動画は「専門家と自閉症の人およびその家族との間の信頼、コミュニケーション、共有意思決定に障壁を引き起こす可能性がある」と研究チームは警告しています。
さらに、これらの動画は「一般の人たちの自閉症に対する見解に偏りをもたらす可能性があり、より集中的な支援が必要な人に関連する動画が少ないことは、こうした人たちの経験に対する認識を低下させ、その人と家族についての理解とサービスの提供に影響を与える可能性がある」と述べています。
簡単なTikTokの「あなたは自閉症かもしれません」というような検索で、「社会正義の強い感覚を持っている」や「自分の考えが天才的だと思うが他の人はそう思わない」、「よく混乱し圧倒されてしまう」といった、当たり前の一般的な感情が、自閉症の症状として描かれた動画を見つけました。
実際、私自身もほとんどの時間が圧倒されている気がします。
そうならない人はいないでしょう。
予想通り、今回の研究を行ったドレクセル大の研究チームは、医療専門家によって作成された動画の方が他のコンテンツクリエイターが作成したものよりも正確な情報であるという結論を得ました。
この結果は、自閉症の診断と治療における医学的専門知識の持続的な重要性を強調しています。
研究チームは、不正確なTikTokの自閉症関連情報があることについて、「自閉症に影響を受ける個人や家族とのコミュニケーションを促進するためにも、より大きな認識を持つ必要がある」と結論付けています。
私は自閉症に関わるすべての人が、この研究結果をとても真剣に受け止める必要があると考えます。
TikTokが中絶やワクチンのような他のトピックと同様に自閉症の誤情報を排除することを約束するまで、このあふれた誤情報は重大な問題となるでしょう。
若者や子どもたちには、TikTokから得る自閉症の情報の70パーセント以上が信頼性に欠けることを知らせる必要があります。
親や医師、教師、カウンセラーは正確な情報を準備しておく必要があります。
例えば、「同じ曲を何度もループさせて聴く」というだけで、自分が自閉症だと考えてしまう子どもや若者をサポートしなければならないのです。
(出典:米Psychology Today)(画像:Pixabay)
TikTok自体が娯楽目的であり、動画投稿者からすれば、ただ視聴数を稼ぎたいわけで、そこには「正しい情報」を伝える動機は希薄です。
なので、面白いけど「正しくない情報」があふれているのも当然のことです。公共放送ではないのですから。
「**する人は、発達障害かもしれない」というような、軽いノリの動画なんて、まさにそうです。
そしてそれは、TikTokに限ったことではありません。
すぐに信じてしまうような子であれば、そういう場であることを正しく認識するよう、教えなければなりません。
TikTokが自閉症の人を大きく助けている。しかし注意も必要
(チャーリー)