- ゲームと自閉症スペクトラム障害の関係はどのようなものか?
- ゲームが治療法としてどのような役割を果たす可能性があるか?
- ゲームの過度のプレイが引きこもりやインターネットゲーム障害(IGD)を促進するリスクはどのようなものか?
ゲームの世界では、娯楽、現実逃避、中毒、それらの境界がしばしば曖昧になります。
自閉症スペクトラム障害(ASD)や社会的引きこもりのような精神的健康状態を持つ人たちにとっては、とくにそれが当てはまります。
最近の研究で、これらの状態とゲームとの複雑な関係が明らかにされ、潜在的な利益とリスクが明らかになりました。
自閉症を持つ人たちにとって、ビデオゲームは単なる娯楽以上のものとなることがあります。
自閉症は、社会的な相互作用とコミュニケーションの困難さ、制限された反復的な行動パターンを特徴としています。
ビデオゲームは、構造化された環境と明確なルールを持つため、自閉症の人たちにとって心地よい空間を提供できます。
多くのゲームが求める細部への注意は、自閉スペクトラムにいる人たちの認知スタイルともよく合うことがあります。
さらに、ビデオゲームは治療法としての役割を果たす可能性もあります。
特定のゲームが、自閉症の人たちの社会的なスキルを向上させたり、症状を管理するのに役立つと報告する研究もあります。
たとえば、協力やコミュニケーションを促すゲームは、社会的な相互作用を練習するための安全で制御された環境になります。
しかし、人を没入させてしまう、ビデオゲームの性質は、過度のゲームプレイにつながるリスクももたらします。
それがインターネットゲーム障害(IGD)です。
IGDはゲームに対する欲求をコントロールできなくなり、他の活動よりもゲームを優先し、負の結果があってもゲームを続けることを特徴としています。
自閉症や社会的引きこもりの人たちは、孤立した活動に長時間を費やす傾向があるため、IGDを発展させるリスクがとくに高くなります。
また、リアルな社会的な相互作用に苦労していることも、IGDを促進する要因となります。
社会的引きこもりのたちにとって、とくに大規模マルチプレイヤーオンライン(MMO)ゲームといったオンラインゲームは、社会的な関係をもてる機会になります。
これらのゲームでは、プレイヤーが仮想世界で数百人または数千人とつながることができ、対面コミュニケーションよりも抵抗の少ない形で社会的な交流を持つことができます。
しかし、この仮想世界が引きこもりを、より深刻にするリスクもあります。
社会的な引きこもりを悪化させ、IGDのリスクを高める悪循環につながる可能性があります。
これまでの関連する研究では、ゲーム産業に対して、これらの状態を持つプレイヤーのために安全で包括的な環境を作り出す責任を強調しています。
それには、休憩を促すリマインダーや1日のゲーム時間を制限する機能など、健全なゲーム習慣を促進する機能を実装することが含まれるでしょう。
さらには、ゲーム開発者はASDや社会的引きこもりの人たちをとくに対象としたゲームを作成し、社会的なスキル向上や治療的な効果を伸ばすこともできるはずです。
オンラインゲームプラットフォームにおいて、コミュニティサポートの役割は大きなものです。
自閉症や社会的引きこもりの人たちにとって、オンラインゲームのコミュニティは所属感や理解を提供することもあります。
これらのコミュニティは支援を提供し、現実世界でそれを見つけることが難しい人たちにとっての救いの手になります。
自閉症や社会的引きこもりの人々にとって、ゲームは貴重な機会となります。
一方で、潜在的なリスクがあることも忘れてはいけません。
健全なゲーム習慣の促進、包括的なゲームの開発、支援的なコミュニティの育成によって、ゲームがすべてのプレイヤーにとってますます、すばらしいものになるはずです。
(出典:米Respawn First)(画像:Pixabay)
自分でプレイすることは最近はほとんどありませんが、ずっとゲームは大好きです。
有用性について、全く同意です。
しかし、リスクがあることにも同意です。
何でも、やりすぎには注意です。
ゲームに限ったことではないでしょう。
スマホやゲームを長くすると自閉症に。そうした研究の問題とムダ
(チャーリー)