- 1. 自閉症や学習障害をもつ人が感じる不安や孤独、他者への依存、自分の状態に関連した特性が、なぜ安楽死や自殺幇助の選択肢となるのか?
- 2. 社会や周囲の変化に対処できない、友人関係や人脈を築くのが困難など、どのような苦痛が自閉症や学習障害をもつ人たちを死の選択へと追いやるのか?
- 3. 学習障害や自閉症をもつ人に対して、安楽死や自殺幇助が合法的に選択肢となる背景には、どのような倫理的・社会的要因が関わっているのか?
英キングストン大学の調査によれば、オランダでは、学習障害や自閉症をもつ何人かが、世界や周囲の変化に対処できないと感じたり、友人関係を築くのに苦労したりしたために、安楽死や自殺幇助によって合法的に死を選んでいることがわかりました。
オランダでは2012年から2021年にかけて、安楽死や医師による自殺幇助の事例が6万件近くありました。
900件以上の症例報告が、オンラインで検索可能なデータベースに記録されています。
患者の苦痛が耐えがたく、改善の見込みがないという6つの基準を満たせばオランダではそれらは合法です。
研究責任者であり、キングストン大学の知的障害・緩和ケア教授であるアイリーン・タフリー=ウェインと同僚たちは、学習障害や自閉症スペクトラム障害をもつ人たちが安楽死や自殺幇助の要請を受けた状況と、要請を受けるに至った主な苦痛の原因を理解するためにデータベースを調査しました。
その結果、学習障害か自閉症スペクトラム障害のいずれか、あるいは両方のケースを含む39の事例が見つかりました。
そのうち19例が男性、20例が女性で、39例中18例が50歳未満でした。
BJPsych Open Journal誌に掲載されたこの研究では、約3分の2にあたる大多数が、不安や孤独、社会に居場所がないと感じるなど、自分の状態に関連した特性のみ、あるいはそのほとんどが原因で、その選択をしたことがわかりました。
39件のうち8件では、本人の苦悩の理由が大きく学習障害や自閉症に関連しており、世間や周囲の変化に対応できないと感じたり、友人関係や人脈を作るのに苦労したりしていました。
研究チームは、この調査結果によって、安楽死や自殺幇助の基準や、弱い立場にある患者グループからのそのような要請にどう対処すべきかをめぐる、国際的な哲学的・倫理的議論の必要性が浮き彫りになったと述べています。
さらに8人は、自閉症や学習障害のために、生命を脅かさない身体的な病気や衰えに対処することが困難であると答え、同数の人は、不安や孤独感といった精神医学的な問題と自分の状態が組み合わさったことが、死にたいと思う理由であると述べていました。
39のケースのうち、死にたいと助けを求めるに至った苦しみの原因には、孤独(77パーセント)、他者への依存(62パーセント)、回復力や対処法の欠如(56パーセント)、柔軟性の欠如や変化への適応の難しさ(44パーセント)などがありました。
3分の1のケースで、医師は本人の学習障害や自閉症が治療不可能であることを明確に指摘し、このことが改善の見込みがなく、したがって幇助死が患者にとって残された唯一の選択肢であると評価する際の重要な考慮事項であったとしています。
この調査結果について、タフリー=ウェイン教授は、社会的弱者からの依頼に対処する倫理についてより広範な議論が必要であると同時に、この調査によって、世界中で高度に個別化された支援サービスに投資することの重要性も浮き彫りになったと述べています。
「これらの人々が必要としているのは、自分たちの居場所であると感じられる社会であり、単に受け入れ、融和するだけでなく、彼らのユニークなあり方を歓迎する人々が周囲にいることなのです。
無力感を感じ、深く深く苦しみ、必要とされるサポートが複雑であることに疑いの余地はありませんが、文化的な転換がなされ、資源が著しく不足しているサービスに大きな投資がなされることを願っています」
この研究に加えて、タフリー=ウェイン教授は今月初め、英国政府の保健・社会保障特別委員会で、死亡幇助と自殺の調査について口頭証言を行いました。
【電話やチャットで気軽に相談できる窓口があります。悩みや不安を感じたら】
厚生労働省 相談先一覧ページ
涙が出ました。
悲しい事実とともに、多くの人にこうした認識をもってほしいです。
「これらの人々が必要としているのは、自分たちの居場所であると感じられる社会であり、単に受け入れ、融和するだけでなく、彼らのユニークなあり方を歓迎する人々が周囲にいることなのです」
(チャーリー)