- 自閉症やADHDを持っている人でも自分の特性を活かして成功することは可能ですか?
- 自閉症の人は特定の分野で特別な才能を発揮することがありますか?
- 発達障害を持つ人が長所を見つけてビジネスや趣味に活かす方法はありますか?
元航空兵のケネス・モックフォードは、「お金がないなら、自分で作る」というモットーで生きています。
大叔父が国際的に知られる救難信号「メーデー」を発明した59歳の男性は、「Sim2Do」事業のために、ゼロから複数のフライトシミュレーターを製作してきました。
南アフリカで育ったケネスは、庭の小屋でボーイング737、リンクス・ヘリコプター、F35戦闘機、そして最新のスピットファイアなど、数多くの航空機シミュレーターを製作しています。
それらはとてもリアルで、パイロットの訓練生が飛行試験の練習に使うこともあります。
また、このシミュレーター体験は、いつもと違うものを探している家族や友人へのプレゼントにも喜ばれています。
2020年の新型コロナのロックダウンの期間中には、スピットファイアのレプリカの製作に挑戦し、2年以上かけて戦闘機の前半分を作り上げました。
「今年、一番うれしかった瞬間は、1月に初めてスピットファイアで離陸したときです。
この機体は0から作りました。
とても誇らしく、大きな仕事でした」
最初は離陸できず、スピットファイアのパイロットが書いた本を読んで、その方法を学びました。
パイロットは飛行中、最大19機の敵機と戦うことができます。
彼は3万ポンド(約540万円)をかけて、設計図を見て、多くのパーツを一から作りました。
ケネスのエンジニアリングと飛行機への愛情は、代々飛行機への情熱を持つ彼の家族から受け継いだものです。
父親のレイはイギリス空軍に所属し、その後アフリカの航空機メーカーで働き、祖父のアーサー、大叔父のフレデリックも空軍に所属していました。
フレデリックは、1920年代初頭、英クロイドン空港の無線担当官として働いていたときに、国際的に認知されている救難信号「メイデイ」を考案しています。
ケネスが南アフリカで過ごした子ども時代の一番の思い出は、ドラケンスバーグ山脈の上空をテスト飛行する前に、父親がベル47ヘリコプターに取り付けた無線機をテストしていたときのことです。
「私はよく、パイロットと一緒に操縦していいかとお願いしました。
父は快く引き受けてくれて、もちろん私はそれが大好きでした。
山の上で、父は無線機の安定性を確認するために、機体を少し投げてほしいと頼み、パイロットは私に操縦を任せてくれました。
9歳の私は自分が何をしているのかわからず、その間にこのヘリコプターはあちこちに飛んでいきました。
私たちはとても高いところにいたのですが、パイロットはただ成り行きに任せて、大笑いしていました。
パイロットは、私の父が無線は大丈夫だと言った後、飛行を安定させました。
その後、父は、あんなにヘリコプターをほったらかしにして飛ばす人を見たことがないと言っていました。
パイロットがやってきて、『僕もみたことないよ』と。
それで、僕は航空機が大好きになったんだ」
2014年に、ケネスは務めていた仕事を辞め、自分の趣味をフライトシミュレーターのビジネスにすることを決意し、2016年からこの「Sim2Do」をオープンさせました。
ケネスは航空機の情熱の他に、自分がこれほどまでに「できる」大きな理由は、自分が自閉症であることだと考えています
「私は高機能自閉症です。それは才能だと考えています。
私にとってそれは、他の誰よりもずっと多くのものを見ることができる能力なのです。
自閉症の人は、特定の対象に集中する能力があり、そのことについて誰よりも詳しく説明することができます。
そして、自閉症の人は一般的に感情を表に出すこともとても少ないです。
でも一度、言葉を話すことのない自閉症の人が、シミュレーターでの体験を終えると、ハグをしてくれました。
一緒にいた親は、そんなの見たことない、本当にびっくりしたと言っていました。
高機能自閉症は、何か問題があると考える人もいますが、私は素晴らしいものだと考えています。
超能力です」
(出典・画像:アイルランドIRISH Mirror)
こんなふうに、自らの特性を発揮して活躍されている人が、世界中に増えていくことを期待しています。
(チャーリー)