- 大人になってからADHDや自閉症と診断されることはどのように感じるのでしょうか?
- 発達障害の人が自己表現やコミュニケーションを向上させるためにはどのような活動が効果的ですか?
- 家族や支援者が発達障害を持つ人の自信と自尊心を高めるためにはどのようなサポートができますか?
47歳のスージー・ペイトンは、自分が自閉症、ADHD、トゥレット障害、強迫性障害であることを知ったそのとき、ちょうどいいタイミングで即興コメディに出会いました。
それは12年前のことです。
自分の殻を破るきっかけになればと思いました。
現在、スージーは自分でコメディクラブを経営している。
誰でも参加できますが、このクラブには、メンタルの問題を抱えた神経多様性のある人たちが集まっています。
「私は自分の好きなことをやっています。
自分がもっているスキルを私には絶対できないと思っている人たちと分かち合っています。
自分は面白くないと思っている人たちに、自分のスキルを伝えているのです。
私のようにコメディーの即興劇による喜びを体験し、自分が素晴らしい、素晴らしい人々であることを知るのを助けます。
私の人生の目的にもなっています」
そう、スージーは言います。
ここまでに至るのは必然でした。
「ADHDと診断されてから、自分の発達障害を認識するようになりました。
知らないまま歳を重ねていたので、最初に診断を受けるのはとても勇気のいることでした。
しかし、診断を受けると、安心し、自分を正当化できるように思えました。
『私の苦悩には理由があることがわかった』
そんな感動をしました」
ADHDは「白人の男の子」のもの。
そういう固定概念があるために、人生の後半になってからADHDと診断される女性は少なくありません。
英国立精神衛生研究所によれば、男性が診断される確率は女性よりも3倍近く高いものとなっています。
その結果、サポートが得られず、スージーのような人が後々大変な思いをすることになっています。
「苦労しているのに理由がわからないと、自尊心や自信が損なわれてしまいます。
自閉症とADHDは、互いに相反することがあるので、お互いをカバーし合っているのだと私は思っています。
今は、認識と理解が進みました。
なので、『これは自分だ』と気づく人は増えました」
初めてコメディ教室に参加することになったときのことをスージーはこう言います。
「これは面白そうだと思ったんです。
私は昔からユーモアのセンスがあり、遊び心もありました。
でも、私はいつもとてもシャイで、決して発言することはありませんでした。
しかし、ADHDは私の心の中で道を切り開くことが多いので、ついやってしまったんです。
それでも怖かったし、自閉症であることもあって、『私はここで何をしているんだろう?』という感じがしました。
大きな輪になって座り、自分の名前を叫んでアクションをするように言われたのを覚えています。
逃げ出したいと思いました」
いつも誤解されてきたスージーにとって、コメディはそれから抜け出すのに理想的な機会でした。
「好きなことを何でも言える」ようになり、自由を見つけ始めることができたと言います。
「診断とコメディーに、同じ時期に出会えたのは、うれしい偶然でした」
最初のシーンを演じて笑いを取ったとき、スイッチが入りました。
それ以来、情熱を燃やし続けています。
「笑いをとることはストレス解消になり、それ以上に自分に役立つこともある」
スージーは、発達障害の人たちのコーチとして慈善団体の仕事をするようになりました。
そして、コメディというこのツールがどれほど役に立つかを伝えたいと思い、自分のコメディスペースを立ち上げることにしました。
「ADHDの人たちと一緒にワークショップをすると、とても特別で、エネルギーがすごく高まるんです。
こうしたスペースがなかったので、自分で作ったんです。
他の教室に行ったときに、自分のような人がいないと疎外感を感じ、何度かパニックを起こしてしまった経験がありました。
私のワークショップでは、そんな思いをする人がいないようにしたんです」
スージーはまず、自分がADHDなどを持っていることを伝え、そのために即興演奏が得意であることを説明し、不安を感じている人の助けになるようにします。
「安全な空間で新しいことに挑戦できる場所だと伝えています」
コメディの即興劇は、自閉症、ADHDの人には最適だといいます。
それは、自閉症の人にとっては、構造があり、ルールがあるためです。
一方、ADHDの人には創作する自由があります。
スージーはこう言います。
「コメディをやることは、私の人生のあらゆる面に影響を及ぼしています。
それまで会議では、バカなことを言わないように、黙っていることが多かったんです。
しかし今は、発言できるようになり、自信がついて、その場にいることが上手になりました。
不快であることを心地よく感じることができるようになったのです。
人生が変わりました」
(出典・画像:英METRO)
楽しく自分を変えてくれる機会。
そんな機会に出会えたり、出会えるように手伝いたいですね。
(チャーリー)