- 言葉を口から出すことが難しい人が、どのようなサポートを得ることでコミュニケーション能力を向上させることができるのか?
- 教育現場において、障害を持つ生徒の個々のニーズにどのように対応すればよいのか?
- テクノロジーを活用することで、障害を持つ人々が社会参加や自己表現を行うための環境整備はどのように進めていくべきか?
自閉症のジョーディン・ジマーマンは言葉を口から出すことはありません。
生まれてから18年間、意味のあるコミュニケーションが取れないと周りの人たちは思い込んでいました。
教室では「人間以下」として扱われたといいます。
しかし、ツールによって効果的なコミュニケーションができるようになってからは、ジョーディンは教育の現状を変える挑戦者となりました。
「私には、他の人と一緒にいたいという人間としての大きな欲求がありました。
しかし、私は音声でコミュニケーションできませんでした。
そのため、私が何を必要としているかに関して周りの人の多くは思い込みをもっていました、それに私はずっと不満でした」
28歳になったジョーディンはそう言います。
「私の頭の中には、人と共有したいことや貢献したいことなど、口からは出せないもののたくさんの言葉が貯まっていました。
しかし、それらを明確にすることができませんでした。
そのために、人とのつながりや学習の機会は狭まり、孤立やトラウマの経験につながりました」
テクノロジーによって、ジョーディンの世界が変わりました。
「私はiPad miniとテキストベースのコミュニケーションアプリを使っています。
一文字ずつ入力して単語やフレーズを作り、それを音声にして伝えています。
iPadを使ったタイピングを始めたときは、簡単ではありませんでした。
新しい方法を学ぶのは大変でした。
しかし当時、私の人生に寄り添ってくれた教育者たち、そして障害を持つ学生としての私の権利を擁護してくれた州の保護擁護制度の弁護士が、私が成功できるようたくさんのサポートをしてくれました」
「現在の教育システムは、すべての人のために設計されたわけでも、障害のある生徒のありのままの姿、なりたい姿のさまざまなニーズに応えるために設計されたわけでもありません。
多くのことが参加を妨げ、アクセスを拒む要因となっています。
そんな現状に疑問をまず抱くことから、創造的な解決策を見出すことにつながります」
ジョーディンは大学院を卒業し、講演も行っています。
また、バイデン大統領の知的障害者委員会の委員にも任命され多くの委員会に参加し、ドキュメンタリー映画『This Is Not About Me』では主演を務めてもいます。
「長年、誤解されていると感じてきた私にとって、自分の物語が多くの人に共有されていることは、本当に素晴らしいことだと感じています。
しかし、私の体験と同じような体験をした人が少なくないことを知って、胸が痛くなりました」
同じような問題に直面している人たちに対して、ジョーディンは「あなたには価値がある」と語りかけます。
そして、こう言います。
「学び、コミュニケーションし、他者とつながり、変化を生み出す機会に参加することができることが、私たちには必要です。
適切な機会とツールがあれば、すべての人が大きなことを成し遂げられるのです」
(出典・画像:米People)
これぞ、テクノロジーの素晴らしさだと思います。
ますます、多くの人たちを助けるツールが生まれてほしいですね。
(購入する前は、高性能な割に安いものの、こんな中途半端な大きさはどうなんだろう?と思っていたiPad mini、今ではずっと愛用しています。ちょうどいい大きさです)
(チャーリー)