- 自閉症の子どもを持つ親がストレスを軽減する方法はありますか?
- 自閉症の子育てにおいてマインドフルネスはどのように役立ちますか?
- 自閉症の子どもの感情制御能力の向上に親の対処法は影響しますか?
「マインドフルネス」の実践は、自閉症の幼児を持つ親が日々のストレスに対処するのに役立ち、その過程で子どもにも利益をもたらす可能性があることが、予備研究で示唆されました。
子育てにはストレスがつきものですが、自閉症の子どもを持つ親は、特にストレスレベルが高いことが多いという研究結果があります。
自閉症は発達障害で、程度の差こそあれ、コミュニケーションや社会的スキルが損なわれるものです。
軽度の子もいれば、ほとんど言葉を発しない、反復的で強迫的な行動にとらわれるなど、深刻な影響を受ける子もいます。
また、知的障害のあるお子さんもいれば、IQが平均かそれ以上のお子さんもいます。
自閉症の子どもたちの日常生活や生活の質を向上させるために、さまざまな治療やサービスが提供されていますが、それらは一般的に親たちのストレスや対処法には対応していないと、今回の研究の主査であるレイチェル・フェニング教授は述べています。
「従来、自閉症の子どもたちに役立つサービスは、親のストレスも軽減してくれるという思い込みがありました。
しかし、それは必ずしも正しいとは言えません。
なぜなら、親はあらゆる種類の問題に対処している可能性があるからです」
そう、米カリフォルニア州クレアモントにあるクレアモント・マッケナ大学のクレアモント自閉症センターを指揮するフェニング教授は言います。
親たちのストレスは、福祉サービスを利用する際の問題や、子どもの療育を家庭で実践する方法の学習から、仕事と家庭生活のバランス、請求書の支払いなど、より大きな問題まで、さまざまなものがあります。
フェニング教授らは、親に対処法を教えることが役に立つかどうかを確かめたいと考えました。
1970年代に米マサチューセッツ大学医学部のジョン・カバットジンによって開発された標準的な8週間のプログラムであるマインドフルネス・ベーストレス・リダクション(MBSR)があります。
瞑想と優しいヨガのポーズを組み合わせて、人々がストレスに対する反応を変えるのを助けることを目的としています。
基本的な考え方は、日々のストレスに対する自分の習慣的な反応(例えば、反芻したり、「破局」を迎えたり)に気づき、代わりに「今この瞬間」に注意を向けることを学ぶというものです。
フェニング教授の研究チームは、自閉症の未就学児を持つ117人の保護者を募集しました。
そのほとんどは、十分な教育を受けていない少数民族の家庭でした。
半数はMBSRを学ぶために無作為に割り当てられ、残りの半数は親のストレスに直接対処しない通常の教育・支援サービスを受けました。
親たちは、新型コロナの世界的大流行が起こるまでは対面式のセッションに参加し、その後、オンライン形式に移行しました。
全体として、両グループの親たちは、その後1年までストレスが少なかったと報告しましたが、その効果はMBSRグループでより大きくなっていました。
また、両グループの親たちは子どもの感情調節能力の向上も報告しましたが、それはグループ間では有意な差はなかったため、親たちのMBSRの実践が影響を与えたかは不明でした。
しかし、親たちのストレス評価の改善と子どもの感情制御の改善には相関関係がありました。
フェニング教授は、国際自閉症研究学会の年次総会で、この研究結果を発表する予定です。
学会で発表される研究は、一般に、査読付き学術誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされます。
米ナッシュビルにあるヴァンダービルト大学医療センターの小児心理学者、ニール・ブロデリックの研究チームは、自閉症の子どもの親を対象としたMBSRを研究しています。
「マインドフルネスは、私たちがストレスフルな状況を乗り切るのを助ける能力において、非常に強力なものになり得ます」
プロデリックはそう言います。
2020年の研究では、ブロデリックの研究チームは、自閉症と診断されたばかりの3歳未満の子どもを持つ親に焦点を当てました。
すべての親は、子どもとのコミュニケーションや遊びに参加させるためのテクニックを学ぶ標準的なサービスを受けました。
そして、半数はさらにMBSRでマインドフルネスを学びました。
平均して、マインドフルネスを学んだ親たちは、学ばなかった親たちに比べて、ストレスが大きく軽減され、子どもとの関わりに対する評価も良くなったと報告しました。
ブロデリックは、マインドフルネスの実践をできるだけ身近なものにしようと努めました。
たとえば、皿洗いや夕食作りなど、目の前の仕事に全神経を集中させることでも、マインドフルネスは実践することができるのです。
「マインドフルネスを実践するには、皿洗いや夕食作りなど、どんな事でも、それに全神経を集中させればよいのです」
非営利団体Autism Science Foundationの最高科学責任者であるアリシア・ハラデイは、自閉症の子どもを持つ親は自分がストレスを感じていることを、自分のための時間を確保し認めるべきだと言います。
「自分に合うことを見つけて、罪悪感を感じずにやってみましょう。
親が元気になると、それは子どもにも伝わります」
ブロデリックも同じことを言います。
「ウェルネスがウェルネスを生むのです」
(出典:米Medical Xpress)(画像:Pixabay)
親がつらい感じになっていれば、子どもがニコニコすることも多くならないでしょう。
私もそう思います。
なので、ずっと私は子どもも無理することなく、ニコニコして過ごせることを第一にしてきました。
マインドフルネスもその一助になるのでしょう。
(チャーリー)