- 自閉症の先住民として、どのように自分の経験を共有したりサポートを受けたりできますか?
- 先住民の文化やコミュニティが、自閉症や他の発達障害をどのように理解し、対応しているのですか?
- 先住民の自閉症者に適した教育や支援方法はどのように改善されるべきですか?
カナダブランドン大学のパティ・ダグラスは、先住民地域であるマニトバ・メティス連合南西地域とブランドン・フレンドシップ・センターとの協力のもと、2022年の初めから「先住民における自閉症の扱いについての研究」を行っています。
この研究では、伝統的な西洋の医学と経験を使用し、自閉症の先住民の学校での経験と結果を改善する方法を検討しています。
研究に参加する資格のある参加者は、先住民族の自閉症の人々、先住民族または非先住民族の家族、学校での経験について話したいと考えている教育者、および自閉症者と仕事をしている他の人々でした。
参加するために自閉症の正式な診断を受ける必要はありませんでした。
ウィニペグに住むビーズ細工のアーティスト、クレア・ジョンストンは、広告を見たダグラスに研究に参加したいとメールを送りました。
その結果、この研究はとても有益なものとなった、とジョンストンは言います。
「他の自閉症の人たちと一緒になり、私たちの経験について話すことは、私にとって絶対的な変化をもたらしました」
ジョンストンはまた、ダグラスが取り組んでいる、自閉症の人、家族、実務者、教育者、アーティストを集めて自閉症を違った角度から見ることを目的としたマルチメディア・ストーリーテリングプロジェクト「ReStorying Autism in Education」を称賛しています。
このプロジェクトは、自閉症の人たち、家族、教育者、アーティストを集め、自閉症を違った角度から見ることを目的としています。
「自閉症の人たちに利益をもたらすもので、それが私にとって最も意味のあることだったと思います」
歴史的に、自閉症について行われてきた研究は、大部分がネガティブな面に焦点を当てたもので、自閉症の人たちのニーズや問題を強調する傾向がありました。
ブランドン大学の社会正義教育、インクルーシブ教育、障害学教育の准教授であるダグラスは、先住民の自閉症の人たちにとって必要なのは、彼らのユニークな経験のためのスペースを確保する、そのためのより多くの先住民のリーダーシップだと述べています。
カナダでは、先住民の若者に自閉症という診断をすることはあまりありません。
一方で、行動障害や胎児性アルコールスペクトラム障害といった他の診断は多くされています。
これらの子どもたちは、実際には自閉症であった可能性があります。
ダグラスは、自閉症の人たちに関わる人が、すべての人の多様性や違いを肯定する考え方に移行することを望んでいます。
これは、先住民の専門家も長い間、望んできたことだと言います。
ダグラスはこう言います。
「先住民の同僚は、ずっと前から知っていました。
人間には根本的に、多様性があるのです。
『悪いものではない』と言うのです」
先住民の文化には、自閉症や、注意欠陥多動性障害、感覚処理障害、強迫性障害などを表す言葉すらありません。
ジョンストンは、自分たちの祖先(中には自閉症と思われる人もいる)を調査する中で、先住民の文化では発達障害の人たちを、そうでない人と変わりなく考えてきたことを知りました。
「社会には、つねに特別な役割を持った特別な人たちがいると彼らは言います。
私の祖父母や曾祖父母が書いた回想録がありますがそれを読むと、自閉症であったと思いました」
過去7年間に渡る取り組みでダグラスは、自閉症の人の多くがいじめ、排除、誤解、そして懲罰に直面していることを知りました。
ダグラスはニュージーランドに渡り、同国の先住民族であるマオリ族についても研究を始めました。
「私たちは、さまざまな先住民の世界観や文化、コミュニティから、肯定的な話を聞きました。
素晴らしい美と愛、強さ、回復力、抵抗がたくさんあります」
マオリの生活体験とカナダの先住民の体験には多くの類似点があります。
ダグラスは今後の研究のために、マオリの人たちとの関係を構築し続けたいと考えています。
「これは本当に重要な仕事だと思います。
人種差別と能力差別は、学校システムの中に存在しています。
それは本当に、本当に大きなダメージを与えるものです」
(出典:カナダTHE BRANDON SUN)(画像:Pixabay)
「違う」だけで「悪い」ということは絶対にありません。
みんな同じく、違うのだと思っています。
(チャーリー)