- どのようにすれば、障害者をサポートできますか?
- 障害者の多様性を尊重するために、どのようなアクセシビリティやリソースを提供すべきですか?
- 企業や組織が障害者の声を取り入れて、アクセシビリティを促進するためには、どのような取り組みが重要ですか?
ナオミ・ジョンソンが自分が神経多様性であることに気づき始めたとき、彼女は34歳。
英BBCの自閉症の女性についての番組を見てからでした。
「最初の子どもを妊娠していた頃です。
そのとき、ソーシャルメディアで自閉症、そして神経多様性について調べ、自分もそうではないかと疑いました。
子どもが生まれ、それから、子どもが幼いときに一緒に自閉症だと診断されました」
現在、Amazon社の障害者インクルージョン戦略のリードであり、障害者のための神経多様性の共同ディレクターであるジョンソンは、障害者が直面する課題、特にアクセシビリティと職場の安全性の観点から、他の人々がより理解するように助けることを人生の使命としています。
「自閉症、そしてADHDと総合運動障害の正式な診断を受けることは、多くの点で人生を変えるものでした。
個人的な観点では、完全に異なる理解で自分の人生全体を見直す必要があることは、とてもたいへんでした。
もっと自分を生かさないといけないと言われたことも、周りに溶け込もうと必死になっていた時にいじめられたことも、振り返ってみると、自分のために設計されていない世界を何年も何年も切り抜けようとしてきたことで蓄積されたインポスター症候群や完璧主義の傾向に挑戦しなければならないのは、とても大きなことでした」
診断されても、提供されないことが多いメンタルヘルスサポートが必要なときだったと言います。
「また、家族、パートナー、友人など、あなたの人生に関わるすべての人にとっても、大きな転換となります」
この診断が、ジョンソンのキャリアの方向性を大きく変え、自分自身を理解するだけでなく、多くの従業員が職場で直面している問題を認識するきっかけとなりました。
ジョンソンは、自分のキャリアを振り返って、自分の役割はうまくいっていたが、長く勤めれば勤めるほど、問題が山積してきたと言います。
“私は技術、戦略、リーダーシップの分野で20年間を過ごしました。
燃え尽き症候群で2~3年ごとに転職を繰り返しましたが、なんとかリーダーへと上り詰め、成功しました。
しかし、長く勤めれば勤めるほど、問題が徐々に大きくなってきました」
ジョンソンがかかえた問題は、ジョンソンに限ったものではありません。
悲しいことに、発達障害のある従業員に対する偏見がまだあります。
英Autistica Orgによれば、自閉症の成人の10人に2人しか現在雇用されていません。
ジョンソンは、この断絶をなくすために、自分の素晴らしいキャリアを生かしたいと考えています。
「私は、そのなかでやり遂げた少数派の一人です。
私は今、Amazonのワールドワイドストアの障害者インクルージョン・リードとして、42カ国の障害者インクルージョンの戦略を担当しています。
しかし、私の基本的なプロフィールを紙に書いて、自閉症、ADHD、学位なし、MBAなしと書いて、どんな仕事をしているかとインタビューされれば、ステレオタイプなメディアの表現がなされるでしょう。
このようなステレオタイプや偏見に挑戦するために、私はキャリアを変え、今の仕事をしています」
雇用主は、組織内で変化を起こしたいのであれば、簡単な会話から始められます。
すべての多様性の推進は、必ずしもお金の問題ではありません。
思いやりと共感を持って指導することが重要なのです。
「最初にするべき質問は、
『どのようにすれば、あなたをサポートできますか』
です。
自分について開示することは、個人の選択、決心であり、非常に難しいことです。
ステレオタイプや偏見に陥らずに、正しい言葉や理解を身につけられるようにすることが、とても重要です。
情報開示のための安全な空間を作り、すべてのアクセシビリティツールやリソースにすぐにアクセスできるようにしてください。
サポートに使う教育、トレーニングは、障害者コミュニティが推奨し、神経多様な少数の人たちの声が反映されていることを確認してください」
神経多様性には、さまざまな症状があると彼女は言います。
「私たちの多くは、少なくとも2つの疾患を抱えています。
初めて診断名を公表する場合や、診断を受けて間もない場合、自分自身がどんなサポートを必要としているのか、まだよく分かっていないかもしれません。
全く異なるレンズを通して自分の人生を見ることは、とても大きな学習曲線で、時間と理解を必要とするものです」
ジョンソンは、公平でアクセシブルでインクルーシブな哲学をすべての行動に持ち込むことが必要だと言います。
「障害について考えるということは、ただドアを開けて彼らに会うだけではなく、彼らが会社にとどまり、会社で成長し、楽しみなキャリアパスがあることを一緒に確認することです。
そのためには、会社をアクセシブルでインクルーシブなものにし、リーダーから新入社員まで、すべての従業員が必要な情報を入手し、必要な教育を受け、サポートされていると感じるようにすることです。
障害者コミュニティを構築し、支援し、成長させることで、それまでは開示しなかったかもしれない人たちの開示を支援する安全な空間が生まれます」
障害は、すべてのマイノリティグループと同様に、完全に個人の経験であることを認識することが、重要だとジョンソンは考えています。
すべての人に、異なる長所と課題、世界との異なる関わり方があり、そして異なる調整が必要だといいます。
「心、スキル、経験の多様性こそが、企業をより革新的に、より収益的に、より成功させるのです。
なので、Amazonは多様性に真剣に取り組んでいるのです」
Amazonには、この巨大企業におけるインクルージョンを支援し、創造するために働くさまざまな障害者インクルージョン・リーダーがいて、同時にアクセシビリティが企業文化に組み込まれるようにチームづくりを促進しています。
「私たちは、障害のある人や神経多様性の人たちが安全な空間を確保し、Amazonのどこでも公平に扱われ、他の社員と同じように自分の能力が評価されるよう取り組んでいます。
あなたがすること、作ること全てに障害者の声を聞き、取り入れてください。
メールやプレゼンテーション、あなたが行うすべてのことにアクセシビリティを組み込むよう努力してみてください。
模範を示す。
私たちがしなければ、私たちは変わりません」
(出典:カナダHRD)(画像:Amazon, YouTube)
「法定雇用率」を目的とするのではなく、
「心、スキル、経験の多様性こそが、企業をより革新的に、より収益的に、より成功させるのです」
のためと知らなければ、企業が厳しくなるのです。
(チャーリー)