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自閉症の子は「ごっこ遊び」が苦手でも、想像力はとても豊か

time 2023/03/23

この記事を読むのに必要な時間は約 8 分です。

自閉症の子は「ごっこ遊び」が苦手でも、想像力はとても豊か
  • 自閉症の人たちは、どのような遊びを通じて想像力を表現しているのか?
  • 定型発達と比べて、自閉症の人たちの想像力はどのように異なっているのか?
  • 自閉症の子どもが持つ想像力を評価する際の一般的な誤解や誤った基準は何か?

私はこれまでに、多くの自閉症についての診断を行ってきました。
私は、自閉症(ASD)の子どもを評価する際に、他の医療機関が重く評価する診断基準のひとつにある「ごっこ遊びができない」ことに注目しています。

2022年のRudyの研究によれば、自閉症の子どもは「おままごと」を必要とするゲームに参加することが少ないそうです。
自閉症診断面接(ADI-R)の質問の重要な項目群の1つは、被評価児が想像力豊かな遊びをしているかどうかの評価が中心になっています。

2021年のHealis Autism Centerの研究によれば、「自閉症の子どもは、自発的にごっこ遊びをする回数が少ない傾向にあり、ごっこ遊びを始めるのが遅れることも多い」とされています。

そして、自閉症の子どもたちは、ステレオタイプ的に、物を分類したり、物やおもちゃで繰り返し遊んだり、遊ぶ代わりに反復行動をすることを好むと考えられています。

しかし、私の経験では自閉症の子どもの想像力を評価する際の根本的な問題は、研究者や医師が想像力を持つ方法や想像的な遊びをする方法は、「ごっこ遊び」のようなもの一つしかないと思い込んでいることです。

定型発達の子どもたちは、おもちゃや物に自分の想像力を投影したり、他の子どもたちと交流したりすることで、想像遊びをすることが多くあります。
そして、このような遊びがない場合に、観察者は子どもには想像力がないと判断してしまうのです。

しかし、私の経験では、自閉症の人たちは定型発達の人たちよりもはるかに豊かで深い想像力を持っていることがあり、ストレスを感じると解離性の想像の世界に引きこもってしまうことがよくあります。

問題の原因は、そのような世界が何であるかを定型発達の人間が理解しやすいように適切に言語化できないことと、想像力豊かな遊び方が、定型発達の人間が期待するものとは異なるということです。

たとえば、私が担当したある自閉症の男の子は、手に持った物を回転させながら行ったり来たりする遊びを繰り返していました。
しかし、彼が大人になって言葉を話すようになってから話を聞いてみると、彼は自分の内面世界を、頭の中で行ったり来たりして演じる継続的な物語やストーリーで満たされているものだったと語っていました。

また、ある青年は、積み木を並べるのが好きでした。
そのとき、彼は頭の中で、自分がプレイしているオンラインゲームに関連した、驚くほど詳細なストーリーを作り出していました。
そのストーリーは、小説が書けそうなほど詳細なものでした。

また、あるクライアントは、子どもの頃、何時間も静かに宇宙を見つめていたのですが、年齢を重ねるにつれて、頭の中で繰り広げられる精巧で驚くほど複雑なストーリーを、長いグラフィック小説にしました。

私の例だけでも、挙げればきりがありません。
私は、コミュニケーションに長けた自閉症の大人と一緒に仕事をしていますが、彼らのほとんどは、幼少期にさかのぼって、驚くほど豊かな想像力の内なる世界を語っています。

それでも、しばしば自閉症の顕著な特徴のひとつとして「想像力の欠如」が挙げられてきたのです。
ティム・バートン、ダン・エイクロイドは、自閉症と診断された著名なクリエイターです。
創造性や想像力に欠けると思われがちな土壌で想像力が花開いた人物たちです。

1999年のCraig et.Alの想像力欠如仮説によれば、自閉症の人にとって「想像的な創造性は、現実に基づく創造性よりも難しい」のだそうです。

しかし真実は、自閉症の人に想像力が欠けていることはありません。
想像力との関わり方が、多くの定型発達の人たちとは違うということです。

私は幼い頃、寝室の壁にテープでぬいぐるみを全部吊るしていました。
それを見た母は、私には想像力豊かな遊びができないと思っていました。
しかし、私の中では、頭の中に構築された空想の世界での役割に応じて、動物をただ分類していたのです。

ユニコーンを最初にそうしたのは、普通の生き物の国から逃げてきた不良グループの支配者だったからです。
私の頭の中では、この物語が詳細に描かれていました。

私は何時間も森の中で石や棒を整理しながら独り言を言い、物語の展開を想像していました。

このような遊びは、どれも想像力によるものです。
父からは、独り言を言いながら物を整理している私がおかしいとよく言われましたが、これらはすべて深い想像力のある遊びでとつながることでした。

それから、私は10冊の小説を書いています。

私は人生の大半を、現実と遜色のない想像の国で過ごしてきました。
私のクライアントの多くも同じようなものです。

彼らも本を書き、「ダンジョンズ&ドラゴンズ」のような膨大なストーリーテリングと想像力を必要とするゲームで遊び、絵を描き、本を読み、とても深く美しい想像の世界に住んでいます。

サマンサ・クラフトの「自閉症の女性のための非公式チェックリスト」によると、特に自閉症の女性は「想像、空想、白昼夢を通して日常的に逃避する」のだそうです。

私たちは想像力を通して生きているのです。

多くの定型発達の研究者、医師、介護者が自閉症の人たちの想像力の強さを十分に認識できないのは、私たちのコミュニケーションの難しさに起因しているというのが私の仮説です。

私たちは、定型発達の人向けにデザインされたテストや行動観察において、創造性や想像力のあらゆる指標で常に低いスコアを出しています。
しかしそれは、私たちが自分の内面として経験していることを、口頭や従来の筆記試験で伝えることができないことが大きな原因です。

少女時代の私に「なぜ動物を選別しているのか」と尋ねたら、怒るか無言になったことでしょう。

しかしだからといって、私たちの内なる体験が、神経型の人たちと同じくらい、いやそれ以上に豊かな想像力と創造性を持っていないわけではありません。

(出典:米Psychology Today)(画像:Pixabay

うちの子は重度の自閉症、知的障害があり、話すこともできません。

なので、本人の口から聞くことはできませんが、私にはものすごく想像力があるように思えます。

おもちゃの車のタイヤなんかをずっと転がして遊んでいる姿を見ると、本当に笑顔で、みんなで楽しくドライブしていることなんかを想像しているのかなとよく思ったりしたものです。

機嫌がいいときなんて、本当に楽しいことを考えているのだろうなとよくわかります。

人はどうして「幽霊」を信じるのか?自閉症の人からわかること

(チャーリー)


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