- 職場で神経多様性を持つ人が直面する偏見や誤解はどのようなものか?
- 神経多様性を持つ人が適切な支援を受けることなく働くことにどのような影響があるのか?
- 発達障害を持つ人が職場で成功するためには、どのような環境が必要なのか?
ADHDや自閉症などの発達障害を持つ人々たちは、診断にまつわる偏見や誤解のために、職場で「恥ずかしさでいっぱい」になっていると言います。
29歳のティリー・モーガンは、昨年初めにADHD、自閉症と診断されました。
モーガンは、診断によって自分自身をよりよく理解できるようになったにもかかわらず、職場で苦労を続けてきたと言います。
「29年間も自分自身に不満を持ちながら生活し、なぜ自分がすべきと思うように機能できないのか理解できないことは、自分に負担をかけることになりました。
診断されて、自分を理解し始めるとさらに大変でした。
周りの人の方は理解してくれないからです。
私は生涯、とくに仕事の場面において、常に恥を感じてきました。
声に対する反応に苦労しました。
その結果、指示を誤解したために、仕事をやり損ねたり、間違った仕事をこなしたりすることもありました。
このことが原因で、私は2つの会社から解雇されました。
彼らの目には、私は自分の仕事をしていないと映ったのです。
これは、私が神経多様性にあたると理解する前の話です」
神経多様性とは、人が情報を処理する方法の違いのことで、これらの違いは単に人間の脳のバリエーションに過ぎないとされています。
神経多様性には、自閉症、注意欠陥多動性障害(ADHD)、失読症、失行症、トゥレット症候群、複雑なチック障害などがあります。
英国では、約7人に1人が何らかの神経多様性を持っていると推定されています。
モーガンは、診断されたことで「安心感」を得ましたが、職場で適切な適応がなければ、発達障害の人は「苦労し続ける」ことになると語りました。
自閉症とADHDと診断されてから1週間後、職場でモーガンはパニックを起こしてしまいました。
同僚に、自分を受け入れる方法を説明しましたが、誰もしてくれなかったと言います。
「半年間で3回職を失ったのはひどいことでした。
しかし診断されてから、同僚にさらに汚名を着せられたのは、本当に悲しいことでした」
モーガンさんは、2ヶ月前に最後の仕事を辞めてから、現在は働いていません。
「働きたいし、働くことや忙しいことが好きなのに、どうしてもできない。
私は常に恥ずかしさでいっぱいで、身体的に健康な29歳の私が、定型発達の人たちの世界で精神的に対処できないから働けないのだと言うのは、恥ずかしいことだと感じています」
最近のデータでは、ADHDの人は、障害のない人に比べて、職場から解雇される確率が2倍であることが明らかになっています。
また、ADHDや自閉症の人たちは、定型発達の人たちに比べて失業率が高いという調査結果も出ています。
英国自閉症協会の広報担当者は、次のように述べています。
「自閉症の人は、職場で大きな貢献をすることができ、雇用主にとって真の財産となり得ます。
しかし、自閉症の雇用格差は依然としてあまりにも大きく、最新の統計によると、自閉症の人の29パーセントしか働けていません」
21歳のエレナ・パーマーは、19歳のときに自閉症とADHDと診断されました。
長年にわたって自分の症状を隠してきた結果、職場が彼女にとって「生き地獄」のように感じられるようになったと言います。
「学校は発達障害の人のために設計されていないし、職場もそうではありませんでした。
忙しいシフト中は、脳が燃えているような感覚を味わうしかありません。
忙しい日は6、7時間、休憩はありませんでした。
頻繁に燃え尽き、時には仕事中にメルトダウンしてしまうこともありました。
とにかくすごく、疲れるんです。
私がまだ仕事を続けられている唯一の理由は、長年の間、自分の症状を隠す術を身につけたからだと考えています。
マスキングすることで一日をスムーズに過ごせるようになったとはいえ、一日が終わるころには、もう疲れきってしまっています」
発達障害の人の多くが「マスキング」をしています。
これは、周りの人と同じようになるために、特定の行動を学習、練習、実行し、他の行動を抑制することです。
研究によれば、マスキングは自閉症の人にとくに多く見られ、男性よりも女性に影響があることがよく分かっています。
英国自閉症協会の広報担当者は、次のように述べています。
「多くの自閉症の人は、細部への優れた注意力、強い技術力を持っており、異なる視点を提供することができます。
すべての雇用主は、静かな空間の提供やスタッフへの意識向上トレーニングなどを提供することで、大きな違いを生むことができる小さなステップを作ることができるのです」
どんなに厳しい状況にあっても、相手を尊重する。
かんたんなことではありませんが、人としてそうありたいと思います。
自分以上に厳しいのだと思ってください。
ふだんから、いろいろな困難と対峙しながら生きてきたのですから。
(チャーリー)