- 自閉症や診断を受ける前のパートナーシップでの問題解決はどう進めていたのか?
- 子育てにおける異なるスタイルや考え方が、夫婦関係にどんな影響を与えていたのか?
- 自閉症の診断後に、専門家から得た洞察が、夫婦関係や問題解決へどのような変化をもたらしたのか?
2年近く前、夫のケインが自閉症と診断されました。
診断後、私たちが親しい人たちにそのことを伝えると、さまざまな反応がありました。
ケインのことをよく知っている人たちは、「なるほど」と納得してくれました。
しかし長い間、ケインが自閉症であるようには見えませんでした。
診断までの道のりは、心理学者から始まりました。
私は、結婚生活の中で激動とも言える時期にセラピストと会うようになりました。
私はよく、私たちの関係で抱えている困難について説明しました。
ケインと私の間には圧倒的なフラストレーションがありました。
私たちは常に頭を突き合わせているようで、同じ議論を何度も繰り返していました。
しかし、私たちは問題解決に取り組み、成功させたいとも考えていました。
つまり、私たちは問題解決のためにさまざまな方法を追求するのですが、いつも同じ問題に戻ってくるように見えるのです。
私の心理カウンセラーは、ケインの行動パターンと、私が私たちの関係で嘆いていることを見抜きました。
彼女は、ケインが自閉症ではないかと優しく示唆し、正式な診断を受けるように勧めてくれました。
セラピストが私の話から得たこれらのパターンや特徴は、私たちの生活の中でさまざまな形で現れました。
その中には、必ずしも気にならないものもあれば、非常に気になるものもありました。
とくに気にならないことは、「癖」とも言えるようなものです。
例えば、ケインが家の中を裸足で歩くのを極端に嫌がるのは、足元の砂や砂利の感触が気になるからです(3人の子供と犬がいるので、そういうことはたくさんあります)。
同じものを食べ、同じものを身につけ、無理のない範囲で毎日同じことをすれば、かなり幸せになれるのです。
私がいつも笑ってしまうのは、寝室では自分の側にものを置かないことです。
私の荷物の山は、彼の見えない壁を越えず、「私の側」に投げ捨てられていて、秩序が保たれています。
しかし、私たちの人生に大きな影響を与えるものもあります。
ケインの「白か黒か」という考え方は、特に子どもができたときに、私たちの間で争いの種になりました。
彼はとても賢く、資産形成やお金に関する研究や学習をいつも楽しんでいました。
私たちが初めて会ったとき、彼は経済的自由を手に入れるための将来計画について話していました。
正直なところ、これは私が彼に惹かれた点でした。
お金を稼ぐという計画だけでなく、彼は男性的なエネルギーを放っていました。
彼はとんでもない仕事熱心で、自分が欲しいものに対して無条件に一途で、私はそれがセクシーだと思ったのです。
私の面倒くさがり屋、アンビバレント、流れに身を任せる性格が、彼の大胆な決断と構造を渇望しました。
彼の将来設計に安心と安全を感じ、彼もまた私の最善の利益を考えてくれていると思ったのです。
しかし、私は衝撃を受けました。
ケインの言う「経済的成功のためのレシピ」には、柔軟性がありませんでした。
彼のレシピは、大惨事のレシピになり始めたのです。
子どもが生まれる前、私たち夫婦が働いている間は、大きな問題はありませんでした。
しかし、子どもが生まれると、お金のことで口論が絶えなくなりました。
ケインは、私が彼のレシピ通りに家計を管理することを期待していたのです。
長期的な交際を成功させている人ならわかると思いますが、妥協と協力は重要です。
ケインは料理をするときにアドリブを入れるような男ではなく、自由がありませんでした。
そのため、私たちを素晴らしい道に導いてはくれませんでした。
ケインが純粋に私のために正しいことをしていると思ったとき、私は本当に疲れました。
それから、子どものこともありました。
子どもを持つことは、私たちにとって常に計画されていたことであり、最もエキサイティングな冒険でした。
ケインは子育てに関するどんな仕事も喜んで引き受けました。
子どもたちと一緒に過ごし、遊び、新しいことを教えるのが大好きで、子どもたちは彼の存在で生き生きとしています。
子どもたちは、彼の存在によって成長し、喜びと生きがいを感じると同時に、緊張も感じていました。
赤ちゃんの時期を超えると、ケインは、変化する彼らの感情的なニーズに適応し、柔軟に対応することが難しくなることに気づきました。
親なら誰でも知っているように、子どもとの毎日は違って見えるものです。
その時その時で、子どもたちのニーズに応えるために、気配りや受け止め方に流動性が必要なのです。
ケインの子育てのスタイルは権威主義的と言えるかもしれません。
一貫した罰と徹底的なアプローチを信条としていました。
私とは共通認識を持つことが難しく、子育てをめぐって衝突することが多くなりました。
心理学者からケインに自閉症の検査を勧められたとき、最初私は何の意味があるのかと疑問に思いました。
しかし、彼女は、私たちが繰り返し抱えている問題、特に金銭面や子育てのスタイルをよりよく解決するための指針になる可能性が高いと考えていました。
私はケインにこの話を持ちかけることに緊張を覚えたが、彼は驚くほどこ簡単に受け入れてくれました。
彼は、なぜ自分が他の人と違う世界を見ているのか、よく悩むと言いました。
このことをもっと知りたいと言っていました。
診断の際、心理学者は、もしケインが独身で子どももいなければ、診断を受ける理由がなかったかもしれないと説明しました。
私たちは、大人の未診断の自閉症が、長期にわたる人間関係や子育てのプレッシャーの中で、より明らかになることが多いことを知りました。
診断を受けてから、ケインは自閉症の大人を診た経験のあるセラピストと連絡を取り合うようになりました。
彼女はケインにとって素晴らしいリソースであるだけでなく、私にとっても洞察力に富み、心強い存在となりました。
ケインが初めて彼女に会ったとき、私たちは、彼女が私たちの問題に対して自閉症に適した解決策を提示してくれるだろうと、期待をいだきました。
私たちは、本を読み、手順を踏み、私たちの問題を「解決」するために、彼女が期待していることをすべて実行する用意がありました。
その代わりに、彼女は、私たちが繰り返し口論になるのは、自閉症が原因ではなく、むしろ、お互いのユニークさを理解し、受け入れることができないからだと認識するのを助けてくれました。
彼女は、私たちを最初に引き合わせた「違うこと」の魅力を思い出させてくれました。
時が経つにつれて、私たちはこれらの違いを受け入れ、評価するよりも、不寛容になっていったのです。
彼女の指導により、私たちは互い特性を補完する素晴らしさを再認識し、それがいかに強力なパートナーシップの布を織る糸となりうるかを知ることができました。
今私は、ケインのすべてに感謝しています。
彼は正直で、忠実で、強く、人生に対する確かな感覚は、私が感情の乱高下で漂流しそうになったとき、錨のような存在であり続けています。
実際、彼の淡々とした生き方は、私に安心感を与えてくれました。
とくに、私を愛することに関しては、彼が考えを変えることはまずありませんから。
自閉症であろうとなかろうと、時には相手の良さを肯定してあげることが必要なのです。
最終的には、私たちは互いに感謝しています。
たとえ、ここにたどり着くまでに自閉症という診断が必要であったにせよ。
自閉症が原因。
ではないですよね。
突然、自閉症になったわけではなく、ずっと前からそうなのですから。
違うことを認め、敬意を払う。
たしかに、夫婦でも必要なことでしょう。
自閉症の人へのアドバイス。パートナーと良好な関係でいるために
(チャーリー)